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開拓
第18話 アデス村
しおりを挟むマジックバッグはを個人が所有するには、容量によるが、莫大な金貨もしくは、白金貨を支払わなくては手に入らないとされるらしい。
「エタンセルで、様々な形をしたマジックバッグを手に入れたのは幸運だった...。便利すぎて、いくら金を積まれても渡したくない。っということで、村へ入る前の検問で知られたくない。技術部隊の意見を聞かせてくれ。」
自分の目でも見える位置で小休憩中。
目指していた村に木造の城壁が存在していたため、相談ついでに休憩にする事にした。
「服の中に縫い付けて誤魔化すしか思いつかないであります!」
今回の旅に同行している技術部隊を代表してカーラちゃんが発言してくれる。
「確かに、隠し通すのは難しい。小細工くらいしか出来ないか。そもそも、俺たちが持っていると思われない可能性が高いか...。よしっ!カーラちゃん。適当な服に縫い付けて欲しい。あと、オーバーオールの制服は目立つから着替えて。帽子は、耳を隠すのに丁度いいから被ったままでお願い。」
粗悪品の服でも、存在を偽るのに使える。現に俺は、農民にしか見えない。フレアさんは、顔とスタイルが良いから、服が悪くても農民には見えない。妥協案で、ボロボロのフード付きのローブで対応。
「検問の際、素性を聞かれたら、スヴェン村の住人と名乗ること。立ち寄る理由は、大きな町へ行って冒険者になるため、食料調達と言えばいい。まぁ、考えすぎかもしれないが、慎重に越したことはないだろう。」
開拓村を潰してから3日。ようやく、次の復讐する村に到着する。弱者だった俺たちには、プライドなんてありはしない。敵を油断させることが出来るなら、何にでもなれる。虚偽の情報をどれだけ敵にあたえられるか、この村で経験を積むつもり。
カーラちゃんたちの用意が整い、俺たちは名も知らない村へ歩き出す。
アリエスさん曰く、今いる国は、アルディア王国というらしい。アルディア王国の首都イスパニアは、世界有数の土地を保有し、とても栄えているとのこと。主要な国、そして首都については分かるが、村の名前は一々覚えいない。というか、分からない。
「おぉ...。立派な、城壁ですねぇ。近くで見ると迫力が違いますねぇ。」
検問待ちの間、適当な会話を始める。しなくてもいいが、無知で無害な存在だと思われたい。
「おや、この村は初めてかい?」
俺たちの前にいた、初老の男性が俺の適当な演技に反応する。まさか、フレアさんと会話をするつもりが、知らないおじさんと会話することになるとは...。
「あ...いえ、小さい頃に来たと思うんですが、こんなに立派な城壁があったか覚えていなくて。大きな村だという事くらしい記憶になくてですね、えへへへへっ。」
「そうだったのかい。確かに。ここ数年で街と遜色ないくらいに発展したからね。アデス村が羨ましいよ。」
しみじみ話す初老の男性。話すのが好きなのか、情報をポロポロ落としてくれる。良いねぇ、おじさん良いよぉ。もっと話してくれよ。
「おじさんは、どこの村から来たのでありますか?」
人間相手に億さず質問するカーラちゃん。成長したなぁ。感傷的な気持ちになりつつ会話を続ける。
「僕?僕かい?開拓村からだよ。村に名前がないから不便なんだよね。」
「へぇー。開拓村ですか。確かに、開拓村に名前が付けられるまで時間かかりますよね…」
「そうなんだよ、あはははっ。君たちは、開拓村出身なのかい?」
「違いますよ。スヴェン村というところから、出稼ぎに来ました。」
スヴェン村について話してみたが、おじさんの表情に変化はない。スヴェン村出身と名乗っても問題なさそうだな。
「おぉ、そうかいそうかい。若いっていいね。あははははっ。」
おじさんとの世間話しで時間を潰し、俺たちは適当な検問を抜け、アデス村の中に入る。意味があるのか分からない検問だったことに、拍子抜けした。
「所詮、村という事ね。ナイン...さん、さっきの男、消す?」
俺以外の人間を嫌うフレアさん。話すのも嫌なのだろうか、先程の会話に入ってこなかった。
「村や街の中では、俺のことをさん付けにすることを覚えていてくれて嬉しいよ。消してもいいけど...嫌だった?」
「別に。嫌ではないわ。虫唾が走るだけよ。」
「そ、そう...。これからたくさんの人間に会うんだけど、大丈夫?」
「ナイン...さんの護衛を任せれている以上、決して感情的になることはないわ。安心して。ちゃんとやるから。」
幸先不安だな...。本当に大丈夫か、これ?
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