上 下
9 / 24

マロンside

しおりを挟む
カンナと引き裂かれて、カンナは馬車に押し込まれて、家に帰っていった。俺は何もできなかった。

その後、そのままマロンの家にアリーナが居座った。

「私はマロンの妻よ。私の言うことを聞きなさい。食事はもっとお肉の質を上げて、野菜はいらない。」

「何この部屋。もっと豪華なものにしなさい。私には似合わないわ」

「でも、、それは、」

「私が言うんだから、早くなさい。」

「ドレスはもっと明るいものを。」

「宝石もほしいわ。」

「邪魔ね。どきなさい。」

使用人たちに暴言を吐き、わがまま放題だった。使用人も1日で疲れて居た。

ピカピカするドレスを着て、贅沢三昧。
居るだけで、腹が立ってきた。

カンナならこんなことにはならない。
みんなが、この先どうなるのか?と心配していた。




マロンは、「カンナのことしか愛せないから、この結婚はしたくない。」と父に言ったが、

「公爵を継ぐのなら、受け入れなさい」

と婚約解消を勝手にされて、結婚を進められていた。

俺の夢は、公爵になることだった。
それは小さい頃からの夢だった。
父は知っていたから、無茶なことを受け入れた。
そして、父は、俺がカンナをどんなに愛していたか?知らなかった。

家にいることも少なく、確かに親のいる前では、カンナへの愛情表現をあらわすことはなかった。

儀式をしたことも報告はしていなかった。わざわざする必要が無かった。

母にも報告はしていないけど、薄々感じていたよう。

「毎日幸せそうな顔してるわね。そんなに領地見学がよかった?」
と聞かれたからな。



母は、ごめんなさい。
私1人の力では、なんともできなかったの、、、ごめんなさいって謝られた。

でも、、返事ができなかった。

まさかあんな幸せな時間を味わい、これからカンナと2人で公爵を盛り立てて行こうと思っていたところに、こんな絶望なことが起こるとは思わなかった。

カンナ。カンナと一緒に居たい。抱きしめたい。
カンナしか愛さない。
カンナ会いたい。

家の問題だから、諦めないといけないのか。貴族である以上受け止めないといけないが、、、
カンナが違う男に抱かれると思うとツラい。俺のカンナなのに、、、

カンナのことを忘れられるかな、、、
絶対に無理だ。カンナ以外は無理だ。

別れる選択なんて、なかったのに、、、

どうしたらいいかわからない。

カンナも公爵を継ぐというし、、、
無理矢理連れ出すわけには行かない。

お互いの家のこともある。

カンナのことを諦めたくない。なんとかならないんだろうか?







しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

猫が繋ぐ縁

恋愛 / 完結 24h.ポイント:120pt お気に入り:189

ANGRAECUM-Genuine

恋愛 / 完結 24h.ポイント:319pt お気に入り:501

相手に望む3つの条件

恋愛 / 完結 24h.ポイント:276pt お気に入り:332

【完結】捨てられ正妃は思い出す。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7,648pt お気に入り:5,594

オーリの純心

BL / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:441

僕と小林くんの純情で猿並みなせいかつ

BL / 完結 24h.ポイント:191pt お気に入り:61

落窪の男女伽

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:20

月が導く異世界道中

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:59,004pt お気に入り:53,912

処理中です...