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第九章「海神編」
平穏に潜む陰
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フライハイト地方の端にある俺の領土。
街といえるのは、ギルドのあるここだけだ。
後はボーンさんのいるトート遺跡のギルドキャンプ。
それから村が3つだ。
村はどこも農業を主としている。
はっきり言って人の住む場所より農地が多い。
都市部にも近いので、ある程度日持ちする野菜や果物の大量生産が主だ。
後は都市に近いが苦情が来るほど近くもなく土地もあるので、肉・卵・乳用の家畜、それから馬の休養所がある。
王宮馬の休養所も俺の領土内にあって、ウィルは以前はそこによく来ていたので懐かしがっていた。
馬場主さんも一目で馬の数を言い当てるウィルを覚えていたようで、領主になった俺の婚約者だと知ってびっくりしていた。
後からこそっと何でそんな事が出来るのか聞いたら、子供の頃、空を見上げて竜の数を言い当てるゲームをしていたからなのだそうだ。
それができないと竜の世話役にはなれないからね、とちょっと残念そうに言っていた。
それにしても、だ。
俺は目の前で建設中の領地館兼ギルド&酒場の建物を見上げた。
「……何か、デカくないか??」
建物はどう見ても3階建てだし、幅も土地めいいっぱい使ったのか前より幅広になっている。
だから以前のギルド兼酒場を知っている人間が見ると、滅茶苦茶デカイ建物が立った様に見える。
呆然と見上げる俺に、イグナスは小洒落た感じで肩をすぼめて見せた。
VIPルームに出入りしていた若者の仕草。
気品というか優雅というか、ゴージャスな感じの仕草は抜けないらしい。
だが、そんなイグナスは前よりずっと存在感があった。
自分の足で、自分の意志で、きちんと彼はここにいる。
俺がずっと感じていた希薄な感覚はだいぶなくなってきていた。
「ああ、だって君たちの領地住居も兼ねてるからね?」
「え?!そうなのか?!」
「領主様はここに仕事で来て、宿屋に寝泊まりするつもりだったのかい??」
そう言われてみればそうか……。
俺は領土をもらったのに、屋敷も建てなければ買ってもいない。
そう思うと、土地代を貰わずに住居を作らせてもらったのなら、マダムが湯水の様に俺の金を使ってこれを建てたとしても、逆に安く済んだと言う事だ。
まぁ、領地館とかの使用料は毎月一定額払う契約なのだが、それにここでの仮住居も含まれてるなら、めちゃくちゃ良心的な取引になる。
何気に結局はマダムは情に厚いのだ。
そんなコトを思っていると、仮設のギルドカウンターにしている大型テントからマダムがふらりとやって来て言った。
ちなみに寝泊まりはマダムもイグナスも宿屋を取っている。
もちろんその請求は俺に来ているのだが…。
「1階は今まで通り、酒場とギルドカウンターだよ。後はアタシの住居スペース。2階が領地館、それと前と同じく簡易臨時宿プラス小型の大浴場。」
「大浴場?!何ですそれ?!」
「冒険者の連中、帰ってくると臭くて敵わなかったからね、ついでに作った。銭湯みたいに使うつもりだよ。アンタだってデカイ風呂、好きだろ??」
「まぁ……好きですけど……。」
だからって銭湯を作られるとは思わなかった。
横で聞いていたウィルがくすっと笑う。
何か俺、ウィルにお風呂大好き人間だと思われたかも……。
いや違うんだ。
研究室兼のアパートは風呂がなかったから銭湯→つまりデカイ風呂。
独身寮→大浴場、つまりデカイ風呂。
何となくずっとデカイ風呂だったから、個人用のバスタブだと何か物足りないんだよ……。
でも…ギルドに銭湯か……。
皆の役にも立つし、喜ばれそうだからまぁ良いか。
「3階は各倉庫とイギーの住居、それからあんた方がここに来た時の仮住まいだね。後、屋上は平坦な作りにした。そんでもってヴィオールだかが飛び立てるよう、柵の端が開閉可能にしておいたよ。着陸は無理だろうが、飛び立つ分には十分だろ?」
「お気遣いありがとうございます。マダム。」
ウィルが嬉しそうに御礼を言った。
確かに何かあった時、直ぐにヴィオールが飛び立てるのならとても便利だ。
と言うか、何だかんだ結局あの裁判以降、ヴィオールは何となく認知された。
口止めの魔法が使われたのだが、ギチギチの秘密主義というより社会的にも程よい加減になっている。
何となくふわっと口止めが働いていると言うか、悪意や広める意思を持っていると話せないが、お互い知ってるもの同士等で軽く話題にするくらいなら普通に話せる。
でも悪意があったり、竜の話を広める為に話そうとすると駄目なようだけれど。
こういう所が魔術と魔法の違いだ。
魔術は○か✕かの二択になってしまうから。
ただボーンさんが口止めにどういう調整をつけたのか知らないが、社会的に大々的な噂になったりもしないのに、俺達と関わりが深い知り合いに関してはきちんとした情報が残っている。
そこにさらに微妙な相互作用を及ぼすのが、アレックの軽い記憶消去の魔法だ。
あの場で俺やウィルと関わりが深い人は、蝶に気を取られず俺達を見ていた。
だから記憶を失っていない。
だが、俺達と関わりが薄い者たちは蝶に気を取られた。
見つめれば見つめただけ魅了される蝶。
魅了されればされただけ記憶が消えて曖昧になる。
上手い事考えたものだ。
そうやってアレックは自然に記憶処理の度合いを変えた。
あんなちみっこいのに優秀な魔法師のようだ。
かくして途中で外に出た一般の傍聴者はボーンさんの口止めの魔法が、あの場に残っていた者で関わりの無いもの薄いものには、アレックによってさらに忘却の魔法がかけられた。
だから皆、何となく覚えているが覚えていないような、あえて話題にできるほど記憶にないのだ。
何か今まで魔法って法則がなくて意味わからないし、自分的には魔術があれば別に要らないと思っていたけれど、あれだけ大規模にかけた上こういうさじ加減のようなものを見てしまうと、魔法は魔法であり、凄い物なのだと思う。
まぁ、見たのがボーンさんとその愛弟子のアレックの魔法だったからなのかもしれないけれど。
それはさておき、領地館兼ギルドだ。
直接建物を建ててくれる建築技術者の他に魔術建設士も参加しており、着工から考えてもかなりのスピードで建築が進んでいる。
もう基礎部分が出来ているので中に入って3階まで見て回れる。
どうもかつてマダム助けられた職人さん達のようで、マダムの頼みとあらばと意気込んで作ってくれているみたいだ。
進捗状況を確認に来た俺を見て「領主の坊っちゃん」と親しげに呼びかけてくれる所は、何となく東の国の漁師さんたちみたいな親近感があった。
いやでも「領主の坊っちゃん」って、何か領主が別にいてその息子みたいな呼ばれ方なんだけど、彼ら的には若い坊っちゃんが領主になったもんだからそう呼ぶんだろう。
普通の貴族ならそんな呼ばれ方をしたら不機嫌になる所だが、そう呼ばれても俺があまり気にせず、差し入れにお菓子を大量に渡したもんだから妙に気に入られてしまった。
「他にも何か作るなら俺らを呼んでくださいよ、坊っちゃん」とガシっと肩を組まれて言われる。
それをイグナスが興味深げに見つめていた。
「サークは誰とでも仲良くなるのが早いんだね。私も見習わないと。」
「いや、にわか貴族になったけど俺は平民だからな。むしろちゃんと領主として認知されてるのか疑問だわ。」
「私に対しても微妙な敬語が抜けたのはとても嬉しいよ。」
「一応、俺がイグナスを雇ってる形になっているから、ここで敬語で話していたら皆が混乱するだろ?」
「そうだね。もしも領主であるサークが私に敬語混じりで話していたら、私の身元を怪しむ者も出てくるだろうしね。」
「ああ……。今の所、そっちで問題はないか?」
「そうだね。特にはないよ。」
「ならいいんだけど。でも、気を抜くなよ。あいつはしつこいから。」
「ああ、よく知っているよ、サーク。」
「うん、そうだよな……。」
俺達は誰の事とは言わずに話した。
この活気ある平穏な日常に成りを潜めている暗い陰。
だが、消える事なく確かに存在している。
俺達はそれから目を外らす事はできない。
対抗できるよう、いつでも心の片隅に確実に覚えていなければならない。
願わくば、このままイグナスが何事もなく平穏にここで自分の人生を謳歌できれば良い。
俺は懸命に今という時の中で自分として生きようとしているイグナスを見つめて、そんな事を思っていた。
街といえるのは、ギルドのあるここだけだ。
後はボーンさんのいるトート遺跡のギルドキャンプ。
それから村が3つだ。
村はどこも農業を主としている。
はっきり言って人の住む場所より農地が多い。
都市部にも近いので、ある程度日持ちする野菜や果物の大量生産が主だ。
後は都市に近いが苦情が来るほど近くもなく土地もあるので、肉・卵・乳用の家畜、それから馬の休養所がある。
王宮馬の休養所も俺の領土内にあって、ウィルは以前はそこによく来ていたので懐かしがっていた。
馬場主さんも一目で馬の数を言い当てるウィルを覚えていたようで、領主になった俺の婚約者だと知ってびっくりしていた。
後からこそっと何でそんな事が出来るのか聞いたら、子供の頃、空を見上げて竜の数を言い当てるゲームをしていたからなのだそうだ。
それができないと竜の世話役にはなれないからね、とちょっと残念そうに言っていた。
それにしても、だ。
俺は目の前で建設中の領地館兼ギルド&酒場の建物を見上げた。
「……何か、デカくないか??」
建物はどう見ても3階建てだし、幅も土地めいいっぱい使ったのか前より幅広になっている。
だから以前のギルド兼酒場を知っている人間が見ると、滅茶苦茶デカイ建物が立った様に見える。
呆然と見上げる俺に、イグナスは小洒落た感じで肩をすぼめて見せた。
VIPルームに出入りしていた若者の仕草。
気品というか優雅というか、ゴージャスな感じの仕草は抜けないらしい。
だが、そんなイグナスは前よりずっと存在感があった。
自分の足で、自分の意志で、きちんと彼はここにいる。
俺がずっと感じていた希薄な感覚はだいぶなくなってきていた。
「ああ、だって君たちの領地住居も兼ねてるからね?」
「え?!そうなのか?!」
「領主様はここに仕事で来て、宿屋に寝泊まりするつもりだったのかい??」
そう言われてみればそうか……。
俺は領土をもらったのに、屋敷も建てなければ買ってもいない。
そう思うと、土地代を貰わずに住居を作らせてもらったのなら、マダムが湯水の様に俺の金を使ってこれを建てたとしても、逆に安く済んだと言う事だ。
まぁ、領地館とかの使用料は毎月一定額払う契約なのだが、それにここでの仮住居も含まれてるなら、めちゃくちゃ良心的な取引になる。
何気に結局はマダムは情に厚いのだ。
そんなコトを思っていると、仮設のギルドカウンターにしている大型テントからマダムがふらりとやって来て言った。
ちなみに寝泊まりはマダムもイグナスも宿屋を取っている。
もちろんその請求は俺に来ているのだが…。
「1階は今まで通り、酒場とギルドカウンターだよ。後はアタシの住居スペース。2階が領地館、それと前と同じく簡易臨時宿プラス小型の大浴場。」
「大浴場?!何ですそれ?!」
「冒険者の連中、帰ってくると臭くて敵わなかったからね、ついでに作った。銭湯みたいに使うつもりだよ。アンタだってデカイ風呂、好きだろ??」
「まぁ……好きですけど……。」
だからって銭湯を作られるとは思わなかった。
横で聞いていたウィルがくすっと笑う。
何か俺、ウィルにお風呂大好き人間だと思われたかも……。
いや違うんだ。
研究室兼のアパートは風呂がなかったから銭湯→つまりデカイ風呂。
独身寮→大浴場、つまりデカイ風呂。
何となくずっとデカイ風呂だったから、個人用のバスタブだと何か物足りないんだよ……。
でも…ギルドに銭湯か……。
皆の役にも立つし、喜ばれそうだからまぁ良いか。
「3階は各倉庫とイギーの住居、それからあんた方がここに来た時の仮住まいだね。後、屋上は平坦な作りにした。そんでもってヴィオールだかが飛び立てるよう、柵の端が開閉可能にしておいたよ。着陸は無理だろうが、飛び立つ分には十分だろ?」
「お気遣いありがとうございます。マダム。」
ウィルが嬉しそうに御礼を言った。
確かに何かあった時、直ぐにヴィオールが飛び立てるのならとても便利だ。
と言うか、何だかんだ結局あの裁判以降、ヴィオールは何となく認知された。
口止めの魔法が使われたのだが、ギチギチの秘密主義というより社会的にも程よい加減になっている。
何となくふわっと口止めが働いていると言うか、悪意や広める意思を持っていると話せないが、お互い知ってるもの同士等で軽く話題にするくらいなら普通に話せる。
でも悪意があったり、竜の話を広める為に話そうとすると駄目なようだけれど。
こういう所が魔術と魔法の違いだ。
魔術は○か✕かの二択になってしまうから。
ただボーンさんが口止めにどういう調整をつけたのか知らないが、社会的に大々的な噂になったりもしないのに、俺達と関わりが深い知り合いに関してはきちんとした情報が残っている。
そこにさらに微妙な相互作用を及ぼすのが、アレックの軽い記憶消去の魔法だ。
あの場で俺やウィルと関わりが深い人は、蝶に気を取られず俺達を見ていた。
だから記憶を失っていない。
だが、俺達と関わりが薄い者たちは蝶に気を取られた。
見つめれば見つめただけ魅了される蝶。
魅了されればされただけ記憶が消えて曖昧になる。
上手い事考えたものだ。
そうやってアレックは自然に記憶処理の度合いを変えた。
あんなちみっこいのに優秀な魔法師のようだ。
かくして途中で外に出た一般の傍聴者はボーンさんの口止めの魔法が、あの場に残っていた者で関わりの無いもの薄いものには、アレックによってさらに忘却の魔法がかけられた。
だから皆、何となく覚えているが覚えていないような、あえて話題にできるほど記憶にないのだ。
何か今まで魔法って法則がなくて意味わからないし、自分的には魔術があれば別に要らないと思っていたけれど、あれだけ大規模にかけた上こういうさじ加減のようなものを見てしまうと、魔法は魔法であり、凄い物なのだと思う。
まぁ、見たのがボーンさんとその愛弟子のアレックの魔法だったからなのかもしれないけれど。
それはさておき、領地館兼ギルドだ。
直接建物を建ててくれる建築技術者の他に魔術建設士も参加しており、着工から考えてもかなりのスピードで建築が進んでいる。
もう基礎部分が出来ているので中に入って3階まで見て回れる。
どうもかつてマダム助けられた職人さん達のようで、マダムの頼みとあらばと意気込んで作ってくれているみたいだ。
進捗状況を確認に来た俺を見て「領主の坊っちゃん」と親しげに呼びかけてくれる所は、何となく東の国の漁師さんたちみたいな親近感があった。
いやでも「領主の坊っちゃん」って、何か領主が別にいてその息子みたいな呼ばれ方なんだけど、彼ら的には若い坊っちゃんが領主になったもんだからそう呼ぶんだろう。
普通の貴族ならそんな呼ばれ方をしたら不機嫌になる所だが、そう呼ばれても俺があまり気にせず、差し入れにお菓子を大量に渡したもんだから妙に気に入られてしまった。
「他にも何か作るなら俺らを呼んでくださいよ、坊っちゃん」とガシっと肩を組まれて言われる。
それをイグナスが興味深げに見つめていた。
「サークは誰とでも仲良くなるのが早いんだね。私も見習わないと。」
「いや、にわか貴族になったけど俺は平民だからな。むしろちゃんと領主として認知されてるのか疑問だわ。」
「私に対しても微妙な敬語が抜けたのはとても嬉しいよ。」
「一応、俺がイグナスを雇ってる形になっているから、ここで敬語で話していたら皆が混乱するだろ?」
「そうだね。もしも領主であるサークが私に敬語混じりで話していたら、私の身元を怪しむ者も出てくるだろうしね。」
「ああ……。今の所、そっちで問題はないか?」
「そうだね。特にはないよ。」
「ならいいんだけど。でも、気を抜くなよ。あいつはしつこいから。」
「ああ、よく知っているよ、サーク。」
「うん、そうだよな……。」
俺達は誰の事とは言わずに話した。
この活気ある平穏な日常に成りを潜めている暗い陰。
だが、消える事なく確かに存在している。
俺達はそれから目を外らす事はできない。
対抗できるよう、いつでも心の片隅に確実に覚えていなければならない。
願わくば、このままイグナスが何事もなく平穏にここで自分の人生を謳歌できれば良い。
俺は懸命に今という時の中で自分として生きようとしているイグナスを見つめて、そんな事を思っていた。
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