【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。

「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」

 今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。

「そう……。」

 マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
 
 明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。

 リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。

「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」

 ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。

「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」

「ちっ……」

 ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
 
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」

 ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。

だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。

二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。

「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

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