2 / 2
ルイ視点
僕は、王の遊びで生まれたらしい。
とある国の下町の娼婦から生まれた僕は、王の子供として6歳の頃に城に連れて行かれた。
城では、奴隷のような扱いが待っていた。
王の血を引いていても娼婦の子供なので、王位継承権なんてないに等しい。
なんなら存在が疎ましく、城になんか置きたくなかったのだろう。
それでも、王族の血を持つから放置はできなかったのである。
部屋は物置き、食事は二日に一食カビの生えたパンと泥水。
……たぶん、嫌がらせ込みの食事なんだと思う。
朝早くから夜遅くまで働かされて、会う人皆から暴言吐かれて、兄弟だという兄姉達からイジメられて……。
愛されたいという子供としての感情は、殺すしかなかった。
生きることが嫌になるけれど、僕が死ぬことを僕は納得できないから生きていた。
まぁ、たぶん周りは僕が何らかの理由で死んだり、自害することを望んでいたのかもしれなかったけれど……。
そんなある日の真夜中、僕はその部屋に迷い込んでしまったのである。
「おや、いらっしゃい」
部屋の中には、今まで一度もみたことがないほどの美人が優しく微笑んでいたのだ。
僕は、母にも優しくされたことがないから、つい吸い寄せられるようにその美人に近寄った。
「可愛い子だね。名前はなんというのかな?」
「ルイ」
「そうか、ルイというんだね。私はリゼラローズ。私を知っているかな?」
名前を呼んでもらえて、嬉しくて胸がドキドキとする。
知っているかと聞くということは、もしかして有名な人なのかな?
「ううん、知らない。ごめんなさい」
「謝らなくていいよ。私はね、ここに閉じ込められているんだ」
「そうなの?」
酷い……。
こんな美人な優しそうな人を閉じ込めるなんて、そんなの酷いよ。
誰がそんな酷いことをしたのかな。
「出たいけれど、あの扉は王族にしか開けられない。私が部屋から出るには、誰か王族が出してくれないとダメなんだ」
「王族……。王族に閉じ込められてるの?」
「そうだよ。……ねぇ、ルイ。私を出してくれないかな?みたところ、良い扱いを受けていないようにみえる。ねぇ、一緒に逃げようよ」
僕は、王族として認められてないけれど、この身体には間違いなく王族の血が流れて、それが理由で僕はここにいる。
……この、地獄に。
僕はほんの少し悩んだけれど……。
「私だけが君を愛しているよ」
その言葉で、僕はリゼラローズを連れて逃げ出した。
その言葉が、僕を利用するための嘘だとは気づいていたよ。
けれど、嘘でも良かったんだ。
優しくしてくれて、愛してくれて、名前を呼んでくれるなら……。
……嘘でも僕は嬉しいから。
この脱走は無計画だったけれど、部屋から出た後はリゼラローズの魔法か何かで、一瞬で僕達は森の中にいた。
「ふふ、私はもう自由だ。ありがとうルイ」
「リゼラローズ、嬉しい?」
「嬉しいよ。やっと私の恨みを晴らせるからね。朝になる頃には、あの国の生きとし生けるもの全てが死に絶える」
「え……」
「あぁ、ルイにちゃんと私のことを教えないとね。私は、元・繁栄と希望の神リゼラローズで、現・終焉と絶望の邪神。これからはリゼと呼んでいいからね」
嬉しそうな笑顔をみせるリゼ。
国のことを僕はなんとも思っていなかったから、リゼが嬉しいなら良かったと思う。
その後僕達は、二人で冒険者になった。
冒険者は年齢とか関係ないから、その頃8歳だった僕でも無事になれたんだ。
そして年月が過ぎて僕が大人になった日に、僕はリゼに結婚前提の告白をした。
それまで散々好き好きアピールをしていたので、リゼは嬉しそうに告白を受け入れてくれたよ。
……もう、あの最初の頃の嘘の愛はない。
だって僕達は深く愛しあっているからね。
とある国の下町の娼婦から生まれた僕は、王の子供として6歳の頃に城に連れて行かれた。
城では、奴隷のような扱いが待っていた。
王の血を引いていても娼婦の子供なので、王位継承権なんてないに等しい。
なんなら存在が疎ましく、城になんか置きたくなかったのだろう。
それでも、王族の血を持つから放置はできなかったのである。
部屋は物置き、食事は二日に一食カビの生えたパンと泥水。
……たぶん、嫌がらせ込みの食事なんだと思う。
朝早くから夜遅くまで働かされて、会う人皆から暴言吐かれて、兄弟だという兄姉達からイジメられて……。
愛されたいという子供としての感情は、殺すしかなかった。
生きることが嫌になるけれど、僕が死ぬことを僕は納得できないから生きていた。
まぁ、たぶん周りは僕が何らかの理由で死んだり、自害することを望んでいたのかもしれなかったけれど……。
そんなある日の真夜中、僕はその部屋に迷い込んでしまったのである。
「おや、いらっしゃい」
部屋の中には、今まで一度もみたことがないほどの美人が優しく微笑んでいたのだ。
僕は、母にも優しくされたことがないから、つい吸い寄せられるようにその美人に近寄った。
「可愛い子だね。名前はなんというのかな?」
「ルイ」
「そうか、ルイというんだね。私はリゼラローズ。私を知っているかな?」
名前を呼んでもらえて、嬉しくて胸がドキドキとする。
知っているかと聞くということは、もしかして有名な人なのかな?
「ううん、知らない。ごめんなさい」
「謝らなくていいよ。私はね、ここに閉じ込められているんだ」
「そうなの?」
酷い……。
こんな美人な優しそうな人を閉じ込めるなんて、そんなの酷いよ。
誰がそんな酷いことをしたのかな。
「出たいけれど、あの扉は王族にしか開けられない。私が部屋から出るには、誰か王族が出してくれないとダメなんだ」
「王族……。王族に閉じ込められてるの?」
「そうだよ。……ねぇ、ルイ。私を出してくれないかな?みたところ、良い扱いを受けていないようにみえる。ねぇ、一緒に逃げようよ」
僕は、王族として認められてないけれど、この身体には間違いなく王族の血が流れて、それが理由で僕はここにいる。
……この、地獄に。
僕はほんの少し悩んだけれど……。
「私だけが君を愛しているよ」
その言葉で、僕はリゼラローズを連れて逃げ出した。
その言葉が、僕を利用するための嘘だとは気づいていたよ。
けれど、嘘でも良かったんだ。
優しくしてくれて、愛してくれて、名前を呼んでくれるなら……。
……嘘でも僕は嬉しいから。
この脱走は無計画だったけれど、部屋から出た後はリゼラローズの魔法か何かで、一瞬で僕達は森の中にいた。
「ふふ、私はもう自由だ。ありがとうルイ」
「リゼラローズ、嬉しい?」
「嬉しいよ。やっと私の恨みを晴らせるからね。朝になる頃には、あの国の生きとし生けるもの全てが死に絶える」
「え……」
「あぁ、ルイにちゃんと私のことを教えないとね。私は、元・繁栄と希望の神リゼラローズで、現・終焉と絶望の邪神。これからはリゼと呼んでいいからね」
嬉しそうな笑顔をみせるリゼ。
国のことを僕はなんとも思っていなかったから、リゼが嬉しいなら良かったと思う。
その後僕達は、二人で冒険者になった。
冒険者は年齢とか関係ないから、その頃8歳だった僕でも無事になれたんだ。
そして年月が過ぎて僕が大人になった日に、僕はリゼに結婚前提の告白をした。
それまで散々好き好きアピールをしていたので、リゼは嬉しそうに告白を受け入れてくれたよ。
……もう、あの最初の頃の嘘の愛はない。
だって僕達は深く愛しあっているからね。
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
春を拒む【完結】
璃々丸
BL
日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。
「ケイト君を解放してあげてください!」
大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。
ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。
環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』
そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。
オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。
不定期更新になります。
とある冒険者達の話
灯倉日鈴(合歓鈴)
BL
平凡な魔法使いのハーシュと、美形天才剣士のサンフォードは幼馴染。
ある日、ハーシュは冒険者パーティから追放されることになって……。
ほのぼの執着な短いお話です。
陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)
ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。
僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。
隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。
僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。
でも、実はこれには訳がある。
知らないのは、アイルだけ………。
さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪
また恋人に振られたので酒に飲まれていたらゴツい騎士に求婚していた件
月衣
BL
また恋人に振られた魔導省のエリート官吏アルヴィス。失恋のショックで酒に溺れた彼は勢いのまま酒場に現れた屈強な王宮騎士ガラティスに求婚してしまう。
翌朝すべての記憶を保持したまま絶望するアルヴィスだったが当のガラティスはなぜか本気だった。
「安心しろ。俺は誠実な男だ。一度決めたことは覆さない」
逃げようとするエリート魔導師と絶対に逃がさない最強騎士
貢ぎ体質な男が捕まる強制恋愛コメディのつもりです!!
届かない「ただいま」
AzureHaru
BL
いつも通りの変わらない日常のはずだった。
「行ってきます。」と言って出て行った貴方。1日が終わる頃に「ただいま。」と「おかえり。」を笑顔で交わすはずだった。でも、その言葉はもう貴方には届かない。
これは「優しさが奪った日常」の物語。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
来世はこの人と関りたくないと思ったのに。
ありま氷炎
BL
前世の記憶を持つ、いずる。
彼は前世で主人だった三日月と、来世で関わらない事を願った。
しかし願いは叶わず、幼馴染として生まれ変わってしまった。
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。