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16◆デート
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森の中の綺麗な湖、空は晴れてまさにデート日和。
アンリは朝から張り切って、お弁当とデザートを作った。
身だしなみに拘り、いつもよりも丁寧に耳と尻尾の毛づくろいもする。
一方カンナも初デートにドキドキしていた。
ついつい二人共照れてしまい、手を繫ぐだけで心臓が痛かったりする。
「カンナ、デートということでボート買ったんだ。一緒に乗ろうね!」
「………ボートって買えるんだ?」
アンリのアイテムボックスには、デートのためにルンルン気分で購入したアヒルさんボートが入っている。
お店の人に初デートにオススメのボートくださいって言ったら、アヒルさんボートを売られたのだ。
アンリは今までデートに興味がなかったからこういう情報に疎くて、そういうものなのかなと思っていた。
実際のところ、デートでアヒルさんボートを好む人達はちゃんといる。
………ただし、かなり少数派だが。
大半の人達は普通のボートを選んでいた。
アンリは、アヒルさんボートを湖に出した。
それをみたカンナの目が見開かれる。
そして………。
「僕、アヒルさんボート乗ってみたかったの!」
まさかの大喜びだった!
安心したアンリに手を引かれ、ボートに乗ったらペダルをペコペコペコペコ………。
「………足の筋肉にくるね」
普段はあまり運動をしないから、カンナはちょっと疲れ始めていた。
「確かにアヒルは一見優美にみえて、水面下では必死に足をペコペコしているらしいからね。アヒルの頑張りを体験するボートということなのかもしれない」
「アヒル……頑張ってるんだね」
アンリのアヒル情報に、カンナはアヒルの苦労を考えてしまう。
「ちなみに、アヒルの肉って美味しいらしいよ」
「………今そういうこと言うのやめて?」
他愛のない話をしながら、ペコペコと共同作業に勤しんだ。
ボートを降りる頃にはすっかり疲れていたが、おかげてお腹はペコペコと空いていた。
「カンナ、デザートにアイスもあるからね」
「わかった」
お弁当はサンドイッチだ。
数種類を用意して飽きないようされている。
スープには温かいコーンスープを用意した。
最後のデザートは冷たいイチゴのアイスだ。
カンナは嬉しそうにサンドイッチの照り焼きチキンに齧り付き、カンナの笑顔だけでアンリは幸せに満ちていく。
カンナの喜びのために頑張ったサンドイッチは、流石俺と褒めたくなるほど美味しいとアンリは思った。
「アンリ、ありがとうね」
「どういたしまして!カンナ、口についてるよ」
ぺろっ!ペロペロペロペロ!
カンナの唇についていたソースは、アンリが興奮を抑えられなくて、欲望を剥き出すようにしつこくペロペロと舐める。
カンナは硬直した後に照れてしまい、無言でサンドイッチを貪るのだった。
アンリは朝から張り切って、お弁当とデザートを作った。
身だしなみに拘り、いつもよりも丁寧に耳と尻尾の毛づくろいもする。
一方カンナも初デートにドキドキしていた。
ついつい二人共照れてしまい、手を繫ぐだけで心臓が痛かったりする。
「カンナ、デートということでボート買ったんだ。一緒に乗ろうね!」
「………ボートって買えるんだ?」
アンリのアイテムボックスには、デートのためにルンルン気分で購入したアヒルさんボートが入っている。
お店の人に初デートにオススメのボートくださいって言ったら、アヒルさんボートを売られたのだ。
アンリは今までデートに興味がなかったからこういう情報に疎くて、そういうものなのかなと思っていた。
実際のところ、デートでアヒルさんボートを好む人達はちゃんといる。
………ただし、かなり少数派だが。
大半の人達は普通のボートを選んでいた。
アンリは、アヒルさんボートを湖に出した。
それをみたカンナの目が見開かれる。
そして………。
「僕、アヒルさんボート乗ってみたかったの!」
まさかの大喜びだった!
安心したアンリに手を引かれ、ボートに乗ったらペダルをペコペコペコペコ………。
「………足の筋肉にくるね」
普段はあまり運動をしないから、カンナはちょっと疲れ始めていた。
「確かにアヒルは一見優美にみえて、水面下では必死に足をペコペコしているらしいからね。アヒルの頑張りを体験するボートということなのかもしれない」
「アヒル……頑張ってるんだね」
アンリのアヒル情報に、カンナはアヒルの苦労を考えてしまう。
「ちなみに、アヒルの肉って美味しいらしいよ」
「………今そういうこと言うのやめて?」
他愛のない話をしながら、ペコペコと共同作業に勤しんだ。
ボートを降りる頃にはすっかり疲れていたが、おかげてお腹はペコペコと空いていた。
「カンナ、デザートにアイスもあるからね」
「わかった」
お弁当はサンドイッチだ。
数種類を用意して飽きないようされている。
スープには温かいコーンスープを用意した。
最後のデザートは冷たいイチゴのアイスだ。
カンナは嬉しそうにサンドイッチの照り焼きチキンに齧り付き、カンナの笑顔だけでアンリは幸せに満ちていく。
カンナの喜びのために頑張ったサンドイッチは、流石俺と褒めたくなるほど美味しいとアンリは思った。
「アンリ、ありがとうね」
「どういたしまして!カンナ、口についてるよ」
ぺろっ!ペロペロペロペロ!
カンナの唇についていたソースは、アンリが興奮を抑えられなくて、欲望を剥き出すようにしつこくペロペロと舐める。
カンナは硬直した後に照れてしまい、無言でサンドイッチを貪るのだった。
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