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第九話
アーデル先輩の気持ちを確認する。ルーディにはなかなかに難しいミッションだった。身分違いだし、先輩はああいう人だし。でも、かえってストレートに聞いちゃう方がすっきりするかも、とルーディは思った。
「アーデル先輩は、私のこと恋人にできますか?」
「えっ?」
アーデル先輩はモジャモジャバージョンだったので、細かな表情は読みにくい。でも、なんだかこんな風に反応するのは珍しい。
「いや、恋人じゃなくてちゃんと結婚を前提にお付き合いしたい」
そう言うと、ルーディの髪を手にして、軽く口付けた。
「えっ?でも、私平民ですよ」
「俺は三男だから、好きにしていいって言われてる」
「好きにしすぎじゃないですか?」
「問題ない。それに研究も一緒に住んでた方がやりやすい」
もしかしてそれが理由なんじゃと思いかけたルーディだが、即座に否定される。
「ちがう、ルーディが好きなんだ」
「いつからですか?」
「ルーディが知らない頃からだ」
「私だって!」
アーデルはルーディの前に跪き、じっと瞳を見つめた。
「ルーディ、僕と結婚してください」
「はい」
ルーディは夢かと思った。一度はあきらめた思いが報われた。この先どうなるかはわらないけれど、幸せだった。
「だいたいどうして俺がルーディの居場所を知ったと思う?」
「噂を聞いたんじゃないんですか?」
「腑抜けてた俺に母上が教えてくれたんだよ」
「えっ、サンタナ公爵夫人が?」
ルーディは目を丸くした。
「そう、だから、母は味方してくれると思う。ルーディのこと気に入ってるし」
サンタナ公爵夫人にどこを気に入られてるのかわからないけれど、一番難関と思っていた公爵家の賛成は得られそうだ。
「え?本当に結婚できちゃうんですか?」
「できるよ」
ルーディはうれしさとまだ信じられない気持ちが半々だった。
「三男だから、研究の稼ぎしかないし、苦労するかもしれないよ?」
「大丈夫です。私結構稼いでますもん」
ルーディは夢のようだった。身分差の問題もたぶんクリアできるし、先輩の実家が反対しなければ、ふたりで平民のように暮らせるのではないだろうか?ルーディはまだ知らない。先輩の優秀さを。研究所は王立で、アーデルはかなりの成果を上げて、ご褒美を山ほどもらっていて、この先も期待されているのだ。そもそもの給金もかなり高い。王立研究所に所属するということは、ものすごく難しいことなのだ。
「困ったら、私の稼ぎだけでも、暮らせますよ」
「ダメだよ、ルーディ。ちゃんと2人で頑張るのが前提だ。それにルーディは赤ちゃんがいるときは働けないだろう?」
ルーディは真っ赤になった。先輩との子ども。なんだか現実感がない。やっぱりお母様にまた相談しよう。
「ルーディ」
アーデルは、小さな箱を開けた。そこには綺麗な石が嵌った指輪がある。その指輪をルーディに嵌めると、アーデルは微笑んだ。
「約束する。幸せになろう」
ルーディは幸せすぎて、どうしたらいいかわからなかった。
「実は私、伯爵家に籍があるままみたいなんです」
「じゃあ、両家で顔合わせして、結婚式して、早く一緒に住もう」
意外にも積極的なアーデルにルーディは驚いた。
「こっちは、ハラハラしてたんだよ。ルーディみたいに可愛い子、適齢期になったら、あっという間に結婚しちゃうから」
えー?女性に囲まれて暮らしてるルーディにはびっくりした。
「アーデル先輩は、私のこと恋人にできますか?」
「えっ?」
アーデル先輩はモジャモジャバージョンだったので、細かな表情は読みにくい。でも、なんだかこんな風に反応するのは珍しい。
「いや、恋人じゃなくてちゃんと結婚を前提にお付き合いしたい」
そう言うと、ルーディの髪を手にして、軽く口付けた。
「えっ?でも、私平民ですよ」
「俺は三男だから、好きにしていいって言われてる」
「好きにしすぎじゃないですか?」
「問題ない。それに研究も一緒に住んでた方がやりやすい」
もしかしてそれが理由なんじゃと思いかけたルーディだが、即座に否定される。
「ちがう、ルーディが好きなんだ」
「いつからですか?」
「ルーディが知らない頃からだ」
「私だって!」
アーデルはルーディの前に跪き、じっと瞳を見つめた。
「ルーディ、僕と結婚してください」
「はい」
ルーディは夢かと思った。一度はあきらめた思いが報われた。この先どうなるかはわらないけれど、幸せだった。
「だいたいどうして俺がルーディの居場所を知ったと思う?」
「噂を聞いたんじゃないんですか?」
「腑抜けてた俺に母上が教えてくれたんだよ」
「えっ、サンタナ公爵夫人が?」
ルーディは目を丸くした。
「そう、だから、母は味方してくれると思う。ルーディのこと気に入ってるし」
サンタナ公爵夫人にどこを気に入られてるのかわからないけれど、一番難関と思っていた公爵家の賛成は得られそうだ。
「え?本当に結婚できちゃうんですか?」
「できるよ」
ルーディはうれしさとまだ信じられない気持ちが半々だった。
「三男だから、研究の稼ぎしかないし、苦労するかもしれないよ?」
「大丈夫です。私結構稼いでますもん」
ルーディは夢のようだった。身分差の問題もたぶんクリアできるし、先輩の実家が反対しなければ、ふたりで平民のように暮らせるのではないだろうか?ルーディはまだ知らない。先輩の優秀さを。研究所は王立で、アーデルはかなりの成果を上げて、ご褒美を山ほどもらっていて、この先も期待されているのだ。そもそもの給金もかなり高い。王立研究所に所属するということは、ものすごく難しいことなのだ。
「困ったら、私の稼ぎだけでも、暮らせますよ」
「ダメだよ、ルーディ。ちゃんと2人で頑張るのが前提だ。それにルーディは赤ちゃんがいるときは働けないだろう?」
ルーディは真っ赤になった。先輩との子ども。なんだか現実感がない。やっぱりお母様にまた相談しよう。
「ルーディ」
アーデルは、小さな箱を開けた。そこには綺麗な石が嵌った指輪がある。その指輪をルーディに嵌めると、アーデルは微笑んだ。
「約束する。幸せになろう」
ルーディは幸せすぎて、どうしたらいいかわからなかった。
「実は私、伯爵家に籍があるままみたいなんです」
「じゃあ、両家で顔合わせして、結婚式して、早く一緒に住もう」
意外にも積極的なアーデルにルーディは驚いた。
「こっちは、ハラハラしてたんだよ。ルーディみたいに可愛い子、適齢期になったら、あっという間に結婚しちゃうから」
えー?女性に囲まれて暮らしてるルーディにはびっくりした。
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