レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

文字の大きさ
249 / 283
第五章 最後の決戦

第245話 鍛冶師の歓喜

しおりを挟む
「うおおおおおおお!!!
 すげえ!!!!」

「な、なんじゃこりゃぁ……!!」

世界一の鍛冶師イシュメルと、ヨムじいさんの村に住む鍛冶師ミルドが歓喜と驚愕の声を上げる。

それもそのはず、目の前には不死鳥フェニックスに龍の王バハムート、そして討伐困難なS級のモンスターたちが横たわっているのだ。


「や、ヤバすぎるなお前ら…。
 バハムートだけじゃなくて、ほとんどのドラゴンが討伐されたことないやつばっかだぞ…。
 こんなのと戦ってよく死ななかったな…。」

「ふぇ、フェニックスもヤバすぎっすよ…。
 存在が伝説みたいなもんなのに…。」

「これだけあれば……。」

「いけるっすね……!」

イシュメルとミルドが興奮して目を輝かせている。


「これで素材は足りそうですか?」

「ああ!
 もちろん、他のボスモンスターも倒しに行くんだろうから、新しい素材があればそれだけ可能性は広がるぞ?」

「まだ15体もいるのよね…。」

ティナがため息を漏らす。

「それにしても…、こんな最高の素材で、世界一の鍛冶師に装備作ってもらえるなんて…。
 本当にいいのかい?」


今さらだが、ハンナたちもヨムじいさんの村に合流している。

ヨムじいさんたちは、本音では村の存在をできるだけ知られたくない。

しかし、ロックたちが指名手配されている現状を理解し、拠点にさせてくれている。

村の人たちも、刺激を楽しんでくれているようだ。

S級冒険者にボスモンスターを含むS級モンスターのオンパレードはちょっと過剰な刺激だが。


「ああ、問題ない!
 むしろ創作意欲が沸きすぎてて、もらってもらわないと困るくらいだ!
 話してる時間がもったいない!
 ミルド、早速取り掛かるぞ!!」

「うっす!!」

イシュメルは【アイテムボックス】にモンスターを収納し、ミルドと鍛冶場へ入っていった。



「よし、次はどうしようか。」

ボスモンスターを倒し合流した後、ロックはフェニックスから奪った【大聖者】スキルをティナへ渡した。



++++++++++++

【大聖者 ★★★★★】・・特級までの回復魔法を全て使用できる。

++++++++++++


回復魔法の最上位スキル【大聖者】。

回復量・回復範囲・回復時間、どれをとっても上級までの回復魔法とは一線を画す。

自動回復効果を付与する[リジェネ]が使えるのも大きいだろう。


「アッサールさんもユニークスキルゲットしたんだね!!
 みんなかなり強くなったね!!」

「…そうだな。
 それでも、厳しい戦いが続くことは間違いない。」

「ドラゴンも強くて、ギリギリの戦いだったわ。」

「…まだまだ強くならないと…。」


ロックたちが得た涅槃珠は4つ残っていた。

だが、涅槃珠を使えるのは魔族を倒した本人か、戦闘に参加していたパーティメンバーのみ。

今レベルが上限に達していないのはレベル92のデイジーだけだが、残った涅槃珠を使うことはできなかった。

使用できるロック・ハンナ・アッサール・ロヴェルはレベルが上限になっているが、まだ使い道があるためマジックバッグに保管している。

それは、『全回復』だ。

涅槃珠は大量の経験値とともに使用者の傷やHP・MPを瞬時に全回復してくれるのだ。

万が一の時の回復手段だ。


「どのボスモンスターを倒しにいくか、だね。
 なんたってあと15体もいるんだからね。」

「他のS級冒険者とどうにか連絡取れないかな~?」

「そうだね。
 一緒に戦った人たちは話せばわかってくれる気がする。」

「…俺がやろう。
 話をしてくる。」

「アッサールさん…!
 いいんですか?
 危険がないとは言えないですよ?」

「…問題ない。」

「じゃあ、私が送りましょう。」

ロヴェルがそう名乗り出る。

「…助かる。」

「どこに行きましょう?
 バルキアですか?」

「バルキアは敵の腹ん中だ。
 アルカトルがいいんじゃねえか?
 あそこのギルマスもきっとわかってくれるはずだ。
 バルキアでまたローズに見つかったら面倒だしな。」

「ダートのアメリアさんも今は確かアルカトルですね。」

「それでは、アルカトルに行きましょう。」

「お願いします!」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する

こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」 そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。 だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。 「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」 窮地に追い込まれたフォーレスト。 だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。 こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。 これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

無能と呼ばれてパーティーを追放!最強に成り上がり人生最高!

本条蒼依
ファンタジー
 主人公クロスは、マスターで聞いた事のない職業だが、Eランクという最低ランクの職業を得た。 そして、差別を受けた田舎を飛び出し、冒険者ギルドに所属しポーターとして生活をしていたが、 同じパーティーメンバーからも疎まれている状況で話は始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

処理中です...