継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したから継母退治するぜ!

ミクリ21 (新)

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本編◆魔女を倒して生存するぞ!

10◆父親は敵を知る

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ファビアンは、帰宅早々に異変に気づいた。

使用人達が全員倒れていたからだ。

「一体何が!?」

使用人達は昏睡しているようで、起こそうとしても起きない。

それに魔力の気配を感じたファビアンは、これが誰かに魔法で眠らされたのだとわかった。

大きな魔力を息子達の部屋から感じて、ファビアンは急いで向かう。

そして、目にした光景に息を飲んだ。

息子達に禍々しい鞭を振り下ろす悍ましい姿のロメーヌ。

セディを庇うダンテ。

眩い聖なる光で鞭を浄化して消したセディ。

「ロメーヌ!何をしている!!」

「ファビアン!?何故ここに!!」

血走った殺意の宿る瞳がファビアンに向けられ、ファビアンは一瞬怯んでしまう。

しかし!

『アナタ……私の力も使って。可愛いダンテを、可愛いセディを、愛しいアナタを、どうか守って………』

「エリザ!……わかった。それが君の望みなら、叶えてこそ夫というものだ。そうだろう?」

愛するエリザの声がして、ファビアンに力が漲る。

今は亡き妻の持っていた力が、ファビアンの背中を押した。

「こうなったらお前も殺してやる!!」

「それがロメーヌの本当の姿だったんだな。魔女ロメーヌ、私を騙していたんだな。息子達に危害を加えたことを、私は許さない!」

ファビアンはロメーヌのその姿から、ロメーヌが魔女だとわかった。

怒るファビアンをロメーヌは嘲笑う。

「騙される方が悪い!この無能め!私の言いなりになっていれば良かったものを!」

ロメーヌはファビアンに闇の力を込めた火の玉のようなものを投げるが、ファビアンはそれを無効化した。

「何!?」

「妻は……エリザは、魔法を無効化する力を持っていた。その力を借りている私に、魔法は効かない!」

ロメーヌは悔しそうにまた呪いの具現化で鞭を出したが、素早くセディが聖なる力で浄化する。

「パパ、僕も戦う!兄ちゃんを守るために悪い奴倒すの!」

「セディ!」

「ははっ!流石私とエリザの子だな」

「セディだけを危険に晒したりしないぜ。兄ちゃんもやるぞ!」

「兄ちゃん!」

「ダンテ、セディ、三人で魔女を倒そう」

「「おーっ!」」

ダンテとセディは、ファビアンと共に戦闘態勢をとるのだった。
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