レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

文字の大きさ
250 / 283
第五章 最後の決戦

第246話 モンスターが…!?

しおりを挟む
アッサールとロヴェルが旅立った後。

ロックたちは次に討伐するボスモンスターを決めるために話し合いをしていた。

アッサールたちが帰ってくるまでに1体倒す予定だ。


結果、次の標的は今いるモンスター生息域『エシアドの崖』のボスモンスター、メデューサになった。

エスやサンジャータがある大陸にいるボスモンスター2体をどちらも倒した今、少しでも早く海上の交通を元通りにするため、海竜王リヴァイアサンを討伐するべきでは、という意見も出た。

だが、ロック達はどちらにしても15体全てのボスモンスターを倒すつもりだ。

その順番が変わってもそこまで影響はないだろうとの判断で、なるべく早く数を減らすことを優先した結果、メデューサに決まった。


メデューサは【魔眼の視線】という石化の状態異常にするスキルを使う、厄介な相手だ。

通常の【魔眼の視線】の使い手よりかなり成功確率が高いらしい。

部分的にでも石化してしまえば、まともには戦えない。

全身が石化すれば、問答無用で戦闘不能だ。


しかし、その石化を唯一無力化できるのが【大聖者】スキルだ。

【呪怨】(呪い)【マインドコントロール】(洗脳)【魔眼の視線】(石化)という★4スキルの状態異常は、【大聖者】の[特級回復魔法]でしか回復できないのだ。

【大聖者】を手に入れた今なら、メデューサとの戦いがかなり有利になるはずだ。

成長したロックの【スキルスナッチ】があれば、使われる前にスキルを奪うこともできるかもしれない。

ちなみに、それらの★4スキルの状態異常を全て使えるのが【大魔術士】である。


「今度はミラがいてくれるから、発見も早いよね。
 フェニックスはウルバーノさんがいてくれなかったら、見つけるのがかなり大変だっと思う。」

「ウルバーノさん、早く故郷に連れて行って、弔ってあげたいね。」

指名手配されているこの状況がどうにかならない以上、まだ連れて行くことができないのだ。

「アッサールさんが事情を説明して理解してもらえたら、S級冒険者のほとんどが仲間になる。
 そうなったら戦力も上がるし、この大陸でもずっと動きやすくなる。
 ウルバーノさんの故郷の近くにもモンスター生息域があるし、その時に埋葬しよう。」

「そうね。」

「しかし、ボスモンスターを全て倒すというのは…、信じられんほど難しいことをやろうとしとるな…。
 1体倒すだけでも、必ず数人は命を落とすというのに…。」

「ステータスの上限を突破してて、しかも強力なスキルだけで挑んでるのに、何度も危ない場面がありましたからね…。」

「ロックの反則スキルがあってもこんだけ大変なのに、昔の人はよく倒したよね!」

「まあ、魔王が現れてからは魔族がセットになってるからね。
 それに、涅槃珠で強化されててレベルがかなり上がってる。
 昔討伐した時とは、ボスモンスターの強さも全然違うと思うよ。」

「バハムートたちは使ってなかったみたいだけどね!
 ロックの反則スキルで強くなってなかったら、バハムートは絶対倒せなかっただろうな~。」

「ミラ、さっきから反則反則って言ってるけど、そのうちの1つはもともとミラのスキルだからね!?」

「もう私のじゃないも~ん。」

「まったく…。
 そういえば、ミラのスキルに1つ空きがあるから、何か強いスキルが欲しいね。」

「うん!
 【神速】があれば【守護神の加護】をもっとうまく使えるかな~?」

「【神速】はかなり使い勝手がいいね。
 ただ、MPの消費がそれなりに大きいよ。
 ティナが【神の恩寵】を持ってると言っても、【大魔術士】と両立できるかどうか、だね。」

【神速】を持つハンナがそう進言する。

「たしかに、今でもかなりMPは使ってるしな~。
 杖術のスキルはMP消費が減るけど、攻撃魔法ないからちょっともったいないよね。」

【杖術師】や【杖聖】といった杖術のスキルは攻撃魔法の威力UPとMP消費削減の効果がある。

特殊魔法しか使わないミラにとっては半分しか恩恵がないのだ。

「だからね、【成長促進】をわたしが持ってたらどうかな?
 そうしたらロックのスキルが1つ空くでしょ?」

「そうしてもらえたら助かるな。
 【分裂】は外せないけど、今のままだと決定力に欠けるとこがあって…。
 【剣聖】あたりを奪えたら、かなり戦いやすくなる。」

「じゃあ【成長促進】渡して!
 ていうか仲間がみんなレベル上限になったらいらないね!」

「そうだね。
 S級じゃないと渡せないから、使える人は限られるしね…。
 涅槃珠をうまく使えば可能性は広がるけど、なるべく魔族は倒したくないな。」

「そうよね。
 魔族を人間に戻すことを考えたら、1人でも生きてて欲しいわ。
 …といっても、襲ってこられたら倒すしかないけど…。」

「うん…。
 今いる仲間の命には替えられない。
 ティナ達には絶対に死んで欲しくない…。」

「ロック…。」

見つめ合う2人。

「ちょ…、ちょっと!?
 なんで急に2人の世界に入ってるわけ!?
 やっぱりロックとティナ、なんかあった!?」

「え!?
 い、いや!?
 な、な、いよ?
 ね!?ティナ?」
 
「…何もないわよ。」

「は!?
 ロック完全に動揺してるじゃない!
 ティナも変な間があったし!
 なんなの~!?
 ねえ!ロック!!」

ミラがロックの腕に強くしがみつく。

柔らかい感触に、ロックのむっつりが顔を出す。

「…そのいやらしい顔も久しぶりね。」

「い、いやらしい!?
 別にそんな顔…してないよ!?」

「…してる。」

「してるな。」

「しとるな。」


その時。

ロックのむっつりで和んだ場を、1人の男性の声が緊迫させた。


「大変だヨムじいさん!!
 モンスター達が……!!!」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

無能と呼ばれてパーティーを追放!最強に成り上がり人生最高!

本条蒼依
ファンタジー
 主人公クロスは、マスターで聞いた事のない職業だが、Eランクという最低ランクの職業を得た。 そして、差別を受けた田舎を飛び出し、冒険者ギルドに所属しポーターとして生活をしていたが、 同じパーティーメンバーからも疎まれている状況で話は始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

処理中です...