牛獣人はお世話係にモウモウ夢中!俺の極上ミルクは美味しいでしょ?

ミクリ21 (新)

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1◆求人で受かったのまでは良かった

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牛のお世話係の求人。

それにラーミアという平民の青年は見事受かった。

貴族の飼っている大事な大事な牛で、その良質なミルクは極上故にお世話係は厳選せねばならないらしい。

最初は書類で、次は身辺調査がされて、そして面接。

この三つをクリアした者だけがその牛のお世話をさせてもらえるのだ。

ラーミアは無事にクリアしたので、喜びすぎて今なら空を飛べると本気で思っていた。

しかし、ラーミアは重大な見落としをしている。

そのことに気づいたのは紹介された時だった。

執事長がラーミアに微笑む。

「彼が牛獣人アルベドだ。今日からよろしく頼むよ」

「よろしく~!モウモウ!」

「………」

そう、牛獣人。

彼は牛獣人のアルベド。

決して動物の牛のアルベドではなく、牛獣人アルベドだ。

「牛…獣人……?」

「そうだよ~!モウ~!」

なんかチャラいけど色気が溢れてるイケメンが、さっきからなんかモウモウ言っている。

牛獣人という主張のつもりなのだろうか。

そのムッチリしたおっぱい……いや、雄っぱいからミルクを出すのだろうか。

それはともかく、ラーミアはちょっと求人内容を確認してみた。

………ちゃんと牛獣人のお世話係と書いてあったので、完全にラーミアの確認不足である。

「嘘でしょ!?可愛い牛のお世話係じゃなかったなんて!!」

四つん這いになってショックを受けるラーミア。

「僕は可愛い牛のお世話がしたかったのに、色気の溢れるイケメン牛獣人なんて求めてません!」

「まぁそう言わずに、一杯俺のミルク飲んでみなよ」

「な…なんて美味しいミルクなんだ!?」

ショックから立ち直るラーミア。

アルベドに渡されたミルクが美味しすぎて、ショックなんて宇宙の彼方に飛んでいってしまった。

「今日からよろしくね~!ラーミアちゃん」

「僕、男ですが……」

「みればわかるけど?ラーミアちゃん」

「あ、はい」

こうしてラーミアの牛は牛でも牛獣人のお世話の日々が始まったのだった。



「あ、牛獣人のミルクの絞り方やお世話のマニュアル読んでね」

「わかりました………前立腺マッサージの方法書いてるんですけど!?」

「ミルクがよく出るから毎日してね~!」

「毎日!?」

マニュアルを読む段階から前途多難なラーミアだった………。
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