転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

なんてこった!

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「スノウも言ってる事だし、そろそろ終わらせてもらうぞ。」


「んーこれはマズイなぁ。所詮は騎士団長。会ってもある程度なら大丈夫だと余裕をこいていたのが悪かったかな。それなりにやり合えるとは思っていたけど、負けて死ぬ可能性はないって、たかを括っていたツケが回ってきちゃったよ。そんな剣を持っていたなんて反則だよ。」


「ハッ!反則もクソもあるか。舐めてかかった自分の落ち度だろうが。それに俺は無性にイラついてるんだ。ティアにあんなもの付けやがって!!」


「…ッ、ここは一時退散かな。また明日、君たちの大事なその子を奪いに行くよ。万全な状態で行くから明日会えることを楽しみにしておくといいよ。」


「あぁ"ん?逃がすかこの野郎!!」


 エリック隊長の剣がヤヤにあと少しで届くという距離で、今まで何をするでもなく控えていたモッサさんたちが動き、エリック隊長に向かって行き攻撃を振るった。


「チッ!!」


 エリック隊長はモッサさんたちの攻撃を受け流す。その隙にエリック隊長から距離をとったヤヤは気味の悪い笑みを浮かべると斬り落とされた腕を片手に向き直る。


「それじゃあ今宵は良い夢を!明日は日の出と共に忙しくなるからね!しっかり休んでおくといいよ。それじゃあモッサ、行くよ。他の奴らは足止めくらいしといてね。」


 モッサさんはヤヤの側に控えると蔦を操り荊の壁を作った。


「待てっ!!」

〈ダメ!逃がさないよ!!〉


 ビスさんとスノウが荊の壁を破壊するも、すでにヤヤとモッサさんは姿を消していた。
エリック隊長も一瞬で下っ端戦闘員を片付けるとヤヤとモッサさんがいたはずの場所を睨みつけた。


「クソ。」


〈エリック!何してるんだよ!ちゃんと息の根を止めなきゃ!〉


「悪い…だがもう、アイツらの気配はない。追ったところで見つかるとは限らない。深追いはかえって危険だ。」


〈絶対に息の根を止めないとマズイのに…〉


 スノウはヤヤの内側から感じる力の根源に心当たりがあり、取り逃した事で焦燥に駆られた。


〈エリックに任せず僕がればよかったッ!!〉


 スノウは何があってもティアを護れるように、あの力から少しでも離れるように、と今回はエリックに全てを任せてしまったことを後悔した。


「逃した事は悪いと思っている。次は必ず捕まえる。」


〈捕まえるだって?息の根を止めなきゃダメなんだよ!アイツを逃した事でティアの存在がバレたら?取り返しのつかない失態なんだよ!〉


⦅そのへんにしとけこのバカ。まだ大丈夫だ。あれは眷属じゃない。ならば、まだ猶予はある。⦆


「どういう意味だそれ?アイツを逃した事でティアが危険に陥ったってことか?おい、何か言えよスノウ、グラム!!」


〈⦅………⦆〉


「なんで、だんまりするんだよ!」


 険悪なムードにどうしたらいいのかと1人焦っているとアルは立ち上がって私の頭をぽんぽんと撫でると大丈夫だと言った。


「剣はよく分かないが…お前たち2人は何を言い争っているんだ。いい加減にしたらどうなんだ。そんな暇あったら次の行動を考えたがマシだ。ティアにこんな顔させるなよ!」


 こんな顔ってどんな顔?鏡があったらすぐにでも確認できたかな。


「〈ティア…〉」


 ハッとしてこちらを見たエリック隊長とスノウは私を見て、ごめんと謝った。


「あの~まずはここを離れません?そこで伸びてる者たちを締め上げ…」


「締め上げる必要はないぞ。1人くらいは残しといた方が良かったな…」


「…あぁ。なるほど。流石の腕ですね。」


〈ティア、それ今すぐ壊そう。ティアには似合わない。〉


 スノウは親の仇でも見るかのように魔力封じの首輪を睨みつけ唸る。今にでも噛み砕きそうなスノウにビスさんが待ったをかける。


「力ずくで外すのはおすすめしないよ。何かしらの術が首輪に掛けられている可能性があるからね。下手したら爆発したりするかもしれないし。」


「ひえっ!」


 そんな怖い代物なのコレ!?え、爆弾を首にしてるの私?いやぁああ!!スノウ、ステイ!ステイだよ!私の頭と身体がお別れしちゃうよ!


「スノウ、俺もだが、こういった細かい事は器用な奴に任せる方がいい。俺も今すぐにでもぶっ壊したいが、慎重な作業には向いてないのは自覚している。」


 ならばビスさんは?と期待の眼差しで見つめるがスゥ~と視線を逸らされた!


「ティア、ビスもいい加減なところあるからな。やめといた方がいい。」


 なんてこった!!
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