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とある伯爵家にて、その姉妹は仲良しだった。
いや、正しくは妹マリエルが一方的に姉ルフィナを好き過ぎて、恋愛感情まで抱くほどルフィナを愛していた。
だが、ルフィナはマリエルをあまり好ましく思ってはいない。
何故なら、今までルフィナの縁談はマリエルの「お姉様が私以外を愛するなんて嫌!」という言葉により、全部潰されてしまったのだ。
ちなみに、両親は無愛想のルフィナより可愛らしいマリエルを大切に思っている。
マリエルにも縁談の話はきているが、「お姉様以外を愛するなんて絶対に嫌!!」と言って拒否していて、両親からの八つ当たりにルフィナは苦労をしていた。
「お前がいるせいで、マリエルちゃんが婚期を逃したらどうしてくれる!?」
「文句ならマリエルに言え!」
ルフィナは、無愛想ではあるが言われたら言い返す度胸は持ち合わせている。
「このままでは、私の一生はマリエルに潰される。下手したら私の貞操も危うい。こうなったら、家出してでもマリエルから逃げないとね」
ルフィナはマリエルから逃げ出すために、計画を立てて準備した。
それは、男装して平民のフリして他国に逃げ出すというものだった。
時刻は誰もが眠る午前2時。
なんとルフィナは、綺麗に伸ばしていた自分の髪をバッサリと切ってしまう。
そしてメイクで顔にそばかすとクマも描いた。
さらに、下町にお忍びで出かけた時に手に入れた下町の青年服を着て、帽子と真ん丸い眼鏡をかけて、青年用の靴を履く。
切った自分の髪はみつかると困るから、適当に穴を掘って埋めてから、ルフィナは自由を目指して逃亡したのだった。
「お姉様!お姉様!?お姉様がいない……あぁあぁっ!私のお姉様がいないぃーーーっ!」
朝にルフィナがいないことに気づいたマリエルは、発狂しながらルフィナを探す。
しかしルフィナは屋敷のどこにもいない。
部屋を隈無く探して、マリエルはルフィナが逃げたのだということに気づく。
「お姉様…酷いわ……。私から逃げたのね。でも、無駄よ?逃がさないから……」
冷静さを取り戻したマリエルは、ハイライトの消えた瞳を見開いた。
実はマリエル、転生者である。
そして、ゲームでいうところのヒロインなのだ。
ついでにいうと、そのゲームでルフィナは悪役令嬢ポジションだった。
だが、ルフィナ推しのマリエルがルフィナばかりを愛するからシナリオは壊れていたりする。
まぁ、それはともかく。
ヒロインのマリエルには特別な力がある。
それは、愛する人の居場所が一瞬でわかる力と、行きたい場所に一瞬で飛べる転移の力。
ゲームは恋愛する内容のご都合主義なものだったので、ヒロインとして必要な力だと運営に思われたのだろう。
……何故急にこんな説明をしたかというと、マリエルはルフィナの居場所をその力を使って知って迎えに行ったからである。
いや、正しくは妹マリエルが一方的に姉ルフィナを好き過ぎて、恋愛感情まで抱くほどルフィナを愛していた。
だが、ルフィナはマリエルをあまり好ましく思ってはいない。
何故なら、今までルフィナの縁談はマリエルの「お姉様が私以外を愛するなんて嫌!」という言葉により、全部潰されてしまったのだ。
ちなみに、両親は無愛想のルフィナより可愛らしいマリエルを大切に思っている。
マリエルにも縁談の話はきているが、「お姉様以外を愛するなんて絶対に嫌!!」と言って拒否していて、両親からの八つ当たりにルフィナは苦労をしていた。
「お前がいるせいで、マリエルちゃんが婚期を逃したらどうしてくれる!?」
「文句ならマリエルに言え!」
ルフィナは、無愛想ではあるが言われたら言い返す度胸は持ち合わせている。
「このままでは、私の一生はマリエルに潰される。下手したら私の貞操も危うい。こうなったら、家出してでもマリエルから逃げないとね」
ルフィナはマリエルから逃げ出すために、計画を立てて準備した。
それは、男装して平民のフリして他国に逃げ出すというものだった。
時刻は誰もが眠る午前2時。
なんとルフィナは、綺麗に伸ばしていた自分の髪をバッサリと切ってしまう。
そしてメイクで顔にそばかすとクマも描いた。
さらに、下町にお忍びで出かけた時に手に入れた下町の青年服を着て、帽子と真ん丸い眼鏡をかけて、青年用の靴を履く。
切った自分の髪はみつかると困るから、適当に穴を掘って埋めてから、ルフィナは自由を目指して逃亡したのだった。
「お姉様!お姉様!?お姉様がいない……あぁあぁっ!私のお姉様がいないぃーーーっ!」
朝にルフィナがいないことに気づいたマリエルは、発狂しながらルフィナを探す。
しかしルフィナは屋敷のどこにもいない。
部屋を隈無く探して、マリエルはルフィナが逃げたのだということに気づく。
「お姉様…酷いわ……。私から逃げたのね。でも、無駄よ?逃がさないから……」
冷静さを取り戻したマリエルは、ハイライトの消えた瞳を見開いた。
実はマリエル、転生者である。
そして、ゲームでいうところのヒロインなのだ。
ついでにいうと、そのゲームでルフィナは悪役令嬢ポジションだった。
だが、ルフィナ推しのマリエルがルフィナばかりを愛するからシナリオは壊れていたりする。
まぁ、それはともかく。
ヒロインのマリエルには特別な力がある。
それは、愛する人の居場所が一瞬でわかる力と、行きたい場所に一瞬で飛べる転移の力。
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……何故急にこんな説明をしたかというと、マリエルはルフィナの居場所をその力を使って知って迎えに行ったからである。
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