3 / 9
3◆バルザック視点
俺の名前はバルザック。30歳で独身だ。
騎士団長で、海が綺麗で有名なこの国の王子であるマリク様の護衛をしている。
ちょっと人より不幸体質なのだが、死ぬほどじゃないから気にしてはいない。
たまに海に落ちて巨大イカに食われそうになったり、おやじ狩りにあっては撃退したり、空からドラゴンが落ちてきて戦ったり………そんなことがあっても俺はこうして生きている。
それに、不幸を逆手にとって功績を挙げているのだから何も問題ない。
つい最近、マリク様が船でのパーティーに参加中の際に俺は海に落ちて溺れてしまった。
いつもだったらなんとか泳いで助かっていたんだが、今回は足がつって泳げなくて、息もできなくなってしまったんだ。
俺はもう助からないと思っていたが、意識を失う直前にとても美しい青年の顔を見た気がする。
俺は、その青年に一目惚れしてしまったようで、青年のことが忘れられないんだ。
幻だったのなら、またその幻をみたいと望むほど彼が恋しい。
その後、目が覚めたらマリク様にとても心配された。
なんと、俺は気を失っている間に砂浜でおやじ狩りの被害にあっていたようで、全裸になって寝転がっていたらしい。
おやじ狩り共め……次会ったらケツの毛まで毟ってやるわ!!
それはさておき。
「あぁ、バルザック……僕の愛しい人。どうか僕を置いていなくならないで」
「マリク様……俺は、マリク様の想いには応えられません………」
「そんなの、今だけだよ。僕のバルザック、愛してるよ」
「………」
俺をうっとりとみつめるマリク様。
俺は気不味い気持ちで下を向いた。
………マリク様は、俺のことを愛しているんだ。
周りの反対する声も聞かず、俺を一途に想って婚約者を作らない。
マリク様は女性人気が高く、その気になれば選り取り見取りなのに………。
いつか俺がマリク様の想いに応えると信じて疑わず、俺に飽きもせず愛の言葉を伝えるんだ。
………俺がマリク様の愛に応えることなんてないのに。
断りの言葉を言っても意味はない。
俺の気持ちがいつか絶対に変わるとマリク様は思っているから。
なんでこんなに俺みたいな不幸体質のおっさんを愛しているのか、俺には理解できない。
………困ったものだな。
俺は、窓からみえる海を眺めながらため息を吐いた。
騎士団長で、海が綺麗で有名なこの国の王子であるマリク様の護衛をしている。
ちょっと人より不幸体質なのだが、死ぬほどじゃないから気にしてはいない。
たまに海に落ちて巨大イカに食われそうになったり、おやじ狩りにあっては撃退したり、空からドラゴンが落ちてきて戦ったり………そんなことがあっても俺はこうして生きている。
それに、不幸を逆手にとって功績を挙げているのだから何も問題ない。
つい最近、マリク様が船でのパーティーに参加中の際に俺は海に落ちて溺れてしまった。
いつもだったらなんとか泳いで助かっていたんだが、今回は足がつって泳げなくて、息もできなくなってしまったんだ。
俺はもう助からないと思っていたが、意識を失う直前にとても美しい青年の顔を見た気がする。
俺は、その青年に一目惚れしてしまったようで、青年のことが忘れられないんだ。
幻だったのなら、またその幻をみたいと望むほど彼が恋しい。
その後、目が覚めたらマリク様にとても心配された。
なんと、俺は気を失っている間に砂浜でおやじ狩りの被害にあっていたようで、全裸になって寝転がっていたらしい。
おやじ狩り共め……次会ったらケツの毛まで毟ってやるわ!!
それはさておき。
「あぁ、バルザック……僕の愛しい人。どうか僕を置いていなくならないで」
「マリク様……俺は、マリク様の想いには応えられません………」
「そんなの、今だけだよ。僕のバルザック、愛してるよ」
「………」
俺をうっとりとみつめるマリク様。
俺は気不味い気持ちで下を向いた。
………マリク様は、俺のことを愛しているんだ。
周りの反対する声も聞かず、俺を一途に想って婚約者を作らない。
マリク様は女性人気が高く、その気になれば選り取り見取りなのに………。
いつか俺がマリク様の想いに応えると信じて疑わず、俺に飽きもせず愛の言葉を伝えるんだ。
………俺がマリク様の愛に応えることなんてないのに。
断りの言葉を言っても意味はない。
俺の気持ちがいつか絶対に変わるとマリク様は思っているから。
なんでこんなに俺みたいな不幸体質のおっさんを愛しているのか、俺には理解できない。
………困ったものだな。
俺は、窓からみえる海を眺めながらため息を吐いた。
あなたにおすすめの小説
「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。
猫宮乾
BL
異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました
無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。
前世持ちだが結局役に立たなかった。
そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。
そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。
目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。
…あれ?
僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?
オメガに転化したアルファ騎士は王の寵愛に戸惑う
hina
BL
国王を護るαの護衛騎士ルカは最近続く体調不良に悩まされていた。
それはビッチングによるものだった。
幼い頃から共に育ってきたαの国王イゼフといつからか身体の関係を持っていたが、それが原因とは思ってもみなかった。
国王から寵愛され戸惑うルカの行方は。
※不定期更新になります。
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。