【完結】2愛されない伯爵令嬢が、愛される公爵令嬢へ

華蓮

文字の大きさ
6 / 36
第一章

再会

しおりを挟む

リュートside
まだ幼い頃、王宮のパーティーに参加したとき、女の子に囲まれて、嫌で逃げたら、コケてしまった。
うずくまっている時に、足にハンカチを巻いてくれた女の子がいた。
優しくて可愛い。女の子だった。
その時は名前も聞けなかった。
その後、その女の子のことが気になって、探したけど見つからなかった。
私の初恋の女の子。

手がかりは、Sの文字とガーベラの花の刺繍だけ。
そのまま留学をしたけど、忘れられなかった。


シャーロット ルーセント伯爵令嬢にもらったハンカチも同じ刺繍だった。
昔より上手だったけど。

調べてみると彼女の噂は、悪いものばかりだった。

信じられない。もっと詳しく調べるのに、うちのメイドを潜入させた。


学園が終わると、その足で、ブラックリー伯爵の家に行き、執務を手伝う。

それが終わると、家に帰ると、ルーセント家の執務をする。

メイド達から聞くと、ハンナ様の言いつけより、シャーロット様のお世話はほとんどしません。

ハンナ様、リリアナ様に逆らうとメイドの仕事はできません。

食事もきちんとしたものをもらっておりません。

昔からの使用人は、全員解雇され、シャーロット様の味方は、居ません。。

執事長は、シャーロット様のことを気にかけていますが、表だって何かをする様子はありません。

シャーロット様も必要以上に使用人と接しようしません。
もしかしたら、シャーロット様と関わることで、メイド達がやめさせられたのでしょう。




久しぶりの休日。シャーロットは、何もすることがなかった。仕事も学園も休み。

家にいたくもないから、河原にでも行こうかしら。

河原の木の下で、本を読みながら、ゆっくりと過ごしていた。

「こんにちは」

「こんにちは。あっ」

「シャーロット様。先日はありがとうございます。」

「あれから大丈夫でしたか?」

「はい。おかげさまで、大丈夫でした。隣りいいですか?」

リュートは、シャーロットの横に座った。

「河原は気持ちがいいですね。私も時々来て、ゆっくりするんです。シャーロット様もですか?」

「私も日光に当たり、自然に帰り、ゆっくりとしているんです。」

「一緒ですね。また会えるといいですね。今日は、これで失礼します。」とリュートは去っていった。


シャーロットは、少しでも、時間がある時は、河原に行くことにした。
空を見て、川の音を聞く、野花に囲まれて、過ごすことは、心が落ち着いた。

リュート様は仕事の帰りに、この河原の前を通るそう。
私がいると声をかけてくれる。

わたしにとって河原が、居場所になっていた。
図書館には行かず、河原で勉強するようになった。

リュート様も河原に来る事が多くなった。

リュート様は、

「シャーロットお昼は食べないの?」

「私は、、、」

「もしよかったら一緒に食べない?うちのシェフが、軽食にハマってて、持たされるんだ。
量が多くて、食べきれなくて、、、、」


「美味しかった。
リュート様のシェフは、愛情を込めた料理を作られるのですね。美味しい。」

「また持ってくるから食べてあげて。。」

「ありがとうございます」


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【12話完結】私はイジメられた側ですが。国のため、貴方のために王妃修行に努めていたら、婚約破棄を告げられ、友人に裏切られました。

西東友一
恋愛
国のため、貴方のため。 私は厳しい王妃修行に努めてまいりました。 それなのに第一王子である貴方が開いた舞踏会で、「この俺、次期国王である第一王子エドワード・ヴィクトールは伯爵令嬢のメリー・アナラシアと婚約破棄する」 と宣言されるなんて・・・

【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

王子は婚約破棄を泣いて詫びる

tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。 目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。 「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」 存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。  王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます

おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。 if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります) ※こちらの作品カクヨムにも掲載します

断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる

葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。 アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。 アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。 市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。

処理中です...