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第二章 キャラバン
エクストランス
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「案ずることは……ございませんよ」
「え? あ、フォンティーヌ……さん?」
フォンティーヌがユックリと起き上がろうとしていた。
「えと、あの、その……だ、誰か! この人を」
俺は駆け寄ってみたが、その痛々しいカラダを見るとどうして良いかわからなかった。
それから、どうやらバラカンの毒に操られていただけらしい領主らと領民、反乱軍兵士は和解し、倒れている人々を助けて回った。
「フォンティーヌ様がお呼びです」
一時間ほどたったろうか、木陰で休んでいた俺とリルルは衛兵に呼ばれ医務室へと向かった。リルルも俺の気持ちを察していたのか、いつになく無口だった。
「聖剣士ラインハルトさま」
「え、えっとナゼ名前を……」
「フフ……柄に書いてありますもの」
フォンティーヌは小さく笑った。フォンティーヌの笑顔は砂漠のオアシスのように心に沁み渡った。
「ラインハルト様は……」
「ハルトで結構ですよ」
「あ、ハイ。それではハルト様。ハルト様はお優しい人ですね」
「は、はあ~」
「バラーシュ・カンフィオラの件を気に病んでいるのではありませんか?」
「い、いや、そ、それは……」
フォンティーヌの目はすべてが見通せるように思えた。隠し事などできない気がした。
「理解はしているつもりです。ああするしかなかったと。それでも私のいた世界では死は身近な存在ではなかった。だから……」
「気に病む必要はありませんよ」
「はぁ……」
「バラーシュは死んでおりません」
「え?」
「バラーシュも言っていたでしょう? 聖剣を倒せるのは聖剣だけなのです」
「で、でも……」
「バラーシュは隠れたのです。貴方の力を見極めるべく」
「俺の……力? ですか?」
「そうです。貴方があの時発揮したチカラは……おそらく時に関するチカラ。ウロボロスの頭首が求めているチカラこそは時に関するモノなのです」
「時に関するチカラ……」
「ハイ」
「しかし……俺は……あのチカラは使いたくない。というか、あの状態になりたくはないんです」
「なるほど……剣霊承依ですね」
「エクス……トランス?」
「ハイ。聖剣は長い時を旅する乗り物のようなものなのです」
「乗り物……ですか……」
「ハイ。まあ、棺桶……などと言う者もいますけれど」
「棺桶……」
「表現はともかく、聖剣は、その中に宿る剣霊の人生、戦いを刃に刻み込んでいく。その蓄積されたチカラが変化し時々予想もしないチカラを生むのです」
「なるほど……よく、分かりませんが……」
「ああ、少し脱線しました。エクストランスとは、そんな聖剣に秘められたチカラが、表に現れる状態なのです。たいていは聖剣士の能力を補佐する程度なのですが……稀にカラダが乗っ取らることがあると聞きます」
「なるほど……まさに、カラダが自分のモノではないようでした。あれは……とても怖かった」
俺はあの時のコトを思い出すとカラダが震えだした。自分が自分でないという恐怖より、自分の手で人を殺す恐怖だ。しかも、それを楽しんでいるようにさえ見えた。
「聖剣を支配することです」
「支配?」
「ハイ。ワタシもハルト様の戦いを見ていました……あれはまるで……ウロボロスの魔剣士達のようでした」
「そ、そんな!」
「ですから。ハルト様は聖剣をコントロール……支配しなければなりません」
「どうすれば……」
「マスターはいるのでしたよね? そこの……ええと……」
「はい! はいはいはい! リルル・オルシュタインと言います!」
「そうでしたね。まず、リルル・オルシュタインさんを守ることです。エクストランスせずに、聖魔に頼ることなく」
「え? ええええええ~ナマケモノだめですか?」
「協力は良いのです。しかし、聖剣は剣技こそがメイン。サブである聖魔に頼っていては剣技は極められません」
「はぁ……剣技……ですか……」
「そして使命を果たすことです」
「使命?」
「より困難な使命を果たすことで聖剣はレベルアップします。今の使命はなんですか?」
「えっと……あ! ああああ~! 忘れてた!」
そうだ。奴隷からの解放とリルル救出でスッカリ忘れていた。王都へ一月で行かなければならないのだった。
「えっとえっと、ここに来てから……どのくらい経ってんだ? リルル」
「えっとね~……にじゅう……さん、いや24日かな?」
「! え、えっと……念のために聞くけど、ここから王都までって……どのくらい?」
「馬車で2週間って言ってたよ~」
「だ! だめじゃんか!!!!!! あと一週間くらいしかないじゃんか!」
やばいやばいやばい、やばいぞ? 何がリルルを守るだ。肝心なことを忘れていたじゃないか。どうする? っていうか無理だよな。チキショウ。どうすればいいだよ!
「ゲートを開くしかないな」
そこにディーンが入ってきた。例のクソ貴族ラルフと一緒に。
「ゲートだと?」
「ああ、ゲートなら王都まで一瞬で着く」
「な、なんだと! そんなもんがあるのかよ! よ、良かった~」
そうか、そうだよな。この世界には魔法がある。そのくらいあっても不思議はないぜ!
「だが……ゲートにたどり着くのは……困難でもある」
「な、なんでだよ」
「ハルト……確かにこの都市の地下にゲートはある。しかし、ゲートに至る門の前にモンスターがいるんだ。だから誰も近づけない」
「な! そ、そんなぁ~それじゃダメじゃないか」
「そこで提案がある」
クソ貴族ラルフが口を挟んだ。
「提案だと? 何様のつもりだ! だいたいがなあ~オマエのことは許してないからな!」
「いや、そ、その節は……本当に済まなかった。しかし聞いてくれ」
「いーや聞かん! 聞く耳は持たん!」
「まあそう言うなハルト。これは悪い話ではない」
「なんだとディーン! オマエもだな、許した覚えはないんだぞ!」
「だが、ゲートしか方法がない。違うか?」
「ぐっ、そ、それは……」
確かに見たところこの世界で馬車より早く移動する手段はない。しかも馬車の倍の速度だ。だとしたらワープ……ゲートしかないだろう。
「ゲートを閉じたのもおそらくウロボロスのしわざだ。この都市を孤立させ支配下に置くためのな」
「聖剣ラインハルト様、正式に依頼したい。図々しい話だとは理解しているが、ゲートの門番を倒してほしいのだ」
ラルフは頭を下げた。生まれつき頭を下げることに不慣れなのか、動作がぎこちなくはあったが。
「見返りはなんだ?」
「本来、ゲートは領主や王族、そしてそれらから認可を受けたものしか使えない。鍵が必要なのだ。そこで……魔物を倒してもらえるのなら、この鍵はそなたに進呈しようと思う」
ラルフは金色の鍵を差し出した。
「チキショウ! 選択肢はナシってわけか!」
「まーそういうことだな」
ディーンが俺の肩を叩いた。しかし、心強いこともあった。
「ハルト様、ワタシも同行します」
フォンティーヌさんが一緒に来てくれることになった。リルルは置いていくつもりだったが、時間がないこともあり、ゲートが開いたらすぐに移動できるよう、俺とリルルとフォンティーヌさんとディーン、そしてラルフで魔物退治行くことになった。
「五人か……RPGのパーティみたいなもんだな」
「は? ハルト、何いってんだ?」
「い、いや……」
このとき、俺はまだ軽く考えていたのかもしれない……
「え? あ、フォンティーヌ……さん?」
フォンティーヌがユックリと起き上がろうとしていた。
「えと、あの、その……だ、誰か! この人を」
俺は駆け寄ってみたが、その痛々しいカラダを見るとどうして良いかわからなかった。
それから、どうやらバラカンの毒に操られていただけらしい領主らと領民、反乱軍兵士は和解し、倒れている人々を助けて回った。
「フォンティーヌ様がお呼びです」
一時間ほどたったろうか、木陰で休んでいた俺とリルルは衛兵に呼ばれ医務室へと向かった。リルルも俺の気持ちを察していたのか、いつになく無口だった。
「聖剣士ラインハルトさま」
「え、えっとナゼ名前を……」
「フフ……柄に書いてありますもの」
フォンティーヌは小さく笑った。フォンティーヌの笑顔は砂漠のオアシスのように心に沁み渡った。
「ラインハルト様は……」
「ハルトで結構ですよ」
「あ、ハイ。それではハルト様。ハルト様はお優しい人ですね」
「は、はあ~」
「バラーシュ・カンフィオラの件を気に病んでいるのではありませんか?」
「い、いや、そ、それは……」
フォンティーヌの目はすべてが見通せるように思えた。隠し事などできない気がした。
「理解はしているつもりです。ああするしかなかったと。それでも私のいた世界では死は身近な存在ではなかった。だから……」
「気に病む必要はありませんよ」
「はぁ……」
「バラーシュは死んでおりません」
「え?」
「バラーシュも言っていたでしょう? 聖剣を倒せるのは聖剣だけなのです」
「で、でも……」
「バラーシュは隠れたのです。貴方の力を見極めるべく」
「俺の……力? ですか?」
「そうです。貴方があの時発揮したチカラは……おそらく時に関するチカラ。ウロボロスの頭首が求めているチカラこそは時に関するモノなのです」
「時に関するチカラ……」
「ハイ」
「しかし……俺は……あのチカラは使いたくない。というか、あの状態になりたくはないんです」
「なるほど……剣霊承依ですね」
「エクス……トランス?」
「ハイ。聖剣は長い時を旅する乗り物のようなものなのです」
「乗り物……ですか……」
「ハイ。まあ、棺桶……などと言う者もいますけれど」
「棺桶……」
「表現はともかく、聖剣は、その中に宿る剣霊の人生、戦いを刃に刻み込んでいく。その蓄積されたチカラが変化し時々予想もしないチカラを生むのです」
「なるほど……よく、分かりませんが……」
「ああ、少し脱線しました。エクストランスとは、そんな聖剣に秘められたチカラが、表に現れる状態なのです。たいていは聖剣士の能力を補佐する程度なのですが……稀にカラダが乗っ取らることがあると聞きます」
「なるほど……まさに、カラダが自分のモノではないようでした。あれは……とても怖かった」
俺はあの時のコトを思い出すとカラダが震えだした。自分が自分でないという恐怖より、自分の手で人を殺す恐怖だ。しかも、それを楽しんでいるようにさえ見えた。
「聖剣を支配することです」
「支配?」
「ハイ。ワタシもハルト様の戦いを見ていました……あれはまるで……ウロボロスの魔剣士達のようでした」
「そ、そんな!」
「ですから。ハルト様は聖剣をコントロール……支配しなければなりません」
「どうすれば……」
「マスターはいるのでしたよね? そこの……ええと……」
「はい! はいはいはい! リルル・オルシュタインと言います!」
「そうでしたね。まず、リルル・オルシュタインさんを守ることです。エクストランスせずに、聖魔に頼ることなく」
「え? ええええええ~ナマケモノだめですか?」
「協力は良いのです。しかし、聖剣は剣技こそがメイン。サブである聖魔に頼っていては剣技は極められません」
「はぁ……剣技……ですか……」
「そして使命を果たすことです」
「使命?」
「より困難な使命を果たすことで聖剣はレベルアップします。今の使命はなんですか?」
「えっと……あ! ああああ~! 忘れてた!」
そうだ。奴隷からの解放とリルル救出でスッカリ忘れていた。王都へ一月で行かなければならないのだった。
「えっとえっと、ここに来てから……どのくらい経ってんだ? リルル」
「えっとね~……にじゅう……さん、いや24日かな?」
「! え、えっと……念のために聞くけど、ここから王都までって……どのくらい?」
「馬車で2週間って言ってたよ~」
「だ! だめじゃんか!!!!!! あと一週間くらいしかないじゃんか!」
やばいやばいやばい、やばいぞ? 何がリルルを守るだ。肝心なことを忘れていたじゃないか。どうする? っていうか無理だよな。チキショウ。どうすればいいだよ!
「ゲートを開くしかないな」
そこにディーンが入ってきた。例のクソ貴族ラルフと一緒に。
「ゲートだと?」
「ああ、ゲートなら王都まで一瞬で着く」
「な、なんだと! そんなもんがあるのかよ! よ、良かった~」
そうか、そうだよな。この世界には魔法がある。そのくらいあっても不思議はないぜ!
「だが……ゲートにたどり着くのは……困難でもある」
「な、なんでだよ」
「ハルト……確かにこの都市の地下にゲートはある。しかし、ゲートに至る門の前にモンスターがいるんだ。だから誰も近づけない」
「な! そ、そんなぁ~それじゃダメじゃないか」
「そこで提案がある」
クソ貴族ラルフが口を挟んだ。
「提案だと? 何様のつもりだ! だいたいがなあ~オマエのことは許してないからな!」
「いや、そ、その節は……本当に済まなかった。しかし聞いてくれ」
「いーや聞かん! 聞く耳は持たん!」
「まあそう言うなハルト。これは悪い話ではない」
「なんだとディーン! オマエもだな、許した覚えはないんだぞ!」
「だが、ゲートしか方法がない。違うか?」
「ぐっ、そ、それは……」
確かに見たところこの世界で馬車より早く移動する手段はない。しかも馬車の倍の速度だ。だとしたらワープ……ゲートしかないだろう。
「ゲートを閉じたのもおそらくウロボロスのしわざだ。この都市を孤立させ支配下に置くためのな」
「聖剣ラインハルト様、正式に依頼したい。図々しい話だとは理解しているが、ゲートの門番を倒してほしいのだ」
ラルフは頭を下げた。生まれつき頭を下げることに不慣れなのか、動作がぎこちなくはあったが。
「見返りはなんだ?」
「本来、ゲートは領主や王族、そしてそれらから認可を受けたものしか使えない。鍵が必要なのだ。そこで……魔物を倒してもらえるのなら、この鍵はそなたに進呈しようと思う」
ラルフは金色の鍵を差し出した。
「チキショウ! 選択肢はナシってわけか!」
「まーそういうことだな」
ディーンが俺の肩を叩いた。しかし、心強いこともあった。
「ハルト様、ワタシも同行します」
フォンティーヌさんが一緒に来てくれることになった。リルルは置いていくつもりだったが、時間がないこともあり、ゲートが開いたらすぐに移動できるよう、俺とリルルとフォンティーヌさんとディーン、そしてラルフで魔物退治行くことになった。
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