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翌日。
私は王城の謁見の間に呼び出されていた。
赤絨毯の先にある玉座には国王陛下。
その脇には、昨夜の今日で意気揚々としているアレック殿下と、私の父であるベルガモット公爵が青い顔をして並んでいる。
重苦しい沈黙の中、宰相が羊皮紙を広げた。
「これより、コロロ・フォン・ベルガモット公爵令嬢の『罪状』についての審議を行う」
ゴクリ、と誰かが喉を鳴らす音が聞こえた。
私は背筋をピンと伸ばし、内心でほくそ笑んでいた。
(来たわ! ついにこの時が!)
昨夜は興奮のあまり、寝具の中で腹筋を五百回ほどしてからでないと眠れなかった。
今日という日は、私の自由へのパスポートに判が押される記念すべき日だ。
「コロロ、お前にも弁明の機会を与えよう。……だが、これほどの証拠があっては言い逃れもできまいがな」
アレック殿下が勝ち誇った顔で、大量の書類を指差した。
そこには、私の「悪行」が事細かに記されているらしい。
宰相が咳払いをして、罪状を読み上げ始めた。
「第一の罪。先月の園遊会にて、コロロ嬢はミナ男爵令嬢に対し、『身の程を知りなさい』と恫喝し、持っていたティーカップを素手で握りつぶして威嚇した」
会場がざわつく。
お父様が「なっ、まさかコロロが……」と絶句している。
私は小さく溜息をついた。
「異議あり、ですわ」
「ほう、認めぬと言うか?」
「いいえ、事実関係が少々違います。あの日、私はミナ様に『(私の婚約者という)身の程(の重責)を知りなさい(大変ですわよ?)』と忠告しただけです」
「カップを粉砕したのはどう説明する!」
殿下が噛み付く。
「あれは……お茶がぬるかったので、少し温めようと魔力を込め……るつもりで、間違えて握力を込めてしまっただけです」
「カップが粉になるほどの握力があるか!」
「あります」
私は即答した。
「失礼ですが殿下、あの王室御用達のカップは陶器としての強度が甘すぎます。あのような脆い器では、私の指先の『圧』には耐えられません。以前から改良を提案しようと思っていたのですが」
「……は?」
殿下がポカンとする。
私は構わず続けた。
「そもそも、粉砕した破片が飛び散らないよう、瞬時に筋肉を収縮させて掌の中に閉じ込めました。ミナ様に怪我ひとつさせていません。これは威嚇ではなく、高度な危機管理能力の結果です」
シーン、と場が静まり返る。
宰相が困惑したように眼鏡の位置を直した。
「えー……つまり、故意ではないと?」
「はい。単なる『握力調整ミス』です」
「……なるほど。悪意があったわけではない、と見なせなくもない……か?」
宰相がブツブツと独り言を言いながら、羊皮紙にペンを走らせようとする。
(……ん?)
私は微かな違和感を覚えた。
あれ、雲行きが怪しい。
「第二の罪!」
殿下が焦ったように声を張り上げた。
「先週、王立図書館にて! コロロはミナを閉じ込めようと、巨大な本棚を動かして出入り口を塞いだ! これは殺人未遂にも等しい!」
お父様が「バカな! あんな巨大な本棚、成人男性が五人がかりでも動かせんぞ!」と叫ぶ。
「そうですわ」
私は頷いた。
「閉じ込めようとしたのではありません。あの日、図書館の床に落ちていた100ミリス銀貨を拾おうとした際、本棚が邪魔だったので、少し横にずらしただけです」
「ずらした……だと?」
「はい。片手でスッと。ですが、戻すのを忘れて帰ってしまったのは私の不徳の致すところ。ミナ様が中にいらしたとは気づきませんでした」
「だ、だから! か弱い令嬢が片手で本棚を動かせるわけがないだろう!」
殿下の顔が真っ赤だ。
どうやら私の身体能力を信じていないらしい。
「証明しましょうか?」
私は近くにあった、警備兵が持っている儀礼用のハルバード(長槍)に目をつけた。
鋼鉄製で、重量は二十キロ近くあるはずだ。
「少々お借りします」
警備兵が止める間もなく、私はそれをひょいと奪い取った。
そして、小指一本を柄に引っ掛け、くるくると風車のように回してみせた。
ブンブンブンブンッ!!
風切り音が嵐のように巻き起こり、周囲の貴族たちのカツラが浮き上がる。
「……ご覧の通り、この程度の重量物なら小指の体操にもなりません。あの本棚はこれより軽かったので、つい小石感覚で動かしてしまいました」
私はハルバードを警備兵(腰を抜かしている)に返し、にっこりと微笑んだ。
「ですので、これも悪意ある監禁ではなく、単なる『片付け忘れ』です」
沈黙。
圧倒的な沈黙が謁見の間を支配した。
国王陛下が、興味深そうに身を乗り出している。
「……面白い。公爵、そちの娘はこれほどの武勇を秘めていたのか」
「は、はい……? いや、私も初耳で……」
「これほどの力があれば、我が国の騎士団長とも渡り合えるのではないか? うむ、実に頼もしい」
(……はい?)
私は冷や汗をかいた。
「頼もしい」?
ちょっと待ってほしい。
流れがおかしい。
このままでは「無実(ただのドジっ子怪力)」が証明され、婚約破棄どころか「王宮騎士団入り」や「国家の秘密兵器」として抱え込まれてしまう可能性がある。
(いけない! それは困る!)
私は騎士団の朝練(朝四時起き)など絶対にしたくないし、国のために筋肉を使いたくもない。
私の筋肉は、私の快適な二度寝のためにあるのだ。
(ここで『無能な悪女』であることを確定させなければ!)
私は咄嗟に軌道修正を図った。
「お、お待ちください陛下! 力があることが問題なのではありません! 私の心が、どす黒く歪んでいることが問題なのです!」
私は必死に「悪役令嬢らしい顔」を作った。
口角を歪め、目を細め、精一杯の邪悪さを演出する。
「実は、カップを割ったのも、本棚を動かしたのも、すべて計算通り……! ミナ様を恐怖のどん底に叩き落とすため、あえて私の圧倒的な『暴力』を見せつけたのですわ! オーッホッホッホ!」
高笑いを響かせる。
自分で言っていて悲しくなるほどの大根役者ぶりだが、背に腹は代えられない。
「そ、そうだろう! やはり貴様は性悪女だ!」
殿下が我が意を得たりと叫んだ。
ナイスだ、元婚約者。初めて貴方と心が通じ合った気がする。
「しかも!」
私は畳み掛けるように嘘を重ねた。
「私はミナ様の教科書に落書きもしましたし、上履きを隠したこともあります(本当は風で飛んだのを拾ってあげただけ)! まさに悪逆非道の限りを尽くしました!」
「なんと……」
宰相が眉をひそめる。
「公爵令嬢としてあるまじき陰湿さ……。いかに武勇に優れていようと、その精神性は王族に相応しくない」
「そうです! その通りです宰相閣下! 私は王族に相応しくない、最低最悪の女なのです!」
私は力強く肯定した。
自分をこれほど熱心に貶める人間も珍しいだろう。
お父様が悲痛な顔で「コロロ……なぜだ……」と呟いているが、ごめんなさいお父様。
娘は実家のふかふかベッドよりも、誰にも干渉されない荒野の岩肌を選びたいのです。
国王陛下が、ふぅ、と溜息をついた。
「……惜しいな。だが、本人がそこまで罪を認め、反省の色も見せぬのであれば致し方あるまい」
陛下が重々しく宣言する。
「コロロ・フォン・ベルガモット。そちとの婚約を正式に破棄する。並びに、その性根を叩き直すため、王都からの追放を命じる!」
(勝った……!!)
私は心の中でガッツポーズ(本日二回目)を決めた。
表面上は、ショックを受けたふりをして膝をつく。
「……謹んで、お受けいたします」
床に伏せながら、口元のニヤつきを隠すのが大変だった。
「尚、追放先については……」
宰相が地図を取り出そうとする。
ここだ。
ここが勝負の分かれ目だ。
普通の追放なら、修道院や実家の別荘が選ばれるだろう。
だが、それでは「監視」がつく。
お父様やお母様の手が届く場所では、真の自由(ゴロゴロ生活)は手に入らない。
私は顔を上げ、殿下を見つめた。
「殿下。最後のお願いがございます」
「なんだ? 今さら命乞いか?」
「いいえ。私への罰として……どうせなら、誰も住めないような『不毛の地』をお与えください。そこで一生、泥にまみれて罪を償いたいのです」
しおらしい声で言ってみる。
殿下は「不毛の地」という言葉にピクリと反応した。
「ハッ! 殊勝な心がけだな。いいだろう、望み通り最悪の土地を用意してやる!」
釣れた。
この男は本当に扱いやすくて助かる。
私は内心で歓喜のサンバを踊りながら、ついに「あの場所」を手に入れる手はずを整えたのだった。
私は王城の謁見の間に呼び出されていた。
赤絨毯の先にある玉座には国王陛下。
その脇には、昨夜の今日で意気揚々としているアレック殿下と、私の父であるベルガモット公爵が青い顔をして並んでいる。
重苦しい沈黙の中、宰相が羊皮紙を広げた。
「これより、コロロ・フォン・ベルガモット公爵令嬢の『罪状』についての審議を行う」
ゴクリ、と誰かが喉を鳴らす音が聞こえた。
私は背筋をピンと伸ばし、内心でほくそ笑んでいた。
(来たわ! ついにこの時が!)
昨夜は興奮のあまり、寝具の中で腹筋を五百回ほどしてからでないと眠れなかった。
今日という日は、私の自由へのパスポートに判が押される記念すべき日だ。
「コロロ、お前にも弁明の機会を与えよう。……だが、これほどの証拠があっては言い逃れもできまいがな」
アレック殿下が勝ち誇った顔で、大量の書類を指差した。
そこには、私の「悪行」が事細かに記されているらしい。
宰相が咳払いをして、罪状を読み上げ始めた。
「第一の罪。先月の園遊会にて、コロロ嬢はミナ男爵令嬢に対し、『身の程を知りなさい』と恫喝し、持っていたティーカップを素手で握りつぶして威嚇した」
会場がざわつく。
お父様が「なっ、まさかコロロが……」と絶句している。
私は小さく溜息をついた。
「異議あり、ですわ」
「ほう、認めぬと言うか?」
「いいえ、事実関係が少々違います。あの日、私はミナ様に『(私の婚約者という)身の程(の重責)を知りなさい(大変ですわよ?)』と忠告しただけです」
「カップを粉砕したのはどう説明する!」
殿下が噛み付く。
「あれは……お茶がぬるかったので、少し温めようと魔力を込め……るつもりで、間違えて握力を込めてしまっただけです」
「カップが粉になるほどの握力があるか!」
「あります」
私は即答した。
「失礼ですが殿下、あの王室御用達のカップは陶器としての強度が甘すぎます。あのような脆い器では、私の指先の『圧』には耐えられません。以前から改良を提案しようと思っていたのですが」
「……は?」
殿下がポカンとする。
私は構わず続けた。
「そもそも、粉砕した破片が飛び散らないよう、瞬時に筋肉を収縮させて掌の中に閉じ込めました。ミナ様に怪我ひとつさせていません。これは威嚇ではなく、高度な危機管理能力の結果です」
シーン、と場が静まり返る。
宰相が困惑したように眼鏡の位置を直した。
「えー……つまり、故意ではないと?」
「はい。単なる『握力調整ミス』です」
「……なるほど。悪意があったわけではない、と見なせなくもない……か?」
宰相がブツブツと独り言を言いながら、羊皮紙にペンを走らせようとする。
(……ん?)
私は微かな違和感を覚えた。
あれ、雲行きが怪しい。
「第二の罪!」
殿下が焦ったように声を張り上げた。
「先週、王立図書館にて! コロロはミナを閉じ込めようと、巨大な本棚を動かして出入り口を塞いだ! これは殺人未遂にも等しい!」
お父様が「バカな! あんな巨大な本棚、成人男性が五人がかりでも動かせんぞ!」と叫ぶ。
「そうですわ」
私は頷いた。
「閉じ込めようとしたのではありません。あの日、図書館の床に落ちていた100ミリス銀貨を拾おうとした際、本棚が邪魔だったので、少し横にずらしただけです」
「ずらした……だと?」
「はい。片手でスッと。ですが、戻すのを忘れて帰ってしまったのは私の不徳の致すところ。ミナ様が中にいらしたとは気づきませんでした」
「だ、だから! か弱い令嬢が片手で本棚を動かせるわけがないだろう!」
殿下の顔が真っ赤だ。
どうやら私の身体能力を信じていないらしい。
「証明しましょうか?」
私は近くにあった、警備兵が持っている儀礼用のハルバード(長槍)に目をつけた。
鋼鉄製で、重量は二十キロ近くあるはずだ。
「少々お借りします」
警備兵が止める間もなく、私はそれをひょいと奪い取った。
そして、小指一本を柄に引っ掛け、くるくると風車のように回してみせた。
ブンブンブンブンッ!!
風切り音が嵐のように巻き起こり、周囲の貴族たちのカツラが浮き上がる。
「……ご覧の通り、この程度の重量物なら小指の体操にもなりません。あの本棚はこれより軽かったので、つい小石感覚で動かしてしまいました」
私はハルバードを警備兵(腰を抜かしている)に返し、にっこりと微笑んだ。
「ですので、これも悪意ある監禁ではなく、単なる『片付け忘れ』です」
沈黙。
圧倒的な沈黙が謁見の間を支配した。
国王陛下が、興味深そうに身を乗り出している。
「……面白い。公爵、そちの娘はこれほどの武勇を秘めていたのか」
「は、はい……? いや、私も初耳で……」
「これほどの力があれば、我が国の騎士団長とも渡り合えるのではないか? うむ、実に頼もしい」
(……はい?)
私は冷や汗をかいた。
「頼もしい」?
ちょっと待ってほしい。
流れがおかしい。
このままでは「無実(ただのドジっ子怪力)」が証明され、婚約破棄どころか「王宮騎士団入り」や「国家の秘密兵器」として抱え込まれてしまう可能性がある。
(いけない! それは困る!)
私は騎士団の朝練(朝四時起き)など絶対にしたくないし、国のために筋肉を使いたくもない。
私の筋肉は、私の快適な二度寝のためにあるのだ。
(ここで『無能な悪女』であることを確定させなければ!)
私は咄嗟に軌道修正を図った。
「お、お待ちください陛下! 力があることが問題なのではありません! 私の心が、どす黒く歪んでいることが問題なのです!」
私は必死に「悪役令嬢らしい顔」を作った。
口角を歪め、目を細め、精一杯の邪悪さを演出する。
「実は、カップを割ったのも、本棚を動かしたのも、すべて計算通り……! ミナ様を恐怖のどん底に叩き落とすため、あえて私の圧倒的な『暴力』を見せつけたのですわ! オーッホッホッホ!」
高笑いを響かせる。
自分で言っていて悲しくなるほどの大根役者ぶりだが、背に腹は代えられない。
「そ、そうだろう! やはり貴様は性悪女だ!」
殿下が我が意を得たりと叫んだ。
ナイスだ、元婚約者。初めて貴方と心が通じ合った気がする。
「しかも!」
私は畳み掛けるように嘘を重ねた。
「私はミナ様の教科書に落書きもしましたし、上履きを隠したこともあります(本当は風で飛んだのを拾ってあげただけ)! まさに悪逆非道の限りを尽くしました!」
「なんと……」
宰相が眉をひそめる。
「公爵令嬢としてあるまじき陰湿さ……。いかに武勇に優れていようと、その精神性は王族に相応しくない」
「そうです! その通りです宰相閣下! 私は王族に相応しくない、最低最悪の女なのです!」
私は力強く肯定した。
自分をこれほど熱心に貶める人間も珍しいだろう。
お父様が悲痛な顔で「コロロ……なぜだ……」と呟いているが、ごめんなさいお父様。
娘は実家のふかふかベッドよりも、誰にも干渉されない荒野の岩肌を選びたいのです。
国王陛下が、ふぅ、と溜息をついた。
「……惜しいな。だが、本人がそこまで罪を認め、反省の色も見せぬのであれば致し方あるまい」
陛下が重々しく宣言する。
「コロロ・フォン・ベルガモット。そちとの婚約を正式に破棄する。並びに、その性根を叩き直すため、王都からの追放を命じる!」
(勝った……!!)
私は心の中でガッツポーズ(本日二回目)を決めた。
表面上は、ショックを受けたふりをして膝をつく。
「……謹んで、お受けいたします」
床に伏せながら、口元のニヤつきを隠すのが大変だった。
「尚、追放先については……」
宰相が地図を取り出そうとする。
ここだ。
ここが勝負の分かれ目だ。
普通の追放なら、修道院や実家の別荘が選ばれるだろう。
だが、それでは「監視」がつく。
お父様やお母様の手が届く場所では、真の自由(ゴロゴロ生活)は手に入らない。
私は顔を上げ、殿下を見つめた。
「殿下。最後のお願いがございます」
「なんだ? 今さら命乞いか?」
「いいえ。私への罰として……どうせなら、誰も住めないような『不毛の地』をお与えください。そこで一生、泥にまみれて罪を償いたいのです」
しおらしい声で言ってみる。
殿下は「不毛の地」という言葉にピクリと反応した。
「ハッ! 殊勝な心がけだな。いいだろう、望み通り最悪の土地を用意してやる!」
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