16 / 28
16
しおりを挟む
「……リリル・フォン・アストレア! あなたの罪は、もはや毒殺未遂程度では済みませんわよ!」
地下牢という名の「ジーク様特製・超豪華執務室」で、私が最高級のクッキーを頬張っていた時のことです。
またしても鉄格子を激しく叩きながら、マリアナ様がヒースクリフ王太子を引き連れて現れました。
(……この方、本当に暇なんですのね。マリアナ様の辞書に『静養』という言葉はございませんの?)
私はクッキーの粉をパパッとはらい、優雅にベッドの上で足を組みました。
「おーっほっほっほ! 今度は何かしら? 私が騎士たちの筋肉を鑑賞しすぎて、国家の風紀を乱した罪で死刑にでもなるのかしら?」
「ふん、余裕でいられるのも今のうちですわ。……これを見なさい!」
マリアナ様が鉄格子の隙間から投げ入れたのは、数枚の書状でした。
そこには、隣国の公用語で何やら怪しげな暗号のようなものが記されています。
「それは、隣国のスパイと連絡を取り合っていた証拠ですわ! あなたが騎士団の食事を改善したのも、実は騎士たちを骨抜きにして、内部情報を盗み出すためだったのでしょう!?」
「なっ……、内部情報!?」
私は思わず立ち上がりました。
(そんな面倒なことするはずないでしょう!? 情報を盗むために歩き回る体力が、私にあると思って!?)
「リリル……。本当なのか? 君が、我が国を裏切るような真似を……」
ヒースクリフ様が、信じられないものを見るような目で私を見つめます。
私は高笑いをして誤魔化そうとしましたが、流石に「国家反逆罪」は笑えません。
「……え、ええ、そうですわ! 私は……私は、隣国の王室で一生ぐうたら寝て暮らす権利を手に入れるために、この国の……ええと、騎士たちの胃袋の秘密を売ったのですわ!」
私はヤケクソで叫びました。
これで、ジーク様も私を軽蔑し、この「お世話」という名の監視から解放してくれるはず……。
しかし、背後で書類を整理していたジーク様の反応は、私の予想を遥かに超えるものでした。
「……くっ、くふふ……ははははは!」
地響きのような、豪快な笑い声。
ジーク様が、お腹を抱えて笑い出したのです。
「じ、ジーク卿!? 何がおかしいんですの!? 彼女は今、自白しましたわよ!」
マリアナ様が顔を真っ赤にして叫びます。ジーク様は涙を拭いながら、マリアナ様を冷たく見下ろしました。
「失礼。あまりにも滑稽な主張だったので。……殿下、マリアナ令嬢。あなた方は、このリリルという女性を過大評価しすぎです」
「……過大評価?」
「ええ。彼女がスパイ? あり得ませんね。……なぜなら彼女は、暗号を書くどころか、自分の日記すら『ペンを持つのも面倒だわ』と言って三日で放り出すような、究極の怠け者だからですよ」
(……ちょっと。それ、擁護になってますの?)
ジーク様は鉄格子の前に立ち、ヒースクリフ様に向かって断言しました。
「いいですか。スパイ活動というものは、緻密な計画、迅速な行動、そして何より『勤勉さ』が必要です。しかし、彼女を見てください。先ほどから、私が運んだクッキーを、手を伸ばすのも面倒だという理由で、寝転がったまま口に放り込んでいたんですよ?」
「…………」
ヒースクリフ様が、絶句して私を見ます。
「さらに言えば、隣国へ情報を送るには、秘密の連絡場所まで歩かなければなりません。ですが、彼女はアパートから市場へ行くのすら『移動距離が十メートルを超えると私の高貴な足が悲鳴を上げますわ』と泣き言を言う女です。そんな彼女が、わざわざ街の外れのスパイと会うと思いますか?」
「……それは、まあ、確かに……」
王太子が、妙に納得したような顔で頷き始めました。
「リリル・フォン・アストレアは、悪意を抱くことすら『カロリーの無駄ですわ』と言って切り捨てる、ある意味で世界一無害な女性なのですよ。……スパイ? そんな面倒な二重生活、彼女が三時間以上耐えられるはずがない」
ジーク様は私の肩をガシッと掴み、誇らしげに(?)胸を張りました。
「マリアナ令嬢。この書状は、誰かが彼女の荷物に無理やり忍ばせた偽造品でしょう。……そもそも、彼女の筆跡はもっとこう……『やる気のない丸文字』ですから」
(……そこまで言わなくてもよろしいじゃないの!)
私は恥ずかしさのあまり、顔を覆いました。
「そ、そんな……。でも、彼女は自分から認めたんですわよ!」
「ええ、認めましたね。……『捕まれば働かなくて済む』という、あまりにも短絡的な逃避願望のためにね。……リリル様、そうでしょう?」
ジーク様の、冷え冷えとした微笑みが私に向けられました。
「……ひ、ひぃっ! な、何のことかしら……。お、おーっほっほ……」
「殿下、この件は私が預かります。……そしてマリアナ令嬢。これ以上彼女を『働かせようとする』ような騒ぎを起こさないでいただきたい。……彼女が本気で仕事をボイコットしたら、騎士団の士気が壊滅しますからね」
ジーク様の凄まじい威圧感に、マリアナ様は「ひ、ひぃぃん……!」と情けない声を上げて、王太子の後ろに隠れました。
「……分かった、ジーク卿。君がそこまで言うなら、今回の件は不問にしよう。……リリル、君の……その、徹底した怠惰さには、ある種の敬意を表するよ」
ヒースクリフ様が、哀れみの混じった複雑な表情で去っていきました。
静まり返った地下牢。
私はジーク様の手を振り払い、膨れっ面をしました。
「……なんですの、あの擁護! 私をただの『動きたくない肉塊』みたいに言って! 悪役令嬢としての威厳がズタズタですわよ!」
「事実でしょう? あなたが今、私に文句を言いながらも、ベッドから一歩も降りようとしていないのがその証拠です」
ジーク様はそう言うと、私の隣に腰掛けました。
「リリル様。あなたがどれだけ『悪いこと』をして逃げようとしても、私がそのすべてを『怠惰』の一言で無効化してあげますよ。……あなたは、私の目の届くところで、一生ダラダラしていればいいんです」
「……それ、一生の呪いじゃありませんこと?」
「いいえ。……私からの、最高の愛の告白です」
ジーク様は、私の額に優しく口づけを落としました。
(……なっ……!?)
その瞬間、私の頭は「怠惰」どころか、フル回転で真っ赤にオーバーヒートしてしまいました。
「お、おだまりなさい、この筋肉枕! 私は……私は、あなたに愛される暇があったら、夢の中で最高の美食を楽しむんですからね!」
私は真っ赤な顔で布団を被り、ジーク様から必死に顔を隠しました。
どうやら私の「自由への戦い」は、いつの間にか「ジーク様の包囲網から逃げ出す戦い」にすり替わってしまったようです。
地下牢という名の「ジーク様特製・超豪華執務室」で、私が最高級のクッキーを頬張っていた時のことです。
またしても鉄格子を激しく叩きながら、マリアナ様がヒースクリフ王太子を引き連れて現れました。
(……この方、本当に暇なんですのね。マリアナ様の辞書に『静養』という言葉はございませんの?)
私はクッキーの粉をパパッとはらい、優雅にベッドの上で足を組みました。
「おーっほっほっほ! 今度は何かしら? 私が騎士たちの筋肉を鑑賞しすぎて、国家の風紀を乱した罪で死刑にでもなるのかしら?」
「ふん、余裕でいられるのも今のうちですわ。……これを見なさい!」
マリアナ様が鉄格子の隙間から投げ入れたのは、数枚の書状でした。
そこには、隣国の公用語で何やら怪しげな暗号のようなものが記されています。
「それは、隣国のスパイと連絡を取り合っていた証拠ですわ! あなたが騎士団の食事を改善したのも、実は騎士たちを骨抜きにして、内部情報を盗み出すためだったのでしょう!?」
「なっ……、内部情報!?」
私は思わず立ち上がりました。
(そんな面倒なことするはずないでしょう!? 情報を盗むために歩き回る体力が、私にあると思って!?)
「リリル……。本当なのか? 君が、我が国を裏切るような真似を……」
ヒースクリフ様が、信じられないものを見るような目で私を見つめます。
私は高笑いをして誤魔化そうとしましたが、流石に「国家反逆罪」は笑えません。
「……え、ええ、そうですわ! 私は……私は、隣国の王室で一生ぐうたら寝て暮らす権利を手に入れるために、この国の……ええと、騎士たちの胃袋の秘密を売ったのですわ!」
私はヤケクソで叫びました。
これで、ジーク様も私を軽蔑し、この「お世話」という名の監視から解放してくれるはず……。
しかし、背後で書類を整理していたジーク様の反応は、私の予想を遥かに超えるものでした。
「……くっ、くふふ……ははははは!」
地響きのような、豪快な笑い声。
ジーク様が、お腹を抱えて笑い出したのです。
「じ、ジーク卿!? 何がおかしいんですの!? 彼女は今、自白しましたわよ!」
マリアナ様が顔を真っ赤にして叫びます。ジーク様は涙を拭いながら、マリアナ様を冷たく見下ろしました。
「失礼。あまりにも滑稽な主張だったので。……殿下、マリアナ令嬢。あなた方は、このリリルという女性を過大評価しすぎです」
「……過大評価?」
「ええ。彼女がスパイ? あり得ませんね。……なぜなら彼女は、暗号を書くどころか、自分の日記すら『ペンを持つのも面倒だわ』と言って三日で放り出すような、究極の怠け者だからですよ」
(……ちょっと。それ、擁護になってますの?)
ジーク様は鉄格子の前に立ち、ヒースクリフ様に向かって断言しました。
「いいですか。スパイ活動というものは、緻密な計画、迅速な行動、そして何より『勤勉さ』が必要です。しかし、彼女を見てください。先ほどから、私が運んだクッキーを、手を伸ばすのも面倒だという理由で、寝転がったまま口に放り込んでいたんですよ?」
「…………」
ヒースクリフ様が、絶句して私を見ます。
「さらに言えば、隣国へ情報を送るには、秘密の連絡場所まで歩かなければなりません。ですが、彼女はアパートから市場へ行くのすら『移動距離が十メートルを超えると私の高貴な足が悲鳴を上げますわ』と泣き言を言う女です。そんな彼女が、わざわざ街の外れのスパイと会うと思いますか?」
「……それは、まあ、確かに……」
王太子が、妙に納得したような顔で頷き始めました。
「リリル・フォン・アストレアは、悪意を抱くことすら『カロリーの無駄ですわ』と言って切り捨てる、ある意味で世界一無害な女性なのですよ。……スパイ? そんな面倒な二重生活、彼女が三時間以上耐えられるはずがない」
ジーク様は私の肩をガシッと掴み、誇らしげに(?)胸を張りました。
「マリアナ令嬢。この書状は、誰かが彼女の荷物に無理やり忍ばせた偽造品でしょう。……そもそも、彼女の筆跡はもっとこう……『やる気のない丸文字』ですから」
(……そこまで言わなくてもよろしいじゃないの!)
私は恥ずかしさのあまり、顔を覆いました。
「そ、そんな……。でも、彼女は自分から認めたんですわよ!」
「ええ、認めましたね。……『捕まれば働かなくて済む』という、あまりにも短絡的な逃避願望のためにね。……リリル様、そうでしょう?」
ジーク様の、冷え冷えとした微笑みが私に向けられました。
「……ひ、ひぃっ! な、何のことかしら……。お、おーっほっほ……」
「殿下、この件は私が預かります。……そしてマリアナ令嬢。これ以上彼女を『働かせようとする』ような騒ぎを起こさないでいただきたい。……彼女が本気で仕事をボイコットしたら、騎士団の士気が壊滅しますからね」
ジーク様の凄まじい威圧感に、マリアナ様は「ひ、ひぃぃん……!」と情けない声を上げて、王太子の後ろに隠れました。
「……分かった、ジーク卿。君がそこまで言うなら、今回の件は不問にしよう。……リリル、君の……その、徹底した怠惰さには、ある種の敬意を表するよ」
ヒースクリフ様が、哀れみの混じった複雑な表情で去っていきました。
静まり返った地下牢。
私はジーク様の手を振り払い、膨れっ面をしました。
「……なんですの、あの擁護! 私をただの『動きたくない肉塊』みたいに言って! 悪役令嬢としての威厳がズタズタですわよ!」
「事実でしょう? あなたが今、私に文句を言いながらも、ベッドから一歩も降りようとしていないのがその証拠です」
ジーク様はそう言うと、私の隣に腰掛けました。
「リリル様。あなたがどれだけ『悪いこと』をして逃げようとしても、私がそのすべてを『怠惰』の一言で無効化してあげますよ。……あなたは、私の目の届くところで、一生ダラダラしていればいいんです」
「……それ、一生の呪いじゃありませんこと?」
「いいえ。……私からの、最高の愛の告白です」
ジーク様は、私の額に優しく口づけを落としました。
(……なっ……!?)
その瞬間、私の頭は「怠惰」どころか、フル回転で真っ赤にオーバーヒートしてしまいました。
「お、おだまりなさい、この筋肉枕! 私は……私は、あなたに愛される暇があったら、夢の中で最高の美食を楽しむんですからね!」
私は真っ赤な顔で布団を被り、ジーク様から必死に顔を隠しました。
どうやら私の「自由への戦い」は、いつの間にか「ジーク様の包囲網から逃げ出す戦い」にすり替わってしまったようです。
0
あなたにおすすめの小説
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
【完結】堅物な婚約者には子どもがいました……人は見かけによらないらしいです。
大森 樹
恋愛
【短編】
公爵家の一人娘、アメリアはある日誘拐された。
「アメリア様、ご無事ですか!」
真面目で堅物な騎士フィンに助けられ、アメリアは彼に恋をした。
助けたお礼として『結婚』することになった二人。フィンにとっては公爵家の爵位目当ての愛のない結婚だったはずだが……真面目で誠実な彼は、アメリアと不器用ながらも徐々に距離を縮めていく。
穏やかで幸せな結婚ができると思っていたのに、フィンの前の彼女が現れて『あの人の子どもがいます』と言ってきた。嘘だと思いきや、その子は本当に彼そっくりで……
あの堅物婚約者に、まさか子どもがいるなんて。人は見かけによらないらしい。
★アメリアとフィンは結婚するのか、しないのか……二人の恋の行方をお楽しみください。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません
由香
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。
破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。
しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。
外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!?
さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、
静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。
「恋をすると破滅する」
そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、
断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
婚約破棄された令嬢、気づけば王族総出で奪い合われています
ゆっこ
恋愛
「――よって、リリアーナ・セレスト嬢との婚約は破棄する!」
王城の大広間に王太子アレクシスの声が響いた瞬間、私は静かにスカートをつまみ上げて一礼した。
「かしこまりました、殿下。どうか末永くお幸せに」
本心ではない。けれど、こう言うしかなかった。
王太子は私を見下ろし、勝ち誇ったように笑った。
「お前のような地味で役に立たない女より、フローラの方が相応しい。彼女は聖女として覚醒したのだ!」
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる