【完結】令嬢は愛されたかった・冬

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ファリナはメリーがいなくなり、ほとんど話すことがなくなった。
誰からも話しかけられないし、
ファリナは深く傷ついていて、
誰かの近くに行くことが怖くなっていた。
夜はメリーの笑顔を思い出しては泣いていた。

メリーの後任はいなかった。手の空いたメイドが日替わりでつくことになった。
ファリナはホッとしていた。
メリーの代わりはどこにもいないし、
また同じことが起きたらと思うと怖かった。

ファリナはもうすぐ10歳になる。モンタナ王国では、10歳になったら、どの身分のものも、魔力測定を受ける義務があった。魔力は貴族の方が強いとされていたが、例外もある。

ファリナの魔力測定の日には、珍しく、レンデル伯爵が一緒に行くらしい。
馬車の前に立っている。
ファリナは伯爵を父と思ったことはなかった。ただ、経済的に援助してくれるおじさんだと思うようにしていた。

「これは!」
魔力測定が始まると、神官たちが何やら騒ぎ出した。
ファリナは何が起きているかわからなかった。
水晶に手をかざしたら、水晶は七色に輝き出し、そして、水晶から、小さなネコが飛び出してきた。

ネコはファリナの手のひらにちょこんと乗った。
「名前を付けろ」
可愛い見た目とはちがう口調で、ネコがしゃべった。
ファリナは驚いて、周囲を見たが、
神官長も神官も大混乱で、伯爵は目を見開いて、七色を見つめ続けていた。

「早くしろ」
ネコに促され、ファリナは考えた。
「ミー」
そうすると、ミーは七色に輝いた。
眩しくてファリナが目をつぶると、
「もう大丈夫だ」
ミーの声がする。
目を開けると、瞳が七色のネコが
ファリナを見つめていた。

「お前、センスがないね」
ミーと名付けられたネコは、口が悪いようだ。ファリナは久しぶりに誰かと話している気がした。日替わりのメイドたちとは必要最低限しか言葉を交わさない。
ミーはちがう気がした。人ではないけれど。
「かわいいから、かわいい名前がいいと思ったの」
そう言い返すと、ミーは黙り込んだ。
「照れてるの?」

神官長たちは、ファリナにこの大混乱の理由を説明し始めた。
「七色は魔法の全適性の証し。お嬢様は癒しの魔法も攻撃魔法も闇の魔法もすべて使えます。また、魔力はまれにみる膨大な強さ。すぐに有能な魔術師の弟子になることをお勧めします。暴走したら、国を破壊するレベルです」

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