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6◆カムイ視点

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俺は秘薬を飲んで人間になった。

だが、人間になったのはいいけど素っ裸なんだ。

「………いや~ん!」

『ぐはっ!』

ラヴィニアに謎のダメージが入った。

俺は謎の勝利をもぎ取るが、たぶん価値はない。

そんなことより服どうしようと思っていると、なんとあの日溺れておやじ狩りにあったおっさんがやってきた。

これはラッキーなのでは?

そう思った俺はおっさんに話しかけるために走って近寄った。

「おーい!」

「!?」

めちゃくちゃ驚くおっさんと、爽やかにめっちゃ笑顔な俺。

だけど俺の股間の激しいブラブラのせいで、俺はただの変態さ!あははっ!

逃げられたら追いかける気満々だったけど、なんとおっさんは両手を広げて俺を待ち受け、その厚い胸板に俺を迎え入れたんだ。

おぉ……なんと素晴らしい雄っぱいだ!

前はおっさんの身体を堪能する余裕なんてなかったから、ちょっと興奮したよ。

おっさんは俺を抱きしめて、俺の匂いを嗅いで、俺の背中を撫で、尻を揉みしだき………って、おいおっさん!?

なんて欲望丸出しのおっさんなんだ!!

「あぁっ!なんと素晴らしい夢なんだ!」

「夢じゃないよ!?」

「えっ」

「えっ」

「「………」」

俺とおっさんは見つめ合う。

だがおっさんの手は、未だに俺の尻を揉みしだいていた。

おっさん……ちょっと落ち着いてくれ。な?

俺がAVのように全裸で走ってきたからって、興奮しちゃう気持ちはわかるけど落ち着こう。な?

「現実?」

「オーイエス!現実なのさ!」

おっさんは目を見開いた後、俺を離して土下座をした。

………この世界にも土下座ってあるんだね。

「すまない!俺の初恋の人にそっくりだったから、ついやってしまった!」

「初恋?」

「海で溺れてしまった時にみた幻かもしれない青年だ。君にそっくりなんだ」

「あ、それ俺だよ」

「やはりあの青年だったか!」

おっさんは嬉しそうに俺の足に擦り寄ってきて、俺の太ももに頬擦りをする。

髪の毛が俺の俺をくすぐるからやめてほしいな。

「ところで俺、服も靴も荷物もないんだ」

「もしや、おやじ狩りの被害にあったのか!?」

「実はそうなんだ」

「おのれおやじ狩りの連中め!!」

おっさんの怒りの表情をみながら、俺は心の中でおやじ狩りに謝った。

だって、俺は最初から素っ裸だったからな。

まぁ、おやじ狩りは組織的に活動している奴等だから、都合のよい言い訳になったよ。

ちなみにおやじ狩りは、主に襲うのはおやじだけど、場合によっては若者も襲う。

でも絶対に女性だけは襲わないという鉄の掟があるらしい。



その後、俺達はお互いに自己紹介をした。

おっさんはバルザックというらしい。

かっこいい名前だなって思ったよ。
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