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「レイチェル!貴様を婚約破棄する!そして、マルガリータと婚約する!」
王城の夜会で婚約者レイチェルを婚約破棄すると叫んだのは、王太子ジークフリート。
そんなジークフリートに、国王夫妻が苦虫を噛み潰したように顔を顰めている。
ジークフリートの隣には、マルガリータという可愛い令嬢がいた。
最近、ジークフリートはマルガリータと浮気していると貴族達の噂になっていたが、こんな衆人環視の中で婚約破棄をやらかすとは………。
ちなみに、マルガリータはずっとお菓子があるエリアをガン見している。
………もしかして、食べたいのだろうか?
「婚約破棄?何故かしら?」
レイチェルは一応理由を聞いてみた。
「俺のマルガリータを噴水に突き落とし、階段から突き落とし、窓から突き落とし、とにかく俺のマルガリータを何度も突き落としただろう!」
「あらまぁ。所謂冤罪ってやつね」
「冤罪ではない!」
そこに、レイチェルの執事テオドールがレイチェルの背後からレイチェルの胸を鷲掴みにした!
「きゃあ!?テオドール、いきなり何をするの!」
「すみませんお嬢様。お嬢様を安心させようとしたのです」
「あら、そうだったのね。でも、女性の胸を鷲掴みにするのは駄目よ」
「はい!お嬢様!」
テオドールはずっと前からレイチェルに片思いしていて、こんな日が来るかもと事前にいろいろ動いていたのだ。
たまに善意のフリしてセクハラするが、レイチェルは善意だと信じているから深くは突っ込まない。
周りは『それでいいのかよ!?』と心の中で突っ込んでいるが………。
「その冤罪、私が冤罪の証拠を押さえています」
「あら、そうなの?」
「お任せください!あんなマルゲリータ好き王太子に私は負けません」
「マルゲリータじゃなくてマルガリータだ!!」
「それでは」
「無視するな!?」
大好きなレイチェルに期待されていると思って張り切るテオドール。
無視されたと喚くジークフリートのことはどうでもいいと思っていたりする。
「お嬢様にマルゲリータピザが噴水に突き落とされたと言いますが、実際はマルゲリータピザが自分から噴水に飛び込んで水遊びしていました。その姿は何人にも目撃されています。その時、お嬢様は王妃様とお茶会してました」
「おい!貴様、マルゲリータピザマルゲリータピザって言っているが、マルガリータをピザ扱いするな!!」
「マルゲリータピザが階段から突き落とされたと言いますが、マルゲリータピザ自身がジャンプで階段を下りていただけですよね。いつもマルゲリータピザはジャンプで下りて注意されていますよね。階段の上から下までジャンプしてミスって足を挫いたからってお嬢様に罪を擦り付けないでください。ちなみにその時お嬢様は、生徒会で他のメンバーと仕事をしてました」
「無視するな!!」
「マルゲリータピザが窓から突き落とされたと言いますが、マルゲリータピザが自分で一階の窓から外に出たのでしょう。周りでみてた人は皆ビックリしていたそうですよ。お嬢様はその時、自宅でお風呂入ってました」
「貴様、意地でもマルガリータをマルゲリータピザって言う気だな!?」
怒りに染まるジークフリート。
当のマルガリータはというと、もうジークフリートの側にはいなかった。
お菓子エリアでスイーツを美味しそうに食べている。
王城の夜会で婚約者レイチェルを婚約破棄すると叫んだのは、王太子ジークフリート。
そんなジークフリートに、国王夫妻が苦虫を噛み潰したように顔を顰めている。
ジークフリートの隣には、マルガリータという可愛い令嬢がいた。
最近、ジークフリートはマルガリータと浮気していると貴族達の噂になっていたが、こんな衆人環視の中で婚約破棄をやらかすとは………。
ちなみに、マルガリータはずっとお菓子があるエリアをガン見している。
………もしかして、食べたいのだろうか?
「婚約破棄?何故かしら?」
レイチェルは一応理由を聞いてみた。
「俺のマルガリータを噴水に突き落とし、階段から突き落とし、窓から突き落とし、とにかく俺のマルガリータを何度も突き落としただろう!」
「あらまぁ。所謂冤罪ってやつね」
「冤罪ではない!」
そこに、レイチェルの執事テオドールがレイチェルの背後からレイチェルの胸を鷲掴みにした!
「きゃあ!?テオドール、いきなり何をするの!」
「すみませんお嬢様。お嬢様を安心させようとしたのです」
「あら、そうだったのね。でも、女性の胸を鷲掴みにするのは駄目よ」
「はい!お嬢様!」
テオドールはずっと前からレイチェルに片思いしていて、こんな日が来るかもと事前にいろいろ動いていたのだ。
たまに善意のフリしてセクハラするが、レイチェルは善意だと信じているから深くは突っ込まない。
周りは『それでいいのかよ!?』と心の中で突っ込んでいるが………。
「その冤罪、私が冤罪の証拠を押さえています」
「あら、そうなの?」
「お任せください!あんなマルゲリータ好き王太子に私は負けません」
「マルゲリータじゃなくてマルガリータだ!!」
「それでは」
「無視するな!?」
大好きなレイチェルに期待されていると思って張り切るテオドール。
無視されたと喚くジークフリートのことはどうでもいいと思っていたりする。
「お嬢様にマルゲリータピザが噴水に突き落とされたと言いますが、実際はマルゲリータピザが自分から噴水に飛び込んで水遊びしていました。その姿は何人にも目撃されています。その時、お嬢様は王妃様とお茶会してました」
「おい!貴様、マルゲリータピザマルゲリータピザって言っているが、マルガリータをピザ扱いするな!!」
「マルゲリータピザが階段から突き落とされたと言いますが、マルゲリータピザ自身がジャンプで階段を下りていただけですよね。いつもマルゲリータピザはジャンプで下りて注意されていますよね。階段の上から下までジャンプしてミスって足を挫いたからってお嬢様に罪を擦り付けないでください。ちなみにその時お嬢様は、生徒会で他のメンバーと仕事をしてました」
「無視するな!!」
「マルゲリータピザが窓から突き落とされたと言いますが、マルゲリータピザが自分で一階の窓から外に出たのでしょう。周りでみてた人は皆ビックリしていたそうですよ。お嬢様はその時、自宅でお風呂入ってました」
「貴様、意地でもマルガリータをマルゲリータピザって言う気だな!?」
怒りに染まるジークフリート。
当のマルガリータはというと、もうジークフリートの側にはいなかった。
お菓子エリアでスイーツを美味しそうに食べている。
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