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6◆ヤーシュ様はお菓子作りが好き

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夜中。

僕はちょっと海に戻り、お金にできそうなものを探した。

ヤーシュ様に頼めば、街で売ってきてくれるんだ。

人間の生活にはやはりいろいろな物が必要で、そのためにはお金がいる。

あと、ヤーシュ様にお礼の品も手に入れたいな。

ヤーシュ様は魔石コレクターだから、魔物を倒して魔石を手に入れるんだ。

海の底には、人間の知らない魔物がいっぱいいる。

人間が知らないってのはたぶんだけどね。

だって、人間は海の底には来られないし、海の底の魔物はあまり上の方には来ないから。

あ!あれは珍しい魔物だ。

海の底なのに白い炎を身にまとう3メートルぐらいの蟹の魔物は、僕を見ると雑魚と認定したのか無視をする。

確かに3メートルの蟹からしたら、ボールサイズのタコなんて雑魚だよね……。

でも、油断って命取りになるんだよ?

僕は、氷の太い槍を10本同時に出すと蟹に投げつけた。

「!?」

氷の槍は硬い甲殻を貫き、刺さった場所から凍っていく。

最後は砕けて、素材と宝箱と魔石が残った。

やった!宝箱だ!

魔物はたまに宝箱をドロップするんだよね。

中身は、お金とか食材とか装備とか……だいたいいいものが入ってるんだ。

今まで、宝箱はヤーシュ様にあげてたんだよ。

だから、これもヤーシュ様にあげようかな。

………。

でも、もし食材だったらミーシャの分はほしいな。

ミーシャに美味しいもの食べてほしいから。

僕はそう思いながら、得たものをアイテムボックスにしまった。



その後も魔物を倒し、いいものをみつけたりして陸に戻る。

まだ朝日は登っていないようだ。

僕は小屋に戻ってスヤスヤ眠るミーシャの様子をみてみた。

ミーシャの寝顔はとても愛らしかったよ。

あぁ、本当に可愛いなぁ。

つい頭を撫でると少し濡れてしまったから、タオルで拭いてあげる。

朝になったらヤーシュ様に会いにいこうと思いながら、僕はミーシャの隣で海水を入れた水槽の中で眠った。

ちなみに、この水槽はヤーシュ様が僕がミーシャの隣で寝られるようにってくれた物だよ!



朝。

朝ご飯を食べた後のことをミーシャに聞かれたから、ヤーシュ様に会いにいくって言った。

「ヤーシュ様に会いにいくの?僕もお礼を言いに行きたい」

「じゃあ一緒に行こう!」

するとミーシャもヤーシュ様に会いたいと言うので、一緒にいくことにしたんだ。

森を進んでヤーシュ様のお家に到着。

「ヤーシュ様!ヤーシュ様!おはよう!」

タコ足でノックすると、ヤーシュ様がいつもの黒いローブ姿で扉を開けてくれた。

「やぁ、おはよう。タコの助とミーシャ」

「あの、はじめまして、おはようございます、ミーシャです」

「ふふ、いい子だねぇ。ちょうどマフィンを焼いていたんだよぉ。二人共、一緒に食べようねぇ」

ヤーシュ様は料理が得意なんだ。

特にお菓子作りが一番好きらしい。

ヤーシュ様のお菓子はとても美味しいんだよ!

「ヤーシュ様、ありがとう!」

「あ、ありがとうございます」
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