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開拓
第11話 作戦決行と予想外
しおりを挟む日が沈み、辺り一面が暗くなった。作戦決行。
ノーラさんを含む15名がルイズさんの案内の元、村へ出発した。村の中で5名で1つグループ、3班に分かれて行動。各班、好きな獲物(人間)を2人ずつ攫って来る手筈になっている。
また、別働隊としてミィちゃん率いる10名で一生懸命育てたであろう農産物に火をばら撒く。
火が回ったら混乱に乗じて、数名、村に忍び込み、だいたいの人口、地形、建物の把握。正直、ここまでしなくてもいいかもしれない。ただ、村の中に強者がいるかもしれない。それをあぶり出す。
「ここまでやって、強者と呼べる奴が出てこないのであれば、簡単に滅ぼせる村だね。それなりに強い人間がいれば経験を積むことが出来るんだけど...ねぇ、アリエスさん。どうして農地を拡大したと思う?あと魔物への警戒が薄くなった?」
腕を組み、片方の手は顎にそえ、考えているアリエスさん。俺は、魔物への警戒が薄くなった要因に心当たりがある。アリエスさんに聞いたのは別の可能性を期待してのこと。
「やはり、キメラの存在ではないしょうか。」
「だよねぇ。私もそう思ったよ。キメラから逃げた先にあの村があった。ただ、私たちが最果ての地、エタンセルに住み着いてからは、キメラをほとんど狩り尽くされ、危険がなくなったエタンセルの周りに住み着くようになり、この村への襲撃もしくは移動しなくなった。」
目をキラキラさせているアリエスさんには悪いが、誰にでも考えられる要因だ。だから、さすがナイン様!って言わないで欲しい。恥ずかしいから……。
「エタンセルが、魔物の住処になってしまうかもしれませね。」
エマさんの言葉通り、キメラの脅威がなくなれば魔物が住み着き、繁殖して、数を増やしていくことは想定できる。
「定期的に、エタンセルに戻る必要が出てきた。行けるところまで行きたいが...。イレーナさん、ゲートの魔道具を設置お願い。」
「了解...しました……。」
ゲートとは、エタンセルにあった魔道具のひとつ。簡単に言えば転移装置。何時でも俺たちの故郷に帰れるよう修理した。これがあるから安心してエタンセルを離れ、全員で行軍したのだ。異世界って、すげぇ...って思った瞬間だったね。
まぁ、設置するのに時間がかかるのと、設置場所が1つしか出来ないのが難点だけど、イレーナさんとサリーちゃんがいれば何とかなる。
「よいしょっ!ふん、ふん、ふん。」
支柱を2箇所、地面に突き刺すサリーちゃん。その支柱をイジるイレーナさん。もう何やっているのか分からない。
「行けるところまで行くつもりが、キメラの討伐で別の悩みが出るとは、考えていなかった。エタンセルを荒らされるのは嫌だし、仕方ないけど...はぁ。予想外。どうする、アリエスさん、エマさん。」
全体指揮を執るアリエスさん、その副官がエマさん。
「村を滅ぼした後、一旦引き返しましょう。設置したゲートに関しては、数名を残し守護致します。」
「エタンセルにも、これから数名、交代制で警備をつけた方が良いですね。」
アリエスさんの提案に、エマさんが追加の提案をする。
「それでいくか...。エタンセルにあるゲート、それと繋がるこのゲートだけは死守しないといけない。警備は厳重にしておいて。イレーナさん、この支柱の予備ってあったっけ?」
作業中に声をかけるのは気が引けるが確認しておかないと。
「10本……修理…出来て、いない…支柱が…あります…」
「そっか...。了解、作業を止めてしまってごめんね。」
イレーナさんとサリーちゃんの技術班には、申し訳ないけどエタンセルで修理をお願いしよう。後方支援部隊として連れてきたのだが裏目に出てしまったな。
「いや、いや、いや、いや。ふっ、ふはははは。なんだ、なんだこれは。初陣がこんなにハプニングが起きるなんて分かるか!!まだ、キメラぶち殺していた方が楽だわッ!クソっ、ガァアア!!」
「はぁ、はぁ、はぁ。すまない。取り乱した。冷静になるまで少し時間をくれ。」
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