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アリセンティアに与えられた部屋は狭いが、冬暖かく夏涼しい理想的な部屋で、ベッドはふかふかだった。
食事は他の使用人と同じだが、部屋はちがう。この間遊びに行ったサナの部屋と全然ちがう。仕事に比べて待遇が良すぎる気がしてきた。子爵と話す気はないため、執事に確認した。
「あの部屋しか空いてないのです」
執事はそう言う。
それに加えて、こうも言った。
「お嬢様のお仕事は他にもあるんです。慣れてから取り掛かってもらいます。だから、他の侍女よりいい部屋にしたんですよ」
執事はにっこり笑う。
アリセンティアは執事に丸め込まれてしまった。
他の仕事ってなんだろう?首を傾げつつ、いつもの仕事に戻った。
サナは年が近く、優しい女の子で、最近仲良くなったばかりだ。
「アリー、後でおやつ食べよ。ミルンさんがふたりにって特別にくれたの」
ミルンは料理長だ。こんな風に優しい日々が過ぎていった。
執事の言う他の仕事が始まるまでは。
「アリセンティアさま、少しよろしいですか?」
仕事中、執事が話しかけてきた。
「なんでしょう?」
「例の他の仕事の話です」
アリセンティアは執事に連れられて、離れにある小さいけれど、立派なお屋敷に
やって来た。
「ここにどなたかいらっしゃるの?」
「はい。さる高貴な方が療養されています。アリセンティア様に看病してほしいのです」
「看病って、何をすればいいかわかりません」
執事はいつものように笑顔で言った。
「心を込めて、お世話してくださればいいんですよ。大事なことを言い忘れるところでした。あの方は魔力が強すぎて魔法酔いを起こされています。アリセンティア様には魔力がないので、安全に看病していただけます」
アリセンティアは魔法のことはあまり知らない。でも、魔法酔いのことは聞いたことがあった。年齢が若い魔力量の多い貴族がなりやすい病だ。この世界では、魔法は貴族にしか使えない。アリセンティアは半分貴族の血を引いていたが、魔力はなかった。
「わかりました。病室に案内していただけますか?」
そうして、アリセンティアは運命の扉を開けることになるのだった。
食事は他の使用人と同じだが、部屋はちがう。この間遊びに行ったサナの部屋と全然ちがう。仕事に比べて待遇が良すぎる気がしてきた。子爵と話す気はないため、執事に確認した。
「あの部屋しか空いてないのです」
執事はそう言う。
それに加えて、こうも言った。
「お嬢様のお仕事は他にもあるんです。慣れてから取り掛かってもらいます。だから、他の侍女よりいい部屋にしたんですよ」
執事はにっこり笑う。
アリセンティアは執事に丸め込まれてしまった。
他の仕事ってなんだろう?首を傾げつつ、いつもの仕事に戻った。
サナは年が近く、優しい女の子で、最近仲良くなったばかりだ。
「アリー、後でおやつ食べよ。ミルンさんがふたりにって特別にくれたの」
ミルンは料理長だ。こんな風に優しい日々が過ぎていった。
執事の言う他の仕事が始まるまでは。
「アリセンティアさま、少しよろしいですか?」
仕事中、執事が話しかけてきた。
「なんでしょう?」
「例の他の仕事の話です」
アリセンティアは執事に連れられて、離れにある小さいけれど、立派なお屋敷に
やって来た。
「ここにどなたかいらっしゃるの?」
「はい。さる高貴な方が療養されています。アリセンティア様に看病してほしいのです」
「看病って、何をすればいいかわかりません」
執事はいつものように笑顔で言った。
「心を込めて、お世話してくださればいいんですよ。大事なことを言い忘れるところでした。あの方は魔力が強すぎて魔法酔いを起こされています。アリセンティア様には魔力がないので、安全に看病していただけます」
アリセンティアは魔法のことはあまり知らない。でも、魔法酔いのことは聞いたことがあった。年齢が若い魔力量の多い貴族がなりやすい病だ。この世界では、魔法は貴族にしか使えない。アリセンティアは半分貴族の血を引いていたが、魔力はなかった。
「わかりました。病室に案内していただけますか?」
そうして、アリセンティアは運命の扉を開けることになるのだった。
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