【完結】平民聖女の愛と夢

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第十話

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結論だけ言うと、ソフィは聖女様になった。カティス王子と婚約した。
その結論にいたるまで、ソフィは5回聖女として活躍した。
鉱山の崩落で出た大量の怪我人を治療したり、魔物が国に入れないよう結界を張り直したり。
そのたびに国民は、聖女様と殿下の結婚を望んだ。
聖女様が他国に行かないように、囲い込みたかったのだ。

「抵抗しても無駄だよ、ソフィ。僕と恋愛結婚しよう」
カティス王子はいろんな方法で、ソフィを口説いた。ソフィはだんだん、絆された。
恋愛結婚って何?どう考えても政略結婚だよ、と心の中でツッコむのは相変わらずだ。

ソフィの外見は、優秀な侍女3人によって、毎日磨かれた。鏡を見てみると驚くほど、ほんの少し前とちがう。
髪は艶々、瞳までキラキラしていた。
「聖女様。恋の力ですわ」
侍女たちが言う。そうかな?毎日お手入れしてくれるからじゃないかな?ソフィはそう思いながらも、うれしかった。

ソフィはギルド長にお礼が言いたかったけど、国王陛下も殿下も直接ではなく手紙にしてほしいと言う。どうも遠くに行ってほしくないらしい。
ソフィは大人しく従った。

そして、育ててくれたおばあさんが時々泣いていた理由やソフィの父母のことが、わかった。神官長が、ソフィのことをどこかで見た気がする、と言い出した。
歴代の聖女たちの記録を改めて見直すと、1代前にソフィによく似た女性がいた。伯爵の娘だった。公爵と結婚している。
「お母さん?お父さん?」
残っていた記録に、おばあさんらしき人がいた。若い。お母さん専属侍女だという。おばあさんは、ソフィが母そっくりなので、重ね合わせて泣いていたのだろう。
ソフィはやっと自分の足が地についた気がした。


「ソフィ。そろそろいい返事がほしいな」
王宮に来て半年、聖女として自分でも納得できる活躍をして5回。
いつもカティス王子とピンチを乗り切ってきた。
「カティが後悔しないなら」
「ソフィ」
カティス王子は、思わずソフィを抱きしめた。
ソフィは、やっと自分にも帰る場所ができた。
カティス王子の腕の中。
それがソフィの居場所なのだと幸福に満たされた。
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