レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第三章 魔王の真実

第86話 スキル集め⑨

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「「「え!?」」」



そのカエルの名は「無限ガエル」。

イキカエルよりも討伐が難しく、その素材は幻といわれるモンスター。


A級モンスターが6体になってしまったことは、低レベルのミラにとっては非常事態。

しかも、苦手なカエルだらけになって、もう地獄である。


「くっ!
 <スキルスナッチ>!」


最初にカエルがいた位置に座る1体に向けてスキルを発動するロック。

しかし、反応がない。

分裂体のようだ。


「ティナ、ミラ!!
 逃げて!!」

「ミラ、しっかりして!
 離れるわよ!」

「カエルやだーーーーーーーー!!!」

喚くミラを引っ張るように無限ガエルたちから距離をとるティナとミラ。

無限ガエルの動きはA級としては早くなさそうだ。

ティナがスキルを使った時の方が上だろう。

しかし、ミラにとってはかなりの格上。


ロックはティナとミラを追いかけようとする個体から先に狙う。

無限ガエルとロックの各ステータスは魔力以外は倍以上の差がある。

スキルは使えないようだ。

6対1だったとして勝てる力量差がある。

しかし、バラバラと2人を追いかけるカエルたちを相手にするのはかなり厳しい。

そして、無限ガエルの1体を倒しても、また新たに1体分裂する。

分裂した瞬間に本体と思われる個体を狙うが、スキルを奪えない。


逃がすことができないと判断したロックは、2人の近くに陣取り、向かってくる無限ガエルを相手した。


「[アローレイン]!」


ティナの【名射手】スキルを使った[武技]の範囲攻撃。

すでに【全能力50%UP】も発動済みだ。

ティナの範囲攻撃を受けた分裂体にロックが一撃を加えると、分裂体は倒れる。

しかし、無限ガエルはバラけているため範囲攻撃で捉えることができる数は少ない。

3体の分裂体を倒したが、また後から新しい個体がやってくる。


「ミラ!
 どれが本体かわからない?!」

「う~…。
 カエルいやだ~~…。」

「ミラ!」

「うえ~ん…。
 …どれも同じ強さで違いわかんないよ~…。」

ティナとミラを庇いながら戦うロックは少しずつだが着実にダメージを受けている。

「本体と同じ強さの分身…、ヤバいスキルね…。」

「あ…。」

「ミラ、何かわかった!?」

「最初いた辺りに、1体だけ残ってる…。」

「そいつだ!
 よし!
 <全能力50%UP>!」

パニップから奪ったスキルを発動するロック。

全ステータスが大幅にUPし、周囲にいた分裂体をあっという間に倒す。

「そんなのできるなら最初からしてよ~~。」

泣きじゃくって駄々っ子みたいになっているミラ。

「本体がわからない状態でやっても、時間を浪費するだけだからね!
 時間制限も使用制限もあるスキルだから。」

ミラが最初にかけたバフはもうすぐ時間がきて効果が切れる。

消費MPが高いのでミラも何度もかけ続けることはできない。

【全能力50%UP】は切り札にとっておいたのだ。


「ミラ、本体の位置を教えて!」

3人はミラの指し示す方に進む。

新たに現れた数体の分裂体が向かってきたが、ロックが瞬殺。

「あの木の後ろあたりだよ!」

「わかった!
 2人は狙われないように離れてて!」

ティナとミラは指示通り、分裂体に再び狙われないよう距離をとる。

ロックは加速し、全力で無限ガエル本体へと向かう。

無限ガエルが逃げる間もなく、あっという間に目の前へ。


ザシュッ!!


そのままの勢いでロックは無限ガエルを切り裂いた。




ポワッ。




突然、無限ガエルの身体が淡く光った。



(…まずい!!
 これは…!!)



ドンッ!!



無限ガエルから衝撃波が発生し、ロックは弾き飛んだ。
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