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第九章「海神編」
いつか行けるなら
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東の国に来たウィルはとにかくびっくりしていた。
まぁ、ちょっと独特だよな、東の国って。
どこか時代から取り残されたような雰囲気もあるし。
「……話には聞いていたし、本でも読んでたんだけど、実際見ると何か言葉で表現できないと言うか……うん、びっくりした。」
陽だまりの縁側に座って、小さなヴィオールを追いかけて境内を駆け回る子どもたちを眺めながらウィルは言った。
ヴィオールは珍しく自分から外に出たがって、小さい姿で楽しそうに飛び回っている。
なんだろう??
教会の敷地内だから、精霊は居心地が良いのかな??
「お兄ちゃん!!」
今、義父さんが預かっている子供らの一人が俺達の方に駆けてきた。
勢い余ってウィルの膝に飛び込む。
「大丈夫?」
「うん、ありがとう。」
えへへと笑う子の頭をウィルが優しく撫でる。
ウィルはすっかり子どもたちに受け入れられていた。
そりゃな、こんな物静かで優しい美人が笑いかけてくれたら、子供じゃなくても懐くわ。
そのうちわらわらと他の子もやってくる。
「ねぇ!ビオラが捕まんないよ!!」
「いや、ビオラじゃなくてヴィオールな??」
初めて見た竜を今流行りの怪獣と同化して、子どもたちはヴィオールをビオラと呼んでいる。
いや、そいつは怪獣じゃないから。
ゴ○ラでもキング○ドラでもないから。
「いいよ。ヴィオール、嫌がってないし。」
ウィルはそう言って笑った。
そして立ち上がると、ちょっと不思議な声を出してヴィオールを呼んだ。
その声にすぐにヴィオールは反応して、ウィルの首に巻き付く。
顔を擦り付けて甘え、撫でてもらってご満悦のようだ。
子どもたちからはわっと歓声が上がった。
「すご~い!!ウィルさんビオラ使いだ~!!」
「俺も撫でたい~!!」
「いいよ。でも優しくね??」
「わかった!!」
ウィルがヴィオールを膝にのせて座ると、子どもたちは興味津々にのぞき込んでくる。
ヴィオールもちょっとタジタジのようだ。
「こらこら、こんな小さいヤツに大きなお前たちが寄ってたかって見下ろしたら怖がるだろ??」
そう注意すると子供らは一歩下がって考え込み、それからしゃがみこんだ。
大きいと怖いならしゃがんで小さくなれば良いと考えたようだ。
それをウィルが優しく笑う。
「皆、偉いね。ヴィオールの事を考えてくれたんだね。」
「これでビオラ、私達の事、怖くない??」
「うん、怖くないと思うよ?」
そう言われ、顔を見合わせて笑う。
ああ、俺もこうやって育ったなと思いだした。
ここではあまりあれしろこれしろとは教えない。
どうしたらいいかはまず、自分達で考えさせてやらせてみる。
それが違っていたり、どうしたら良いか聞かれたら教える。
自分で考えて、自分で行動させる。
縛り付けずにその子自身の生き方を自分でさせる。
世間に迷惑をかけるような悪い事は叱るけど、個性と呼べる部分は出来る限り自由にさせる。
それが義父さんの教育方針だ。
まぁそんなんだから俺はいつまでたっても、すぐにどっかに行っちゃう子供のまま育ったんだけど。
本当、あれでよく、どっかの部屋に閉じ込めて置こうとか、紐で縛っておこうとかにならなかったよなぁ。
今思えば、雑木林はまだしも、裏山を3日間もうろうろする様な子供を、よくこの教育方針で育てたよな~。
自由に育ててもらって感謝しかない。
そして生きていくのに必要な事。
食べる為にはお手伝い(仕事)をする。
食べ物は畑をやったり、林や山から採取する。
鶏などの世話をして卵などをもらう。
自分達で取れないものは、作物などを売ったり直接そのものと物々交換をしてもらったりする。
何か手助けしてもらったらお礼を言い、逆に誰かが困っていたら手助けをする。
理不尽な事に会わないように勉強をする。
そんな事を教わった。
俺は子どもたちを見ながらかつての自分を見ていた。
しゃがみこんで彼らと視線を合わせて笑いかける。
「触るのは一人ずつな?」
「うん!」
「いきなり上から手を出すと怖がるから、見える高さに軽くグーにしてゆっくり手を近づけてごらん?」
「うん!」
「……あ!ビオラがクンクンした~!可愛い~!」
「うん、匂いを嗅いだら大丈夫。そっと触って??」
「わっ!!思ったよりカチカチ!!」
「まぁ、カナヘビとかとは違うからね。そこまで柔らかくはないよ。」
「次!!僕!!」
そう言って子どもたちは順番にヴィオールに触っていた。
しゃがんだままウィルの横にいると、俺の肩にウィルが片手を乗せる。
その顔を見上げて笑いかける。
子どもたちが一通り触り終えるとヴィオールもそれがわかったのか、一度ウィルを振り返るとそのまま翼をはためかせて飛んでいく。
それを見送りながら、俺は縁側に座り直した。
子どもたちはまた、ヴィオールの後ろを追いかけていった。
「……サークは、幸せに育ったんだね。」
「うん。幸せだったよ。」
「連れてきてくれてありがとう。サークがどんなところでどんな風に育ったのか知る事ができて、凄く嬉しい。」
ウィルはそう言うと、そっと俺にもたれ掛かった。
その肩を抱き寄せる。
「……俺も、ウィルのご両親に挨拶出来れば良かったんだけど……。」
「こればっかりは仕方ないさ。……それでも、サークは俺の故郷を実際に知っている。それだけでも嬉しいよ。」
それ以上何も言わないウィルの手を俺は握った。
たまにやはり、これで良かったのだろうかと思ってしまう。
俺はウィルを谷から連れ去ってしまった。
ウィルはもう、竜の谷には帰れない。
家族に会う事も出来ないのだ。
「……そんな顔をして……。」
考え込んでしまった俺を、ウィルはくすりと笑った。
そしてチュッと耳元にキスしてくれた。
「谷の者にとったら竜が全てなんだ。だから、竜の為に俺が二度と帰らない事を父さんも母さんも理解してくれる。それに、多分、サークに感謝しているよ。」
「どうして?」
「夜の宝石になる事はとても名誉な事だ。俺もそう思うし、両親もそう思ってる。でもそれでも、俺が役目を果たすとなった時、母さんは泣いていた。父さんも泣きはしなかったけど、複雑な顔をして泣く母さんを抱きしめていた。だから、サークに感謝してると思うよ。」
「……そうか……。」
「竜の為に、そして俺の為に危険を侵してくれたサークをきっと大切に思ってくれている。俺がサークと結婚しても反対なんかしないよ。たとえ会えなくても、俺が幸せになる事を願ってくれているって知ってるから。」
「……そっか……。」
「ま、サークは運が良かったんだよ。外の人間なのに谷の人間と結ばれることができるんだし。それに下手に結婚の挨拶に行ったら、サークはハムスターどころじゃ済まなかったかもしれないしね。」
「え?!どういう事?!」
「ん~?父さん、けっこう単純で口より先に手が動くタイプだったから、感極まって、とりあえずサークを殴っただろうし。」
「ふぁっ?!」
「怒ってても嬉しくても、うっかり手が出ちゃうタイプだからさ。」
ニッコリとそう言われ、俺は思わず青ざめた。
何となくわかる。
だってウィルが激しいエッチの後、照れてるのか怒ってるのか嫌がってるのか良くわからないけど、いろんな感情が高まった末、いきなり殴ってくるから。
多分それって、お義父さん譲りなんだろ?!
実際問題、今日俺、ハムスターだし。
半分に薄まってウィルなんだから、更に倍のお義父さんは半端ないだろう……。
複雑な顔をする俺を、ウィルがくすくす笑う。
「父さんだけで済めば良いんだけど、妹が父さんそっくりで俺にべったりタイプだったからね。下手したら股間も潰されてたかもな~。あ、サークは勃たないから潰されても問題ないか。」
「やめてよっ!!勃たないからって潰していいものじゃないからっ!!」
「大丈夫、大丈夫。母さんが回復師だから、潰されても治してくれたよ。きっと。」
「待って?!治されても痛みは一度味わうんでしょ?!」
「そうだね。」
「やだやだやだ!!怖い!ウィルの実家、怖すぎるっ!!」
「あれ??いつか来てくれるって言ったじゃないか??サーク??」
「行くよ!行くけどさっ!!」
俺は思わず股間を押さえて前屈みになってしまった。
そりゃ勃ちませんよ?!
勃ちませんけど!潰さないで下さい!!
ハムスターになるより怖いよ!!
そんな俺を見て、ウィルは声を上げて笑い転げた。
「笑い事じゃないよ!ウィルだってついてるんだから!わかるだろ?!」
「わかるよ~?でも、俺を嫁にするんだから、そのぐらいの覚悟はして欲しいな~?」
「いくら治してもらえるからって!潰される覚悟はできないって!!」
「ええ~??なら、結婚、やめるか??」
「やだやだやだっ!!ウィルと結婚する!!ずっと側にいてもらう~!!俺を捨てないで~!!」
「捨てないって。だから、挨拶に行ける事になったら、ちゃんと行こうな??」
「うぅ……行く、行くよ……。その時までに確実に金的ガードを出来る魔術を考えておく……。」
「そうしてくれ。ま、潰れたら潰れたで、俺は構わないけどさ。」
「潰れる事を前提にしないで?!」
半泣きになる俺を、ウィルがおかしそうに笑う。
でも、いつかキチンとウィルのご家族にも挨拶に行けたら良いな。
……ハムスターはまだしも、潰されるのは勘弁して欲しいけどさ……。
陽だまりの縁側で、俺はちょっと涙目になりながら、笑うウィルの隣でそんな事を考えていた。
まぁ、ちょっと独特だよな、東の国って。
どこか時代から取り残されたような雰囲気もあるし。
「……話には聞いていたし、本でも読んでたんだけど、実際見ると何か言葉で表現できないと言うか……うん、びっくりした。」
陽だまりの縁側に座って、小さなヴィオールを追いかけて境内を駆け回る子どもたちを眺めながらウィルは言った。
ヴィオールは珍しく自分から外に出たがって、小さい姿で楽しそうに飛び回っている。
なんだろう??
教会の敷地内だから、精霊は居心地が良いのかな??
「お兄ちゃん!!」
今、義父さんが預かっている子供らの一人が俺達の方に駆けてきた。
勢い余ってウィルの膝に飛び込む。
「大丈夫?」
「うん、ありがとう。」
えへへと笑う子の頭をウィルが優しく撫でる。
ウィルはすっかり子どもたちに受け入れられていた。
そりゃな、こんな物静かで優しい美人が笑いかけてくれたら、子供じゃなくても懐くわ。
そのうちわらわらと他の子もやってくる。
「ねぇ!ビオラが捕まんないよ!!」
「いや、ビオラじゃなくてヴィオールな??」
初めて見た竜を今流行りの怪獣と同化して、子どもたちはヴィオールをビオラと呼んでいる。
いや、そいつは怪獣じゃないから。
ゴ○ラでもキング○ドラでもないから。
「いいよ。ヴィオール、嫌がってないし。」
ウィルはそう言って笑った。
そして立ち上がると、ちょっと不思議な声を出してヴィオールを呼んだ。
その声にすぐにヴィオールは反応して、ウィルの首に巻き付く。
顔を擦り付けて甘え、撫でてもらってご満悦のようだ。
子どもたちからはわっと歓声が上がった。
「すご~い!!ウィルさんビオラ使いだ~!!」
「俺も撫でたい~!!」
「いいよ。でも優しくね??」
「わかった!!」
ウィルがヴィオールを膝にのせて座ると、子どもたちは興味津々にのぞき込んでくる。
ヴィオールもちょっとタジタジのようだ。
「こらこら、こんな小さいヤツに大きなお前たちが寄ってたかって見下ろしたら怖がるだろ??」
そう注意すると子供らは一歩下がって考え込み、それからしゃがみこんだ。
大きいと怖いならしゃがんで小さくなれば良いと考えたようだ。
それをウィルが優しく笑う。
「皆、偉いね。ヴィオールの事を考えてくれたんだね。」
「これでビオラ、私達の事、怖くない??」
「うん、怖くないと思うよ?」
そう言われ、顔を見合わせて笑う。
ああ、俺もこうやって育ったなと思いだした。
ここではあまりあれしろこれしろとは教えない。
どうしたらいいかはまず、自分達で考えさせてやらせてみる。
それが違っていたり、どうしたら良いか聞かれたら教える。
自分で考えて、自分で行動させる。
縛り付けずにその子自身の生き方を自分でさせる。
世間に迷惑をかけるような悪い事は叱るけど、個性と呼べる部分は出来る限り自由にさせる。
それが義父さんの教育方針だ。
まぁそんなんだから俺はいつまでたっても、すぐにどっかに行っちゃう子供のまま育ったんだけど。
本当、あれでよく、どっかの部屋に閉じ込めて置こうとか、紐で縛っておこうとかにならなかったよなぁ。
今思えば、雑木林はまだしも、裏山を3日間もうろうろする様な子供を、よくこの教育方針で育てたよな~。
自由に育ててもらって感謝しかない。
そして生きていくのに必要な事。
食べる為にはお手伝い(仕事)をする。
食べ物は畑をやったり、林や山から採取する。
鶏などの世話をして卵などをもらう。
自分達で取れないものは、作物などを売ったり直接そのものと物々交換をしてもらったりする。
何か手助けしてもらったらお礼を言い、逆に誰かが困っていたら手助けをする。
理不尽な事に会わないように勉強をする。
そんな事を教わった。
俺は子どもたちを見ながらかつての自分を見ていた。
しゃがみこんで彼らと視線を合わせて笑いかける。
「触るのは一人ずつな?」
「うん!」
「いきなり上から手を出すと怖がるから、見える高さに軽くグーにしてゆっくり手を近づけてごらん?」
「うん!」
「……あ!ビオラがクンクンした~!可愛い~!」
「うん、匂いを嗅いだら大丈夫。そっと触って??」
「わっ!!思ったよりカチカチ!!」
「まぁ、カナヘビとかとは違うからね。そこまで柔らかくはないよ。」
「次!!僕!!」
そう言って子どもたちは順番にヴィオールに触っていた。
しゃがんだままウィルの横にいると、俺の肩にウィルが片手を乗せる。
その顔を見上げて笑いかける。
子どもたちが一通り触り終えるとヴィオールもそれがわかったのか、一度ウィルを振り返るとそのまま翼をはためかせて飛んでいく。
それを見送りながら、俺は縁側に座り直した。
子どもたちはまた、ヴィオールの後ろを追いかけていった。
「……サークは、幸せに育ったんだね。」
「うん。幸せだったよ。」
「連れてきてくれてありがとう。サークがどんなところでどんな風に育ったのか知る事ができて、凄く嬉しい。」
ウィルはそう言うと、そっと俺にもたれ掛かった。
その肩を抱き寄せる。
「……俺も、ウィルのご両親に挨拶出来れば良かったんだけど……。」
「こればっかりは仕方ないさ。……それでも、サークは俺の故郷を実際に知っている。それだけでも嬉しいよ。」
それ以上何も言わないウィルの手を俺は握った。
たまにやはり、これで良かったのだろうかと思ってしまう。
俺はウィルを谷から連れ去ってしまった。
ウィルはもう、竜の谷には帰れない。
家族に会う事も出来ないのだ。
「……そんな顔をして……。」
考え込んでしまった俺を、ウィルはくすりと笑った。
そしてチュッと耳元にキスしてくれた。
「谷の者にとったら竜が全てなんだ。だから、竜の為に俺が二度と帰らない事を父さんも母さんも理解してくれる。それに、多分、サークに感謝しているよ。」
「どうして?」
「夜の宝石になる事はとても名誉な事だ。俺もそう思うし、両親もそう思ってる。でもそれでも、俺が役目を果たすとなった時、母さんは泣いていた。父さんも泣きはしなかったけど、複雑な顔をして泣く母さんを抱きしめていた。だから、サークに感謝してると思うよ。」
「……そうか……。」
「竜の為に、そして俺の為に危険を侵してくれたサークをきっと大切に思ってくれている。俺がサークと結婚しても反対なんかしないよ。たとえ会えなくても、俺が幸せになる事を願ってくれているって知ってるから。」
「……そっか……。」
「ま、サークは運が良かったんだよ。外の人間なのに谷の人間と結ばれることができるんだし。それに下手に結婚の挨拶に行ったら、サークはハムスターどころじゃ済まなかったかもしれないしね。」
「え?!どういう事?!」
「ん~?父さん、けっこう単純で口より先に手が動くタイプだったから、感極まって、とりあえずサークを殴っただろうし。」
「ふぁっ?!」
「怒ってても嬉しくても、うっかり手が出ちゃうタイプだからさ。」
ニッコリとそう言われ、俺は思わず青ざめた。
何となくわかる。
だってウィルが激しいエッチの後、照れてるのか怒ってるのか嫌がってるのか良くわからないけど、いろんな感情が高まった末、いきなり殴ってくるから。
多分それって、お義父さん譲りなんだろ?!
実際問題、今日俺、ハムスターだし。
半分に薄まってウィルなんだから、更に倍のお義父さんは半端ないだろう……。
複雑な顔をする俺を、ウィルがくすくす笑う。
「父さんだけで済めば良いんだけど、妹が父さんそっくりで俺にべったりタイプだったからね。下手したら股間も潰されてたかもな~。あ、サークは勃たないから潰されても問題ないか。」
「やめてよっ!!勃たないからって潰していいものじゃないからっ!!」
「大丈夫、大丈夫。母さんが回復師だから、潰されても治してくれたよ。きっと。」
「待って?!治されても痛みは一度味わうんでしょ?!」
「そうだね。」
「やだやだやだ!!怖い!ウィルの実家、怖すぎるっ!!」
「あれ??いつか来てくれるって言ったじゃないか??サーク??」
「行くよ!行くけどさっ!!」
俺は思わず股間を押さえて前屈みになってしまった。
そりゃ勃ちませんよ?!
勃ちませんけど!潰さないで下さい!!
ハムスターになるより怖いよ!!
そんな俺を見て、ウィルは声を上げて笑い転げた。
「笑い事じゃないよ!ウィルだってついてるんだから!わかるだろ?!」
「わかるよ~?でも、俺を嫁にするんだから、そのぐらいの覚悟はして欲しいな~?」
「いくら治してもらえるからって!潰される覚悟はできないって!!」
「ええ~??なら、結婚、やめるか??」
「やだやだやだっ!!ウィルと結婚する!!ずっと側にいてもらう~!!俺を捨てないで~!!」
「捨てないって。だから、挨拶に行ける事になったら、ちゃんと行こうな??」
「うぅ……行く、行くよ……。その時までに確実に金的ガードを出来る魔術を考えておく……。」
「そうしてくれ。ま、潰れたら潰れたで、俺は構わないけどさ。」
「潰れる事を前提にしないで?!」
半泣きになる俺を、ウィルがおかしそうに笑う。
でも、いつかキチンとウィルのご家族にも挨拶に行けたら良いな。
……ハムスターはまだしも、潰されるのは勘弁して欲しいけどさ……。
陽だまりの縁側で、俺はちょっと涙目になりながら、笑うウィルの隣でそんな事を考えていた。
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