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1◆グレイ視点
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魔族達が主に住んでいる魔国シュヴァルツ。
主にというのは、他種族も当たり前に住んでいるからだ。
この世界での成人年齢は16歳で、結婚も16歳からできる。
俺はグレイ・フレデリックという名前だ。
魔法使いの母ペルエルと賢者の父ガラムマサラの息子として、今日16歳になった。
両親は結構自由な人達で、自由でいたいからという理由で貴族になるのを拒否っているらしい。
平凡な俺だけど、これからも実力は凄い両親の息子として胸を張って働くつもりで朝食を食べる。
そんな俺に両親は告げたんだ。
………とてもとてもなんてことないことのように、あり得ない爆弾発言を。
「グレイ、実はグレイがジャミル様とシルベスター様と婚約してるのを伝え忘れていたわ」
「グレイ、実は今日二人とグレイが入籍したのを伝え忘れていたよ」
「「えへへ♡」」
「は?」
ニコニコとしている両親を、信じられないものをみるような眼差しでみつめる俺。
冗談ならもっとマシなことを言ってほしい。
ジャミル様とは、18歳の魔王様だ。
魔王は代々魔剣を継承すると聞いたことあるけど、どんな剣なんだろう?
ジャミル様は美しい人で、花に例えるなら青い薔薇などがよく似合う我が国の太陽。
シルベスター様とは、18歳の人族の第三王子様で勇者の称号を持つ人だ。
勇者の称号があると聖剣という神の力の宿る剣を使えるらしい。
勇者だけど、魔王と争ったりなんてしない。
何故なら、人族と魔族は友好国だからだ。
16歳の時からシルベスター様は魔王城で暮らしているが、なんでなのかを俺は知らなかった。
シルベスター様は麗しい人で、花に例えるなら白い薔薇がきっとよく似合うと思う。
「婚約?……え、入籍した?入籍するじゃなくて?」
俺はいろいろ混乱しているが、なんか言葉に違和感があって確認してみる。
言い間違っていることを願おう。
「グレイが生まれた時からの婚約なの。グレイが16歳になった時点で入籍するようになっていたから、もう入籍してるのよ」
言い間違ってなかった!
母さん!?
うふふと呑気に笑ってないで、息子の気持ちを考えて!
意味がわからないよと言う謎の生き物みたいに叫びたいこの息子の繊細な気持ちを考えて!!
俺は頭を抱えてしまった。
いつの間にか近くに立っていた父が、大混乱中の俺の肩にポンと軽く手を乗せて穏やかに微笑む。
「グレイ、大丈夫だ。天井の染みを数えていたら終わっているから」
父さん……それ、何の話?
まさか初夜とか言わないよね?言わないよね!?
………俺は冷や汗をかきながらブルブル震えてしまった。
頭が混乱している内に、母に転移で魔王城に飛ばされた俺。
そこには執事が一人立っていた。
「私はグレイ様専属執事サハラです。グレイ様、歓迎の宴は昼からですので今から準備しましょうね!大丈夫、グレイ様はずっとずっと……それはもうずーーーっと、望まれていたので何も怖くないですよ!お高いお肉やお魚の料理や甘いスイーツがいっぱいですよ!いっぱい楽しんで、夜に備えましょうね!!」
「ひぇっ!」
サハラに強制的にお姫様抱っこをされて、俺はお風呂に連れていかれたよ。
………そして俺は隅々まで洗われ、めちゃくちゃマッサージされてしまったのだった。
主にというのは、他種族も当たり前に住んでいるからだ。
この世界での成人年齢は16歳で、結婚も16歳からできる。
俺はグレイ・フレデリックという名前だ。
魔法使いの母ペルエルと賢者の父ガラムマサラの息子として、今日16歳になった。
両親は結構自由な人達で、自由でいたいからという理由で貴族になるのを拒否っているらしい。
平凡な俺だけど、これからも実力は凄い両親の息子として胸を張って働くつもりで朝食を食べる。
そんな俺に両親は告げたんだ。
………とてもとてもなんてことないことのように、あり得ない爆弾発言を。
「グレイ、実はグレイがジャミル様とシルベスター様と婚約してるのを伝え忘れていたわ」
「グレイ、実は今日二人とグレイが入籍したのを伝え忘れていたよ」
「「えへへ♡」」
「は?」
ニコニコとしている両親を、信じられないものをみるような眼差しでみつめる俺。
冗談ならもっとマシなことを言ってほしい。
ジャミル様とは、18歳の魔王様だ。
魔王は代々魔剣を継承すると聞いたことあるけど、どんな剣なんだろう?
ジャミル様は美しい人で、花に例えるなら青い薔薇などがよく似合う我が国の太陽。
シルベスター様とは、18歳の人族の第三王子様で勇者の称号を持つ人だ。
勇者の称号があると聖剣という神の力の宿る剣を使えるらしい。
勇者だけど、魔王と争ったりなんてしない。
何故なら、人族と魔族は友好国だからだ。
16歳の時からシルベスター様は魔王城で暮らしているが、なんでなのかを俺は知らなかった。
シルベスター様は麗しい人で、花に例えるなら白い薔薇がきっとよく似合うと思う。
「婚約?……え、入籍した?入籍するじゃなくて?」
俺はいろいろ混乱しているが、なんか言葉に違和感があって確認してみる。
言い間違っていることを願おう。
「グレイが生まれた時からの婚約なの。グレイが16歳になった時点で入籍するようになっていたから、もう入籍してるのよ」
言い間違ってなかった!
母さん!?
うふふと呑気に笑ってないで、息子の気持ちを考えて!
意味がわからないよと言う謎の生き物みたいに叫びたいこの息子の繊細な気持ちを考えて!!
俺は頭を抱えてしまった。
いつの間にか近くに立っていた父が、大混乱中の俺の肩にポンと軽く手を乗せて穏やかに微笑む。
「グレイ、大丈夫だ。天井の染みを数えていたら終わっているから」
父さん……それ、何の話?
まさか初夜とか言わないよね?言わないよね!?
………俺は冷や汗をかきながらブルブル震えてしまった。
頭が混乱している内に、母に転移で魔王城に飛ばされた俺。
そこには執事が一人立っていた。
「私はグレイ様専属執事サハラです。グレイ様、歓迎の宴は昼からですので今から準備しましょうね!大丈夫、グレイ様はずっとずっと……それはもうずーーーっと、望まれていたので何も怖くないですよ!お高いお肉やお魚の料理や甘いスイーツがいっぱいですよ!いっぱい楽しんで、夜に備えましょうね!!」
「ひぇっ!」
サハラに強制的にお姫様抱っこをされて、俺はお風呂に連れていかれたよ。
………そして俺は隅々まで洗われ、めちゃくちゃマッサージされてしまったのだった。
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