【完結】あいしていると伝えたくて

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「シーちゃん、この色はどうかしら」
「しー、これ」
「あら、またピンク?」
「マー、おにゃじ」
「あら、私の髪色かしら?」
シファラは満面の笑みで、ドレス選びをしていた。マディアと同じ色が好きなのだ。
実際、ピンクのドレスはシファラによく似合っていた。ふんだんに使っているレースがまた可愛いシファラによく似合う。
最初は話せなかった言葉も少しずつ、成長している。
マディアはシファラが可愛くて仕方なかった。

「シファ、おやつの時間だぞ」
女性だけで集まってドレスを見ていたからか、トルドはシファラの気を引きたいらしい。マディアは気づかないふりをして、
「シーちゃん、おやつにする?」
と、さりげなく言った。
シファラの顔は輝いていた。
「おやつ、する」
「わかったわ。シーちゃんはいい子ね」
頭を撫でると気持ち良さそうに目を閉じた。シファラはまだ、赤ちゃんのようなものだ。たっぷり甘やかして、ぷくぷくのほっぺにするのだ。今はまだ骨が目立つが。

「シファ、これ食うか?」
トルドはシファラとはちがうケーキを食べていた。フォークに一口分乗せて、シファラに差し出す。
「くう」
シファラはあーんと口を開けて、トルドからケーキ一切れをもらう。
マディアはお行儀についてはまだ口を出す気はない。
ただ、トルドの目を見ていた。そこには、シファラへの好意がある。好意だけならいい。まだ、自覚してない目だ。なんだか、そのうち、婚約したいと言い出しそうな気がしている。

血が近いから、避けた方がいいとも聞くが、いとこ同士の結婚はこの国では禁忌ではない。ただ、成長したときに、シファラは相当モテると思われる。トルドも見た目中身とも、自慢の息子だが、シファラの神がかった美貌と並ぶにはまだまだ努力が必要だ。シファラの信頼と愛情を得るためには、半端な努力では足りない。
まあ何にせよ、まずはシファラを育ててからの話ではあるのだけれど。

「シファ、庭に行こう」
「いく」
「昨日の花がまだ咲いてるか見に行こう」
「うん」
手をつないで、シファラとトルドは庭に出て行った。



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