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7◆数年後※BLエンド

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ヤーシュ様に支えてもらいながらも、僕は頑張ってミーシャを育てた。

ミーシャはスクスク育ち、美しい少年になったんだ。

そして僕はというと………。

「僕って……タコじゃなかったのかな………」

上半身人間、下半身タコ。

それが今の僕だ。

年々身体が大きくなっていったんだけど、身体が1メートルぐらいになったある時、身体が突然光ったと思ったら上半身がこうなっていたの。

陸での行動が前以上に平気で、海の中では全ての生き物達が平伏してしまう。

前以上に、海の中では孤独を感じるようになってしまった。

でも、僕にはミーシャとヤーシュ様がいるから平気だよ。

いつかミーシャが人間の女の子を愛して僕から巣立っても、僕達の絆は消えないよね。

年々大人に近づくミーシャに、ちょっとだけ寂しさを感じながらもミーシャの初恋がきたら応援しようと僕は思った。



ミーシャが青年になってしばらく経ち、僕はミーシャに聞いてみた。

「ねぇ、ミーシャ。その……ミーシャには好きな女の子っていないの?」

大人になったミーシャは、住んでる場所はずっとここだけど街に仕事をしに行くようになったんだ。

気にしなくても良かったんだけど、「僕はもう大人だから!」と言われたら反論できない。

「好きな女の子?んー、それは恋愛って意味かな」

「う、うん」

「じゃあいないよ!」

「そうなんだ」

「だって、タコの助以上の好きな子なんていないから」

「え!?」

思わず真っ赤になった。

まさにゆでタコだね。

ニコニコ笑っているミーシャは、僕に寄り添い肩に頭を乗せる。

人間の上半身ってこういう時にちょうどいいね。

「僕、タコの助がいないと幸せじゃないんだ。街にいると孤独で、早くタコの助のところに帰りたくなる」

「あうあう……」

「ねぇ、僕がちゃんと一人前になったらプロポーズしてもいい?」

「………きゅう」

これ以上ないほどに真っ赤になった僕は、ぐったりと倒れてしまった。

でも、倒れてしまった僕をミーシャが抱きとめて床に頭をぶつけないですんだ。

「ふふ、可愛い。タコの助、大好きだよ!」



人間は男同士でも番うって聞いたことはあったけど、いつの間にミーシャはそちらの扉を開いていたのだろう。

そうは思いつつも、ミーシャの気持ちが嬉しかった僕なのだった。







読んでくれてありがとうございました!
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