継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したから継母退治するぜ！

本編◆魔女を倒して生存するぞ！

4◆継母は動く

ロメーヌは、ファビアンがしばらく留守になるようにさっそく動いた。

ファビアンが家にいては自由に行動できないから、ロメーヌにとって邪魔なのだ。

ファビアンの仕事は学園の教師で、忙しくて帰ってこれないようにしようとロメーヌは思った。

だから、ロメーヌは学園長に色目を使い身体で誑し込む。

そして、学園長に甘い声で魅了魔法も使って囁いてやった。

「ファビアンを仕事で忙しくして家に帰れなくして♡」

「任せない。僕の可愛いロメーヌ」

見事に魅了で操られた学園長は、ファビアンに大量に仕事を振り分ける。

ファビアンは妻の浮気など知らないまま、ブラック企業並みに忙しくて帰ってこれなくなってしまった。

ロメーヌは、男なんて簡単に思いのままになるからつまらないわねとクスクス笑うのであった。



動きやすくなった家で、ロメーヌは兄弟を虐待するために兄弟の部屋にきた。

優しい継母を演じる微笑みで、兄弟の部屋にロメーヌは入る。

コンコン………。

「ダンテ、セディ」

だが二人の部屋に兄弟はいなくて、ロメーヌは心の中で舌打ちをした。

「ダンテ、セディ、一緒にお茶しましょう～？美味しいケーキがあるの～！きっと気に入ると思うの～。どこにいるの～？隠れてないで出てきてちょうだい～」

部屋の中を探し回るが、兄弟はみつからない。

ベッドの下もみたけどみつからない。

ロメーヌは、ただの子供なら優しく呼びかけてみれば出てくると思っていたのだ。

しかし、兄弟は出てこない。

一通り調べて兄弟が部屋に本当にいないとわかると、ロメーヌは一言………。

「あらぁ～、残念ねぇ～、せっかく美味しい……毒入りケーキなのにぃ～」

これは、毒に苦しむ兄弟をみれなくて残念という意味だ。

冷たい表情でそう呟くと、ロメーヌは部屋から出ていく。



ロメーヌは、ベッドの下の隠し部屋には気づかなかった。