レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第三章 魔王の真実

第149話 光る珠の使い方

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助けに来たロックの強さ、そして魔族からドロップした光る珠を見て動揺するデルベルトと魔王。


話はマーティンとロックが話をしていた時に遡る …。











「ロック…。
 魔王様を倒しては欲しいが、本音を言えばロックには死んでほしくねえ…。
 無理だと思ったら逃げてくれ。
 魔王様は俺と戦った時とはレベルが違う。
 今はレベル上限まで強くなってるからな。」

「レベル上限!?
 どうやって…。
 S級のレベル70になるのだって、ものすごい大変なのに。
 レベル上げをする相手がいないよね?」

A級まではかなり早いペースで成長してきたロックたち。

しかし、S級に近づくにつれレベルが上がらなくなってきた。

今まではレベルアップのための必要経験値が少なく、格上とばかり戦ってきたので獲得できる経験値が大きかった。

最近では自分と同じくらいのレベルのモンスターが主な相手になってきている。

同じレベルの相手を1人で倒して得られる経験値は100。

パーティで倒せばその分減る。

ロックが次のレベル、69になるには8000ほどの経験値が必要であるため、かなりの時間がかかる。

格下になれば経験値がさらに減り、レベル差が5以上になると経験値が獲得できなくなるため、レベルを上限まで上げるのはほぼ不可能に近い。

魔王が本当に上限に至ったのか、ロックは疑問を抱いた。


「それはな、…魔族を”餌”にしてやがるんだよ。」

「餌!?」

「ああ。
 魔族はモンスターとは違う存在で、ちょっと特殊でな。
 特性が2つあるんだ。
 1つは、モンスターを従えることができる特性だ。」

「うん。
 それで人間の国が攻められているんだよね。」

「そう。
 そして、もう一つの特性が ”涅槃珠” だ。」

「”涅槃珠” …、って何?」

「…その魔族が冒険者として培った強さ…、経験値が光る珠となったものだ。
 それを使うと莫大な経験値を得ることができる…。
 ”涅槃珠” を使えるのはその魔族を倒した本人か、戦闘に参加したパーティメンバーに限られるがな。」

「じゃあ…、攫われた冒険者は魔族にされた上に…、経験値のために殺されていたっていうの?」

「ああ…。
 そして、俺たちS級魔族は全員が ”涅槃珠” によって強化されている。」

「…そうなんだ…。」

それはつまり、父であるマーティンも自分が強くなるために他の魔族を殺したということ。

「命令だった…、といえば言い訳になるがな。
 命令を無視できる俺は特に。」

「…”涅槃珠” ってもしかしてこれ…?」

ロックは荷物袋から以前倒した魔族から得た光る珠を取り出した。

「お前これをどこで!?
 …って、攻めてきた魔族を倒したんだったな。
 そうだ、これが ”涅槃珠” だ!」

「どうやって使うの?」

「使い方は簡単だ。
 握り潰すだけでいい。
 ただ、戦闘に参加してない奴には使えない。」

(冒険者だった皆さん…、経験値、譲り受けます…。)

ロックは2つの涅槃珠を両手の掌に乗せ、そして強く握りしめた。

涅槃珠から大きな光が溢れ出て、そしてロックの体の中に吸い込まれていった。



『レベルが上がりました。』


************

名前:ロック
パーティ:ラフリンクス
Lv:68→82
HP:13280→16061
MP:1326→1603
体力:1310→1593
力:1318→1598
素早さ:1326→1602
器用さ:1315→1590
魔力:1303→1582
スキル:
【分裂 ★★★★】
【成長促進 ★★★★★】
【咆哮 ★★★】
【スキルギフト ★★★★★】
【スキルスナッチ ★★★★★ 】

************



「す、すごい…。」

「涅槃珠で得られる経験値はその魔族が得た総経験値の数分の1だが、それでも信じられないほど強くなれる。」

「魔王はこんな力があるのに、どうして本格的に人間の国を攻めないんだろう?
 こんなに強くなれる方法があるなら圧倒できると思うんだけど…。」

「それは…、わからん。
 他のボスモンスターも自分から攻めることはないからな…。
 むしろ魔族を使って攻めているだけ魔王様は変わってるといえるのかもしれん。」

「そっか…。
 じゃあ、時間がないから僕は行くね。
 …父さん、ありがとう…。」

「…死ぬなよ、ロック。
 こんななりになっちまったが、成長した息子に会えて嬉しかったぜ。
 俺も手伝いたいところだが、魔王様の目の前に行くとお前たちと戦えという命令に背けなくなるかもしれん。
 何より、魔王様に対して危害を加えることは絶対にできないんだ。
 役に立たなくてすまん。」

「ううん。
 父さんのおかげで強くなることができたし、魔王を倒してもいいことがわかった。
 それに…、僕も、会えて、…嬉しかった。」

おもむろにロックを抱き寄せるマーティン。

両親だと思っていた人たちから殺されかけたロックの心に、本当の親の愛情が染み渡る。

だが、浸っている時間は…ない。

「…行ってきます。」

「ああ。
 行ってこい。」

魔王を倒せば消滅するマーティンと別れ、ロックは涙を拭きながら後ろを振り返らずに階段を駆け上っていった。

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