33【完結】私は、家族の一員になりたい。〜加護もちの私だけども愛されない〜

華蓮

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加護が授かる国

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プレバトリー王国は、加護が授かる国だと言われていた。

代々受け継ぐものではなく、神によって選ばれたものだけが、加護が授かるのである。
神の加護は、軍神、守神、豊神、女神、聖女である。
妖精の加護は、妖精に認められたものだけ与えてもらえるので、数少ない。
神の加護の方が、授かった者は、たくさんいると言われている。



ハンナリ伯爵には、姉妹がいた。

姉のアイル様が生まれた日は、12月15日は、前日の大雨が嘘のように、晴天で、
雲一つない空だった。
普通、雲一つないことは、珍しいから、祝福されるものだけども、それよりも、男の子が欲しかった伯爵夫妻は、女の子が生まれたことに残念がった。


お奥様は、またすぐに懐妊し、出産からの回復の前の妊娠だったから、アイル様の時よりつわりが酷くなり、あまり自由には動けなくて、アイル様の世話は、乳母任せであった。


一年後、アスカ様が12月の1日に無事生まれた。
今度は男の子を期待をしていなかったし、ひどいつわりだったから、女の子が生まれても喜ばれた。

アスカ様が生まれた日は、大雨が降った。
ただ、アスカ様が生まれた時間は、空に虹が出たそうだ。
虹が出ることは珍しいわけではなかったけど、とても綺麗に虹が見えたらしい。

こんなに可愛いし、こんなに綺麗な虹を出すのよ。
アスカ様が生まれたことを屋敷中のみんなが喜んだ。


アスカは、あんな雨だったのに、虹が出たのよ。こんなに可愛いから、きっと女神の加護があるのよ。
奥様は、喜んでいた。


ハンナリ家はみんな、喜び、アスカ様を可愛がるようになった。

アスカ様が生まれるまで家の中はあまり良くなかった。
奥様がつわりで部屋から出てこないから、旦那様は奥様につききっり。

旦那様も、アイル様とは関わらなかった。

赤ちゃんの時は泣くことが仕事なのに、
アイル様が泣くと奥様は嫌がった。

使用人達は、奥様の機嫌を損なうとクビになるから、みんな母の言う通りにする。

アイル様の泣き声が聞こえないように奥様とは遠い部屋で、乳母に育てられた。

だから、アスカ様が生まれて、使用人達は、ほっとしたそうだ。
家の雰囲気が穏やかになったから。

それにアスカ様が泣いても、奥様は怒らなかったから、屋敷の中は、良い雰囲気になった。
奥様はアスカ様を本当にを可愛がっていた。

アイル様は、乳母任せだったのたで、赤ちゃんのアイル様を知らないから、余計にアスカ様を可愛がったのだと思う。

ただ、アイル様とは、あまり関わろうとしなかった。
部屋も遠いまま。

アイル様を不憫に思うけれども、女当主の言うことに反発はできなかった。

クビになると自分たちの生活ができなくなるため、、、、









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