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ぎっくり腰の魔王
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勇者である者は、今まで強そうな種族が多かった。
虎獣人とか獅子獣人とか竜人とか狼獣人とか、エルフなんてのもあった。
でも、今代の勇者の僕ことエリオットは、兎獣人である。
16歳だけれど、一般的な10歳の子供ぐらい身体が縦横共に小さいのがコンプレックスだ。
なんなら同じ兎獣人の中でも一番小さいかもしれない。
「ミニウサちゃん、ニンジン食べる?」
「ミニウサ言うな!!ニンジンは貰う。ありがとう」
「いっぱいお食べね」
ミニウサと不名誉なあだ名で呼ばれて、不機嫌にはなるけどニンジンは好きだから貰うんだ。
ニンジンに罪はないからね。
僕にニンジンをくれた騎士シャマルは、穏やかに僕をみつめる。
実は、シャマルは僕の恋人なんだ。
ちなみにシャマルは狼獣人である。
僕達勇者御一行は、魔王討伐の旅をしていて、明日は魔王城に着くんだ。
魔王を倒したら、僕達結婚するんだよ。
……あれ、死亡フラグかな?
まぁ、結婚のために魔王には滅びてもらおう。
僕達の愛のために……いや、世界の平和のために、強烈な必殺キックをお見舞いしてやるぜ。
翌日。
魔王といざご対面だ。
「魔王!成敗だ!!」
「ちょっと待って、今ぎっくり腰だから……あたた」
「え……」
魔王、見た目超美人で若い青年だけれど、年齢は見た目ではわからないものだ。
エルフとか見た目若くてもおじいちゃんってこと普通にあるからね。
魔王は床に四つん這いでプルプルしていて、腰を痛そうに擦っている。
弱点だらけなのだが、仕留めていいかな?
「よし、攻撃のチャンスだ」
「ま、待て!?勇者がぎっくり腰の者を殺めるつもりか!?」
「貴方魔王だよね?」
「魔王だが、こうみえて私は老体なのだ。労れ若者よ」
「悪いけど、愛のために散れ。必殺キーック!」
「ぐはぁーっ!!」
勇者のキックで、魔王はトドメを刺されてしまった。
もう悪役が勇者なのでは?と思いたくなるような最後の戦いだったが、終わり良ければ全てよし。
そして僕は、大好きなシャマルと結婚して幸せに暮らすのだった。
虎獣人とか獅子獣人とか竜人とか狼獣人とか、エルフなんてのもあった。
でも、今代の勇者の僕ことエリオットは、兎獣人である。
16歳だけれど、一般的な10歳の子供ぐらい身体が縦横共に小さいのがコンプレックスだ。
なんなら同じ兎獣人の中でも一番小さいかもしれない。
「ミニウサちゃん、ニンジン食べる?」
「ミニウサ言うな!!ニンジンは貰う。ありがとう」
「いっぱいお食べね」
ミニウサと不名誉なあだ名で呼ばれて、不機嫌にはなるけどニンジンは好きだから貰うんだ。
ニンジンに罪はないからね。
僕にニンジンをくれた騎士シャマルは、穏やかに僕をみつめる。
実は、シャマルは僕の恋人なんだ。
ちなみにシャマルは狼獣人である。
僕達勇者御一行は、魔王討伐の旅をしていて、明日は魔王城に着くんだ。
魔王を倒したら、僕達結婚するんだよ。
……あれ、死亡フラグかな?
まぁ、結婚のために魔王には滅びてもらおう。
僕達の愛のために……いや、世界の平和のために、強烈な必殺キックをお見舞いしてやるぜ。
翌日。
魔王といざご対面だ。
「魔王!成敗だ!!」
「ちょっと待って、今ぎっくり腰だから……あたた」
「え……」
魔王、見た目超美人で若い青年だけれど、年齢は見た目ではわからないものだ。
エルフとか見た目若くてもおじいちゃんってこと普通にあるからね。
魔王は床に四つん這いでプルプルしていて、腰を痛そうに擦っている。
弱点だらけなのだが、仕留めていいかな?
「よし、攻撃のチャンスだ」
「ま、待て!?勇者がぎっくり腰の者を殺めるつもりか!?」
「貴方魔王だよね?」
「魔王だが、こうみえて私は老体なのだ。労れ若者よ」
「悪いけど、愛のために散れ。必殺キーック!」
「ぐはぁーっ!!」
勇者のキックで、魔王はトドメを刺されてしまった。
もう悪役が勇者なのでは?と思いたくなるような最後の戦いだったが、終わり良ければ全てよし。
そして僕は、大好きなシャマルと結婚して幸せに暮らすのだった。
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