レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第四章 世界中が敵

第222話 ヴァンパイアロードの支援魔法

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「みんな殺しちゃえ~!!」

ヴァンパイアロードの言葉を皮切りに、魔族とモンスターたちが一斉に襲いかかってくる。

「あああぁぁあぁあ!!!」

その先頭を切ったのが、先代のサンジャータ国王、カシミール。

記憶が混濁し、錯乱状態となっている。

そして【魔龍化】スキルのせいで、ロヴェルを自分を死に追い込んだ相手、現サンジャータ国王のハキムと間違えている。

剣術スキルの頂点、ユニークスキル【剣神】を持ったカシミールがロヴェルに斬りかかる。


キンッ…


「…師匠、あなたの相手は私がします。」

その剣を、弟子であったデイジーが受け止めた。

「邪魔を…するなぁぁああ!!」

「…みなさん、手出しは無用でお願いします!」

「無理しないでくださいね!」

デイジーの意思を尊重し、ロックたちは他の敵の対応にあたった。

とはいえ、カシミール王は明らかにデイジーより格上。

何かあった時のために、分裂体を近くに配置した。


「いつもより、数が多いな!」

今までのボスモンスターよりも、モンスターや魔族の数が多い。

「ヴァンパイアロードのスタイルは特殊魔法での支援ですからね。
 その支援を最大限に活かすため、仲間が多いのでしょう!」

ファルクの発した言葉に、ロヴェルが答える。

そして、ヴァンパイアロードの強みである特殊魔法は、【上級特殊魔法】とは一線を画していた。

A級であるはずの魔族がS級並の強さに。

S級モンスターは今まで戦った同級のモンスターよりも明らかに強かった。

そして[シールド]の効果も高く、【全能の権化】を使ったファルクの攻撃にすら耐えている。

単体攻撃で威力重視の[武技]なら、なんとか一撃で破壊できるといったレベル。


「でもこれだけの数にバフとシールドかけるなんて、相当MPが必要なはず!」

「何かMPを回復するスキルを持ってるのかも!」

ミラとティナがそう予想し、他のメンバーも同意する。

「MPを回復され続けて、ヴァンパイアロードの支援が続くとかなり厳しい。
 なんとかスキルを奪うよ!」


そうロックが言ったと同時に、ヴァンパイアロードがたくさん出現した。

その1体にロックの分裂体が攻撃したが、手応えはなかった。

「【影分身】スキルか!」

「うおっ!?」

その分身に紛れ、ヴァンパイアロードがロヴェルの背後に回り込み、首筋に噛み付いた。

ロックの分裂体が攻撃を仕掛けるが、手応えがない。

新たな【影分身】を生み出し、その分身と位置を入れ替えたようだ。

「え、MPを持って行かれたようだ…。」

おそらく【吸魔】スキルだろう。

ダメージも受けていたため、ティナが回復。

「ふぅむ。
 さすがに無理か~。」

「?」

ヴァンパイアロードが意味ありげなことを口にするが、その意図は誰もわからない。


「ハンナさん!」

ロックは他の敵のスキルを先に奪うことにした。

相手は【スキルスナッチ】を警戒した動きをしているので、【神速】を持つハンナにサポートをお願いした。

【神速】は直接触れている相手も一緒に移動できるのだ。

【神速】で相手の虚を突き【スキルスナッチ】でスキルを奪うロック。

【吸魔】だけでなく、他にもMPを回復するスキルを持っている敵がいると感じ、魔法に特化している魔族を最初に狙った。


「違ったけど、これは…。
 ハンナさん、ロヴェルさんのところへお願いします!」

「わかった!」

次の瞬間、ロックとハンナがロヴェルの横へ。

「おおっ!
 ビックリした…。」

「驚かせてすみません!
 ロヴェルさん、このスキル、使ってください!」

そう言ってロックが渡したスキルは【杖聖】。

ロヴェルが持っている【杖術師】の上位互換スキルだ。

「…この驚きにはなかなか慣れんな…!
 恩に着る!」

★3である【杖術師】は魔法攻撃の威力が1.3倍、MP消費を10%カットできる。

それに対し【杖聖】は★4スキルで魔法攻撃の威力が1.5倍、MP消費を20%カットできるのだ。



「キャッ…!」

カシミールとサシで戦っていたデイジー。

元々の戦力差に加え、ヴァンパイアロードのバフは【上級特殊魔法】より上。

さらに戦力の差が開いてしまっている。

【先読み】スキルでなんとか攻撃を防いでいたのだが、まだシールドすら破壊できていない状況であった。

一方デイジーのシールドはすでに破壊され、そしてとうとう、カシミールの攻撃を受けてしまった。


「デイジーさん!」

すぐに分裂体をサポートに向かわせるロック。

「…ここは私に任せてください!」

完全に勝ち目がないにも関わらず、助けを拒否するデイジー。


「デイジー!!」
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