勘違いから始まる反逆王

わか

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開拓

第58話 頭パンク

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 冒険者ギルドを出た俺とセイラさんは、一度宿に戻り休息する。セイラさんの機嫌をとるために、好物のビーフジャーキーを渡したり、メールチェックしていたら、煤で服が汚れているルナさんとアルマさんが帰ってきた。

 「ただいまっ。ナインさんとセイラは、宿に戻っていたんだね。くんくん、エッチなことしてないよね?」

 俺に近寄って、匂いを嗅ぐアルマさん。それを見て、ビーフジャーキーをもきゅもきゅと咀嚼音を鳴らし、抗議の目を向けるセイラさん。また、始まったよ。

 「アルマ、ウザい。アタシは、ロマンチスト。エッチするなら時間があって、二人きりの時。それ以外は、たぶん、しない...」

 「ふーん...黒騎士に所属する人は、性欲魔でしょ?信じられないなぁ。」

 疑惑の目でセイラさんを見るアルマさん。

 「よくその口で言える...ど淫乱ボクっ娘。」

 バチバチっと視線を交わす両者の間に、ルナさんが割って入り諍いを収める。

 「ここまでよ、二人とも。いがみ合う時間があるなら、ナインさんとミィのために時間を使いなさい。」

 しぶしぶといった表情で頷くセイラさんとアルマさん。ルナさんには、感謝だな。

 「おかえり。ルナさん。」

 俺は、ルナさんが座った近くに紅茶を注いだカップを置く。ハーフエルフが好む飲み物で、ルナさんも例外ではない。

 「ただいま、ナインさん。ふふっ、紅茶ありがとう。頂くわ。」

 じっとアルマさんが俺を見る。ボクにはないの?と目が語っている。

 「アルマさん、炭酸のオレンジジュースだよ。お勤め、ご苦労さま。」

 「さすが、ナインさん!ボクの好きな飲み物を用意してくれるなんて、優しいなぁ。さらに、惚れちゃう...」

 大げさにリアクションをとるアルマさんに対して、俺は苦笑いする。まったく、アルマさんは、甘え上手なことで。

 「ルナさんとアルマさんは、エタンセルに戻る?」

 闇ギルドを壊滅した際に汚れた服に指をさし、二人に尋ねる。

 「そうね。ひと息ついたら、シャワーを浴びに戻る予定よ。アルマも同じ。闇ギルドについては、あとでメールするわ。」

 服の汚れが気にしていた様子だったルナさんは、急ぐようにエタンセルに転移し、アルマさんも...

 「ナインさん、セイラとイチャイチャしたらダメだよ?もし何かしてたら、お仕置きとして、ボクを抱いてね。ふふっ。」

 っと、俺に一言言い残し転移していた。

 転移した二人を見送った後、俺はコーヒーを飲みながらぼんやり考えごとをする。
 なんだろ?今までの旅よりも、ずっと疲れている気がする。アルディア王国の首都になると、行動範囲も大きくなるし、情報も多い。正直言うと、まとまった時間で情報処理をしたい。

 「ダメだ!頭がパンクする!」

 突然、俺が頭を抱えて叫ぶもんだから、セイラさんが驚いて、俺の傍により背中に手を置いて、心配した表情で俺に問いかける。

 「ナインさん、今、大変?ナインさんは、一人じゃない...みんないる。みんなが支える。」

 「ありがとう、セイラさん。頭の中で情報の整理をしていたら、思わず本音が出ちゃった。申し訳ない。同行メンバーを補充したい…アリエスさんとシェリーさんと直接会って、話し合いのもと、決める。セイラさん、首都イスパニアにいる間は、エタンセルが王である私の専属護衛としての役目を与えたい。頼めるかい?」

 話している内に、空気が変わったのを察知し、傅くセイラさん。

 「首都イスパニアに、エタンセルが王ナイン様がいる間、アタシの命にかえましてもお護り致します。」

 「ふふっ。セイラさんも、そういうのしっかり出来るんだね。引き受けてくれてありがとう。早速で申し訳ないんだけど、一度エタンセルに私は戻る。時間にして、二時間位か...その間、この部屋を仲間以外、絶対に通すな。不審な者がいたら、問答無用で殺せ。よろしくね。」

 「あ...はいっ!ご期待にそえるよう全身全霊をもって、守護致します。」

 心臓がある位置に右拳を当て、左手は後ろ腰に回し宣言する。いつもと違うセイラさんを見れて、嬉しいよ。

 「ミィちゃんとペトラさんも一度エタンセルに戻らせる。何かあれば、必ず連絡をお願い。それでは、また二時間後に会おう!」

 ローブを翻し、エタンセルへ転移する。
 ゲートの前に誰もいないこと確認したのち、俺は、ダッシュしてアリエスさんの部屋に駆け込む。

 「きゃぁ!えっ、え...ナイン様?」

 下着姿のアリエスさん、まじエロス!
 あー、違う違う、助けてもらうために来たんだった。

 「助けてアリえもん!もう、俺、ダメだ...助けてくれー、アリえもん!その下着、イイね!スゴく似合ってる。ごふっ...」

 タオルケットを顔に被せられ、もがく俺。もう疲れた!抵抗するのもバカらしくなり、大人しくアリエスさんを待つ。

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