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「コロロ・フォン・ベルガモット! 貴様との婚約を、今この時をもって破棄する!」
王立学園の卒業記念パーティー。
煌びやかなシャンデリアの下、着飾った貴族の子息令嬢たちが談笑する華やかな会場に、その声は雷鳴のように響き渡った。
オーケストラの演奏がぴたりと止まる。
ざわめきが波が引くように消え、会場中の視線がホールの中央に集まった。
そこに立っていたのは、この国の第二王子であるアレック殿下。
そして、その彼に指を突きつけられているのは、私ことコロロ・フォン・ベルガモット公爵令嬢である。
「……はい?」
私は持っていた扇子を少しだけ下げ、小首をかしげた。
(……え、今なんと?)
周囲の貴族たちが「おお、なんと憐れな」「まさか卒業の日に」とひそひそ噂をするのが聞こえる。
だが、私の胸中に去来していた感情は、悲しみでも絶望でもなかった。
(こ、婚約破棄……ですって……!?)
ドクン、と心臓が大きく跳ねる。
(それってつまり、あのお妃教育という名の理不尽な重労働から解放されるということ?)
(毎週末の殿下のご機嫌取りデートもしなくていい?)
(将来の王弟妃としての公務からも逃げられる?)
(……最高か?)
私は口元が緩みそうになるのを、扇子で隠して必死に堪えた。
危ない、危ない。
ここで「やったー!」と万歳三唱してしまっては、公爵家の品位に関わる。
私は努めて冷静を装い、震える声(笑いを堪えているだけ)で問い返した。
「あの、殿下。それは誠でございましょうか?」
「ふん、ショックで耳が遠くなったか? 何度でも言ってやる。貴様のような性悪女に、未来の妃となる資格はないと言ったのだ!」
アレック殿下は、勝ち誇ったように鼻を鳴らした。
その隣には、小動物のように震える男爵令嬢、ミナ様の姿がある。
彼女は殿下の腕にギュッと抱きつき、上目遣いで私を見ていた。
「コ、コロロ様……ごめんなさい。でも、私たち、真実の愛を見つけてしまったの……」
「ミナ、君が謝る必要はない。悪いのは全て、君をいじめ抜いたこの女なのだから!」
殿下はミナ様を庇うように一歩前へ出ると、私を鋭く睨みつけた。
「とぼけても無駄だぞ。証拠は挙がっている! 先月、階段でミナを突き飛ばしただろう!」
「……はて?」
私は記憶の糸を手繰り寄せる。
ああ、あの日か。
「殿下、それは誤解ですわ。ミナ様がご自身のドレスの裾を踏んで転びそうになったので、私が手をお貸ししただけです」
「嘘をつくな! ミナの腕にはどす黒いあざができていたのだぞ! 突き飛ばされた証拠ではないか!」
「ですから、それは……」
転倒を防ぐために腕を掴んだ際、私の握力が少々……いや、だいぶ強すぎたせいだ。
なにせ私は、淑女の嗜みとして幼少期から独自に筋力トレーニングを行っている。
今の私の握力は、完熟したリンゴを片手でフレッシュジュースにできる程度には仕上がっているのだ。
加減をして「そっと」掴んだつもりが、華奢なミナ様には万力のような締め付けになってしまったらしい。
(申し訳ないことをしましたわ。次は指一本で支えるべきでしたね)
「さらに! 中庭の茶会で、ミナに向かって扇子を投げつけたそうだな! あれが当たっていたらどうするつもりだったのだ!」
「あれは……ミナ様の背後に、毒を持つスズメバチが迫っていたからですわ」
「言い訳は見苦しいぞ! 扇子でハチが落ちるわけがあるまい!」
「落ちましたよ? 真っ二つに」
「は?」
殿下がポカンと口を開けた。
事実である。
私はあの日、ミナ様を守るために愛用の鉄扇(特注品・総重量三キロ)を投擲したのだ。
風を切り裂く音と共に飛んだ扇子は、見事にハチを両断し、そのまま背後の大木に深々と突き刺さった。
ミナ様が腰を抜かして泣き出したのは、ハチが怖かったからではなく、私の投擲フォームがあまりに洗練されていたからだろうと解釈していたのだが。
どうやら、殺されかけたと思われていたらしい。
「……ふん、口から出まかせを。お前のその暴力的な本性にはもう我慢ならんのだ!」
殿下は声を荒らげ、周囲に聞こえるように宣言した。
「よって、この場でコロロ・フォン・ベルガモットとの婚約を破棄し、新たにミナ・男爵令嬢との婚約を結ぶものとする!」
おおお、と会場がどよめく。
「そしてコロロ! 貴様には罰が必要だ。王都から追放し、辺境の地での謹慎を命じる!」
追放。
なんて甘美な響きだろうか。
王都の堅苦しい社交界からも、実家の厳しいお父様からも離れられる。
誰にも邪魔されず、好きなだけ寝て、好きなだけ筋肉を鍛えられる自由な生活。
私の脳裏に、理想の「スローライフ」の光景が広がっていく。
朝は鳥のさえずりと共に目覚め、午前中は岩を持ち上げてスクワット。
午後は狩りで得た獲物を丸焼きにして食べ、夜は満天の星空の下でプロテインを飲む。
(……楽園か)
感動のあまり、目頭が熱くなってきた。
それを「悲しみの涙」と勘違いしたのか、殿下がニヤリと口角を上げる。
「ふふん、今さら泣いても遅いぞ。さあ、何か言いたいことがあるなら言ってみろ」
私はスッと背筋を伸ばした。
扇子を畳み、優雅な所作(に見えるように筋肉を制御して)でカーテシーを行う。
顔を上げ、満面の笑みを殿下に向けた。
「謹んで、お受けいたしますわ!」
「……は?」
殿下の顔が引きつる。
「い、いや、待て。お前、悔しくないのか? 泣いて縋るのが普通だろう?」
「いいえ、滅相もございません。殿下とミナ様の『真実の愛』、心より応援申し上げます」
私の声は、これ以上ないほど晴れやかだった。
「身に余る自由……いえ、罰を与えてくださり、感謝の言葉もございません。では、私は荷造りがありますので、これにて失礼いたします」
「お、おい! 待て! 話はまだ終わって……」
「ごきげんよう、殿下。そしてミナ様、どうぞお幸せに(私の分まで公務を頑張ってくださいね)」
私はドレスの裾を翻し、踵を返した。
出口へと向かう私の足取りは、羽が生えたように軽い。
(やった……やったわ!)
心の中でガッツポーズを決める。
背後で殿下が何か喚いていたが、私の耳にはもう届かなかった。
会場の扉を開けると、そこには夜風が吹いていた。
自由の風だ。
「……さて」
私は月を見上げ、小さく呟いた。
「まずは慰謝料代わりに、あの『土地』をいただきましょうか」
私の新しい人生が、今、筋肉と共に始まろうとしていた。
王立学園の卒業記念パーティー。
煌びやかなシャンデリアの下、着飾った貴族の子息令嬢たちが談笑する華やかな会場に、その声は雷鳴のように響き渡った。
オーケストラの演奏がぴたりと止まる。
ざわめきが波が引くように消え、会場中の視線がホールの中央に集まった。
そこに立っていたのは、この国の第二王子であるアレック殿下。
そして、その彼に指を突きつけられているのは、私ことコロロ・フォン・ベルガモット公爵令嬢である。
「……はい?」
私は持っていた扇子を少しだけ下げ、小首をかしげた。
(……え、今なんと?)
周囲の貴族たちが「おお、なんと憐れな」「まさか卒業の日に」とひそひそ噂をするのが聞こえる。
だが、私の胸中に去来していた感情は、悲しみでも絶望でもなかった。
(こ、婚約破棄……ですって……!?)
ドクン、と心臓が大きく跳ねる。
(それってつまり、あのお妃教育という名の理不尽な重労働から解放されるということ?)
(毎週末の殿下のご機嫌取りデートもしなくていい?)
(将来の王弟妃としての公務からも逃げられる?)
(……最高か?)
私は口元が緩みそうになるのを、扇子で隠して必死に堪えた。
危ない、危ない。
ここで「やったー!」と万歳三唱してしまっては、公爵家の品位に関わる。
私は努めて冷静を装い、震える声(笑いを堪えているだけ)で問い返した。
「あの、殿下。それは誠でございましょうか?」
「ふん、ショックで耳が遠くなったか? 何度でも言ってやる。貴様のような性悪女に、未来の妃となる資格はないと言ったのだ!」
アレック殿下は、勝ち誇ったように鼻を鳴らした。
その隣には、小動物のように震える男爵令嬢、ミナ様の姿がある。
彼女は殿下の腕にギュッと抱きつき、上目遣いで私を見ていた。
「コ、コロロ様……ごめんなさい。でも、私たち、真実の愛を見つけてしまったの……」
「ミナ、君が謝る必要はない。悪いのは全て、君をいじめ抜いたこの女なのだから!」
殿下はミナ様を庇うように一歩前へ出ると、私を鋭く睨みつけた。
「とぼけても無駄だぞ。証拠は挙がっている! 先月、階段でミナを突き飛ばしただろう!」
「……はて?」
私は記憶の糸を手繰り寄せる。
ああ、あの日か。
「殿下、それは誤解ですわ。ミナ様がご自身のドレスの裾を踏んで転びそうになったので、私が手をお貸ししただけです」
「嘘をつくな! ミナの腕にはどす黒いあざができていたのだぞ! 突き飛ばされた証拠ではないか!」
「ですから、それは……」
転倒を防ぐために腕を掴んだ際、私の握力が少々……いや、だいぶ強すぎたせいだ。
なにせ私は、淑女の嗜みとして幼少期から独自に筋力トレーニングを行っている。
今の私の握力は、完熟したリンゴを片手でフレッシュジュースにできる程度には仕上がっているのだ。
加減をして「そっと」掴んだつもりが、華奢なミナ様には万力のような締め付けになってしまったらしい。
(申し訳ないことをしましたわ。次は指一本で支えるべきでしたね)
「さらに! 中庭の茶会で、ミナに向かって扇子を投げつけたそうだな! あれが当たっていたらどうするつもりだったのだ!」
「あれは……ミナ様の背後に、毒を持つスズメバチが迫っていたからですわ」
「言い訳は見苦しいぞ! 扇子でハチが落ちるわけがあるまい!」
「落ちましたよ? 真っ二つに」
「は?」
殿下がポカンと口を開けた。
事実である。
私はあの日、ミナ様を守るために愛用の鉄扇(特注品・総重量三キロ)を投擲したのだ。
風を切り裂く音と共に飛んだ扇子は、見事にハチを両断し、そのまま背後の大木に深々と突き刺さった。
ミナ様が腰を抜かして泣き出したのは、ハチが怖かったからではなく、私の投擲フォームがあまりに洗練されていたからだろうと解釈していたのだが。
どうやら、殺されかけたと思われていたらしい。
「……ふん、口から出まかせを。お前のその暴力的な本性にはもう我慢ならんのだ!」
殿下は声を荒らげ、周囲に聞こえるように宣言した。
「よって、この場でコロロ・フォン・ベルガモットとの婚約を破棄し、新たにミナ・男爵令嬢との婚約を結ぶものとする!」
おおお、と会場がどよめく。
「そしてコロロ! 貴様には罰が必要だ。王都から追放し、辺境の地での謹慎を命じる!」
追放。
なんて甘美な響きだろうか。
王都の堅苦しい社交界からも、実家の厳しいお父様からも離れられる。
誰にも邪魔されず、好きなだけ寝て、好きなだけ筋肉を鍛えられる自由な生活。
私の脳裏に、理想の「スローライフ」の光景が広がっていく。
朝は鳥のさえずりと共に目覚め、午前中は岩を持ち上げてスクワット。
午後は狩りで得た獲物を丸焼きにして食べ、夜は満天の星空の下でプロテインを飲む。
(……楽園か)
感動のあまり、目頭が熱くなってきた。
それを「悲しみの涙」と勘違いしたのか、殿下がニヤリと口角を上げる。
「ふふん、今さら泣いても遅いぞ。さあ、何か言いたいことがあるなら言ってみろ」
私はスッと背筋を伸ばした。
扇子を畳み、優雅な所作(に見えるように筋肉を制御して)でカーテシーを行う。
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「謹んで、お受けいたしますわ!」
「……は?」
殿下の顔が引きつる。
「い、いや、待て。お前、悔しくないのか? 泣いて縋るのが普通だろう?」
「いいえ、滅相もございません。殿下とミナ様の『真実の愛』、心より応援申し上げます」
私の声は、これ以上ないほど晴れやかだった。
「身に余る自由……いえ、罰を与えてくださり、感謝の言葉もございません。では、私は荷造りがありますので、これにて失礼いたします」
「お、おい! 待て! 話はまだ終わって……」
「ごきげんよう、殿下。そしてミナ様、どうぞお幸せに(私の分まで公務を頑張ってくださいね)」
私はドレスの裾を翻し、踵を返した。
出口へと向かう私の足取りは、羽が生えたように軽い。
(やった……やったわ!)
心の中でガッツポーズを決める。
背後で殿下が何か喚いていたが、私の耳にはもう届かなかった。
会場の扉を開けると、そこには夜風が吹いていた。
自由の風だ。
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