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9◆アンリの正体
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ラパラ国は狐の獣人が王族の獣人国だ。
他にも獣人の国はあるが王族が異なる。詳しくは今は割愛しよう。
城にやってきたアンリは、応接室でとても偉そうに足を組み国王を見下していた。
「父上、よくも私のカンナに無礼を働きましたね」
「いや、監禁はしてるが無傷だぞ」
「家を焼いておいて何が無傷ですか!!カンナの心がどれほど傷ついたと思っているのです!!この愚行、万死に値します!!恥を知りなさい!!」
激怒。それは殺意すら帯びた激怒。
アンリは怒りで尻尾全部の毛を逆立て、怒りの波動で国王の頭髪が何本か儚く散った。
アンリ……実は王族なのである。……家出中なのだが。
家出した理由は、その立派な九尾の尻尾だ。
狐の王族の崇める神様は、九尾の尻尾を誇る伝説の狐なのである。
アンリは第三王子で、王太子は長男か次男の兄達から決めてほしいのに、九尾だからと強制的に王太子にされそうで逃げたのだ。
王太子になるのが嫌な理由は、皆アンリを神の生まれ変わりだと思って崇めているからだ。
だが、アンリからすれば迷惑なのである。
アンリは人であって神ではない。
こんな場所に縛られたくないとアンリは思ったのだ。
縛られることを拒むアンリ……しかし、愛に縛られるのはむしろ幸せを感じていた。
愛しいカンナをアンリを連れ戻すために利用した上にカンナの家を燃やした家族に、アンリは激しく激怒している。
「アンリ、王太子はお前以外に考えられないんだ」
「お断りですね。私が王太子になったら、この国を滅ぼしてやります。逆鱗に触れるって言葉知らないんですか?私のカンナにやらかしたこと、私は許しませんから」
カンナに手を出すことは、アンリの逆鱗なのだ。
神のように崇めているアンリからの本気の怒りは、皆に強い恐怖を与えている。
国王ですら、アンリは実の息子なのに冷や汗が止まらない。
「カンナを返して、二度と私達に関わらないでください。じゃないと………国、本当に滅ぼしますよ」
「ひっ!わかった……もうお前達には関わらない!」
「よろしい」
アンリは国一番の魔力の持ち主で、その気になると本当に国を滅ぼせる実力者なのだ。
だからこそ、国王はアンリを諦めるしかなかった………。
国を滅ぼされたら困るから………。
他にも獣人の国はあるが王族が異なる。詳しくは今は割愛しよう。
城にやってきたアンリは、応接室でとても偉そうに足を組み国王を見下していた。
「父上、よくも私のカンナに無礼を働きましたね」
「いや、監禁はしてるが無傷だぞ」
「家を焼いておいて何が無傷ですか!!カンナの心がどれほど傷ついたと思っているのです!!この愚行、万死に値します!!恥を知りなさい!!」
激怒。それは殺意すら帯びた激怒。
アンリは怒りで尻尾全部の毛を逆立て、怒りの波動で国王の頭髪が何本か儚く散った。
アンリ……実は王族なのである。……家出中なのだが。
家出した理由は、その立派な九尾の尻尾だ。
狐の王族の崇める神様は、九尾の尻尾を誇る伝説の狐なのである。
アンリは第三王子で、王太子は長男か次男の兄達から決めてほしいのに、九尾だからと強制的に王太子にされそうで逃げたのだ。
王太子になるのが嫌な理由は、皆アンリを神の生まれ変わりだと思って崇めているからだ。
だが、アンリからすれば迷惑なのである。
アンリは人であって神ではない。
こんな場所に縛られたくないとアンリは思ったのだ。
縛られることを拒むアンリ……しかし、愛に縛られるのはむしろ幸せを感じていた。
愛しいカンナをアンリを連れ戻すために利用した上にカンナの家を燃やした家族に、アンリは激しく激怒している。
「アンリ、王太子はお前以外に考えられないんだ」
「お断りですね。私が王太子になったら、この国を滅ぼしてやります。逆鱗に触れるって言葉知らないんですか?私のカンナにやらかしたこと、私は許しませんから」
カンナに手を出すことは、アンリの逆鱗なのだ。
神のように崇めているアンリからの本気の怒りは、皆に強い恐怖を与えている。
国王ですら、アンリは実の息子なのに冷や汗が止まらない。
「カンナを返して、二度と私達に関わらないでください。じゃないと………国、本当に滅ぼしますよ」
「ひっ!わかった……もうお前達には関わらない!」
「よろしい」
アンリは国一番の魔力の持ち主で、その気になると本当に国を滅ぼせる実力者なのだ。
だからこそ、国王はアンリを諦めるしかなかった………。
国を滅ぼされたら困るから………。
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