イグナイテッドネーム

第五話 歩み

「さてニュートラル、これからどうするんだ。」

「私は今まで通り、放浪するよ。サイクロプスはどうするんだ。」

「俺も今まで通り、放浪するさ。また独りでな。」

「なんだ、ついてこないのか。」

「なんだ、ついて行っても良いのか。」

「私はお前が共存出来る者を探しているように見えたからな。」

「イグナイテッドが独りで生きて行く事は過酷・・・それは十分解っているようだな、新参。」

「へっ、これでも二年は放浪してんだ。」

「ならまだまだ若輩者だな。まあ頼むぜ、相棒。」

サイクロプスは、私の目的のない旅に加わる事になった。
元より彼は、安寧を求めて旅をしてる事は会話の中から明確だった。
しかし、彼は強力な属性の力を持つイグナイテッド。集落等に訪れたとしても、人々は彼をクリーチャーと見分けることが出来ない。
ならば、私がそれを導こうではないか。

この腐った世界には、おそらく彼のようなイグナイテッドが居ることだろう。そして、イグナイテッド達は居場所を求めている。
これは元々、私が放浪している理由だ。

以前にも何人かのイグナイテッドや行き場を失ったサイボーグを引き連れていたが、皆、盗賊やクリーチャー、野生動物やワイバーン等と言った存在に淘汰されてしまった。
この世界では、弱い存在は生きて行けない。

だが、我々は強い。

文字通り、イグナイテッドにとってのリバティ。ユートピアのパロディを作ろうじゃないか。
皆が楽しく笑って過ごせるような、そんな場所を。