婚約破棄されて森に捨てられたら、フェンリルの長に一目惚れされたよ

ミクリ21 (新)

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番外編1

クロムの旦那さん【2】オリヴァー視点

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なかなか僕を受け入れてくれないクロムだけど、だからって僕の気持ちが冷めることはない。

そんなに簡単に叶ってしまう恋ならば、こんなにも燃え上がらないだろう。

少なくとも僕はそう思うんだ。

毎朝仕事の前にクロムに会いに行って、クロムのことを口説くことを僕は日課にしている。

仕事が終わってからもクロムに会いに行って、クロムを口説くことも日課にしている。

たとえ、クロムに受け入れられなかろうと邪険にされようと関係ない。

まぁ、クロムは優しいから邪険にされたことなんてないんだけどね。

クロムに会えるだけで、クロムと言葉を交わせるだけで、僕はそれだけで幸せになれるから………。

だから、この恋が叶わなくてもいいなんて心の底ではちょっと思っている。

………ふふ、嘘だよ。

本当は、クロムを諦める気なんてさらさらないから、叶える気しかないんだ。

だって、愛しているから。

当たり前だろ?



クロムに会う前に尻尾と耳のブラッシングを丁寧に丁寧にして、身だしなみを整える。

よし!僕変じゃないよね?

クロムのために用意したクロムの好きな花で作った花束を抱えて、いざクロムに会いに行く。

あぁ、ソワソワとドキドキが落ち着かないよ!

「クロム!」

「オリヴァー、今帰りですか?お疲れ様でした」

「うん。クロム、良かったらこれをあげるよ!」

「私の好きな花ですね。ありがとうオリヴァー」

クロムに会いたくて仕事を早く終わらせるのはいつものことだ。

別に早く終わったからといって、手抜きをしているわけじゃない。

できるだけ効率よくして早くして、そしてクロムへの贈り物をみつけるんだ。

そのための時間を作るため、かなり頑張っていたりする。

だけど、わざわざ言うことじゃないからクロムにはそのこと言わないんだ。

まぁ、クロムは聡いから気付いているかもしれないけど………。

「綺麗ですね」

「うん!綺麗だね」

花を綺麗だと微笑むクロム。

そのクロムのことを綺麗だと僕は思っている。

僕の尻尾がブンブンと勝手に揺れるのはどうしようもないことだから気にしない。

愛しいクロムが花の匂いを嗅いでうっとりする姿に、僕もクロムの匂いを嗅いでうっとりしたいと欲望が浴衣からチラリズムしてるけど………クロム気付いてないな。

結構な頻度で僕の僕が浴衣からこんにちはしてるのに、クロムは気付いてくれないんだよ。

だから、長年好き好きってアピールしていたのに、そういう意味の好きだって気付かれなかった。

つい最近……ルディガー様がバジルとイチャイチャするようになってからかな。

なんとなくだったのかもしれないけれど、クロムが視線を下にしたんだ。

その時の僕の僕がこんにちはしていて、そこでやっとクロムは僕の気持ちがそういう意味の好きなんだってことに気づいたんだよ。

………長かった。

気付いてもらうまでがかなり長かった。

クロムは聡いけど、自分への好意に鈍感なところもある。

そんなところも可愛いよね!
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