僕の運命の番は魔王。闇堕ち主人公は勇者だったようだけど祖国にざまぁを決意する

ミクリ21 (新)

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4◆ノーラ視点

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大嫌いなレヴィをオーガの生息地に捨ててきた。

レヴィは何をしても言ってもいつも無反応で、俺はそれが気に食わなかったんだ。

泣かせたいのに、泣かないからイライラする。

レヴィのせいで、いつも俺は欲求不満状態だった。

だから、レヴィが一番絶望しそうなお祝いをわざわざ用意してやったんだよ。

新しい鉄球は何でも入る収納鞄に入れていたから、現地で初お披露目してやった。

あの鉄球は大人の騎士5人でやっと持てる重さだから、オーガが来てもレヴィは逃げられない。

せっかくの成人年齢になった特別な誕生日だ。

こんな特別な日なら、絶望してくれるだろう。

直接その絶望顔がみられないのが残念だけど、レヴィがオーガに囲まれて輪姦されてるのを想像したら勃起が収まらないよ。



けれど、楽しい気持ちでいられたのは夜までだった。

「ノーラ、レヴィをどこにやった!」

何故か、父上と母上からレヴィの居場所を問い詰められたんだ。

その表情は、初めてみるような鬼気迫るものだった。

急にどうしたんだろう?

「オーガの生息地に捨ててきた」

「なんだと!?」

「ひっ」

父上の怒声に怯える。

今までレヴィに無関心だった父上が、何故こんなに怒ってるのかわからない。

母上に助けを求める視線をチラチラ送っていると、父上が事情を教えてくれた。

なんでも、昼間にレヴィが勇者だと神託があったらしい。

勇者というのは、数百年に一度現れるか現れないかの存在で、その規格外な強さは計り知れないらしい。

……それがレヴィ?

何かの間違いではと言いたいが、神託だから間違いではないと父上は言う。

「レヴィを勇者として魔族領に行かせ、忌まわしい魔族を滅ぼさせて領土も手に入れられる一石二鳥のチャンスなんだ。今からでもレヴィを連れ戻し、勇者として役に立ってもらう」

「そうよ。今まで生かしてあげた恩を返してもらわないとね。いつでも殺せた命を16年も育ててあげたんだから」

「ノーラ、お前はレヴィを責任を持って回収してこい。回収できなかったら、レヴィの代わりにお前を魔族領に行かせる。嫌なら絶対に回収しろ。わかったな?」

「はいっ!」

俺は我が身可愛さから従うしかなかった。



そうして俺は騎士団と一緒に、レヴィの捜索に行かせられた。

だがしかし、残されていたのは首輪が壊されて鉄球ごとあるだけだった……。

レヴィの姿はどこにも無く、探したけれどみつからなかったんだ。

……どうしよう。

このままじゃ、魔族領にレヴィの代わりに行かされる。

魔族は人族を捕食対象にみてるような奴らなんだ。

きっと俺は死んでしまう!

だから俺はしばらくオーガの生息地辺りでレヴィ探しを粘ろうと、翌日野営セットを持って生息地に行った。

探し中なら魔族領にすぐには行かされないと思って。

……けれど、俺の選んだ選択肢は悪手だったんだ。
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