婚約者はパンツ一丁で令嬢に好きとアピールする!

ミクリ21 (新)

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父親に悪意はない……ただ変態なだけだ

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「エミリア!俺の愛のマッスルダンスをみろ!」

「変態は黙れですわ」

第三王子アンバーは何故かいつもパンツ一丁で、婚約者エミリアはそんなアンバーが恥ずかしい………。

昔は普通に服を着ていたのにと、エミリアはよく嘆いていた。

でもアンバーはエミリアが好きなので、必死にアピールをしている。

ちなみに、今はマッスルポーズをリズムに合わせてするダンスで、エミリアが好きだと叫びながらアピールをしている。

でもアンバーは筋肉がつきにくい体質なので、華奢な身体でやっていた。

………何気にアンバーが令嬢より綺麗な身体をしていて、エミリアは女として謎の敗北を感じてイラッとしてしまった。



前に、アンバーがパンツまで脱いだ全裸でエミリアに迫った時は、エミリアは令嬢の底力と言わんばかりの渾身の一撃でアンバーの股を蹴り上げている。

一週間程アンバーは寝込んだが、アンバーがやらかしたのでその時エミリアは咎められなかった。

二度と股を蹴られたくないと思ったアンバーは、パンツだけは脱がないようにして迫っているそうだが、エミリア的には服も着てほしい。



アンバーは一度だけ、エミリアの入浴中に無理矢理侵入したことがあった。

その時、エミリアの裸に興奮して鼻血を吹いたアンバーは、エミリアの殺意の宿る怒りの拳で肋を折られている。

エミリアも手を骨折したが、アンバーは自分の肋よりエミリアに怪我をさせたことに反省して入浴中の侵入は二度としないと心に誓った。



「はぁはぁ……エミリア!今日こそ俺の愛を受け取れ!」

「裸族の里に帰れですわ!」

エミリアを諦めないアンバーと、変態お断りエミリアで毎日が攻防の日々だ。



そんな二人に、お互いの父親はため息しかつけない。

「家の変態息子がすまん」

「いえ、何故エミリアは受け入れられないのか私は謎です」

「………あぁ、うん。お前そう言えば変態だったな」

「今も私の服の下は亀甲縛りを……」

「聞いてないから語るな」

エミリアが変態を受け入れられない理由……それは、父親が変態だからだ。

変態の背中をみて育ったエミリアは思っていたのだ。

自分は絶対に変態と縁のない生活を掴んでやると!

「せっかくアンバー殿下を立派な変態にしたのに………」

「犯人はお前だったのか!?」

まさかの事実発覚。

アンバーが変態になった理由がエミリアの父親だったとは、流石に国王も思っていなかった。



きっとエミリアはこれからも苦労するだろう。

婚約解消できないアンバーと、変態こそ正義と思っている節がある父親によって………。
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