虹のアジール ~ある姉妹の惑星移住物語~

千田 陽斗(せんだ はると)

文字の大きさ
48 / 73
惑星動乱

権力とブラックホール

しおりを挟む
 その昔、ヤミとヒカリの姉妹はダークマターに災害に巻き込まれた。
 ダークマター被曝したヤミの左腕の骨と爪はダークマター化して黒く染まった。そして本人も気づかないほど緩慢に"彼女"を侵食していた。
  彼女の影から姿を表したサイバー怪獣ガマズミは彼女のダークマターパワーと共振しながらクチから反物質的な塊を吐き出した。
 その塊はバスケットボールほどの大きさの真っ黒な球体となり宙に浮かんだ。
 反物質は現宇宙に存在するすべてと反対の性質を持つとされているが、その詳細は未だに明らかになっていない。
 ヤミは、はっと気を取り直した。今は闘いの時、目の前にいる反乱分子を鎮圧するのが目的だ。
「バグスターともサイバー怪獣とも言うが、体制側もそんな化け物を使うのかよ……」 
 ネオンはたじろいだ。
「しょせん権力なんて暴力の独占です。ネオン!今の体制になんの正統性もないのだと理解しなさい!」
 チョコが拡声器を使ってネオンに命令した。拡声器を通じたチョコの音声には特殊な成分が含まれている。
 彼女に洗脳されたものはその音声成分に触発されていいように操作されてしまうのだ。
 ネオンは二丁拳銃の引き金を引いた。発射された二条の光線はまっすぐヤミへ走った。
 一同に戦慄が襲った。
 その時だった。
 黒い球体がヤミの目前で熱ビームを飲み込んでしまったのだ!
 それはヤミの意思に反応する小さなブラックホールだったのだ。
 ガマズミの身体を黒い炎のようなオーラが包み始めた。そしてガマズミは巨大化した。巨大化したガマズミの背にヤミが飛び乗った。
「うわー!」
 誰もが悲鳴をあげ逃げようとした。
 ギーギャー!
 ガマズミの大口が開きネオンと同士数名をあっという間に飲み込んでしまった。
 チョコは防御シールドの強度を最大にして守りを固めた。
「とうとう馬脚を現したな!こいつの忠告通りだ。闇の化身!」
 チョコはホログラムボールを投げた。ホログラムを写し出す小さなボール状の機会だ。
「!」
 ホログラムボールに写し出されたのは、ヤミがたびたび遭遇したメフィストフェレス女だったのだ。
「そのホログラムボールには未来予測プログラムがインストールされている。やや婉曲なカタチだが、ヤミよ、オマエの危険性を忠告していたのだよ!」 
 闇のチカラはブラックホールを生み怪獣を生み暴走しようとしていた。救世主気取りのカルト教祖と成り果てたチョコにとっては都合のいい展開になりそうなところだった。 
 暴走する権力の闇を粉砕する! 
 チョコはセカンドバッグから圧縮式バトルアーマーを展開して装着した。
 チョコが巨大ガマズミとヤミに挑みかかろうとしたときだった。
 ホールの壁を破って、もう一人、バトルアーマーを身に付けた者が現れたのだった。

 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指す桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

大人への門

相良武有
現代文学
 思春期から大人へと向かう青春の一時期、それは驟雨の如くに激しく、強く、そして、短い。 が、男であれ女であれ、人はその時期に大人への確たる何かを、成熟した人生を送るのに無くてはならないものを掴む為に、喪失をも含めて、獲ち得るのである。人は人生の新しい局面を切り拓いて行くチャレンジャブルな大人への階段を、時には激しく、時には沈静して、昇降する。それは、驟雨の如く、強烈で、然も短く、将に人生の時の瞬なのである。  

処理中です...