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第六章「副隊長編」
男子部屋
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「で?何でこんな事になってるんですか……?」
王宮勤務から帰った来たイヴァンは、部屋に入るなり言った。
部屋の中の光景に唖然としてしまったらだ。
完全に顔が引きつっている。
「……だって、俺、結婚して独身寮出たから部屋ないし。」
それに対し、飄々ととライルがそう返す。
一緒にテーブルセットに座ってポーカーをしているガスパーが、冷めた表情で眼鏡を上げながら言った。
「いいだろ?減るもんじゃねぇんだし。」
「何でガスパーまでいるんだ…?」
「…………。勝ったらサークの着物の写真くれるってライルが言うから……。」
途端に顔を赤らめる幼馴染みにため息をつく。
こいつもヤバいとこまできてるな。
イヴァンは額を押さえた。
「あ~はいはい。……て言うか、僕もそれ、見たいです。」
「何?勝負する?」
「見れればいいんで。」
「お前ら、人の写真を賭けに使うな!」
もう一人の部屋の主が、苛立たしそうに声をあげた。
いや、あなたがかなりの原因なんですよ?
その上、着物を着たとか。
もう少し自覚を持ってもらいたいものだ。
「……勝てばくれるのか?ライル?」
「おっと!ダークホース登場~。」
それまで黙っていたギルが口を開いた。
ライルがゲラゲラ笑う。
ベッドに寝っころがって、ノルの論文を読み返していたサークは、勝手に自分のベッドに座り込んでいるギルを蹴飛ばした。
「てめえは欲しがんじゃねーよ!つか!勝手に人のベッドに座んな!危機を感じるわっ!!」
「……それは振りか?サーク?」
「振りじゃねぇよ!!あっちいけ!!」
「遠慮するな。お前がいいなら……。」
「ぶっ殺すぞっ!!変態っ!!」
「だから!何でここに溜まってるんですかっ!!皆でっ!!」
思わず流されそうになり、イヴァンは声を荒げて叫んだ。
イヴァンが言いたいのはそこだ。
何故、仕事終わりに寮のこの部屋に、男どもは集まっているのか!?
何故、全員、あまり気にせず好き勝手に寛いでいるのか!?
一瞬の沈黙の後、口々に言う。
「知らねぇよ。ライルさん以外は勝手に付いてきたんだし。」
「だから、寮に部屋がなくなったからさ~。」
「階段上がって直ぐだしな。」
「別にいいだろ?泊まる訳じゃねぇんだし。」
全く気にしていない。
いい大人が男子学生のようにだらだらとより集まっているこの状況を、誰一人、全く気にしていない。
「………もう、わかりました。いいです。」
イヴァンは諦めて、自分のベッドに腰かけた。
ついこの間までひとりで部屋を満喫していたが、同室になったとたん、溜まり場になってしまった。
それもこれも、同室になったサークが異様に人を惹き付け、寄せ付けてしまうせいだ。
そう言う自分も、もしかしたら惹き付けられた一人なのかもしれないが…。
イヴァンの苦悩などどこ吹く風、男どもは好き勝手にしている。
「……さりげなく足を掴むな!変態っ!!」
「蹴ってくるお前が悪い。」
「ちょっと、そこ!イチャイチャしないでくれる?俺、サムが妊娠中でお預け食らってて辛いんだから……。」
「いや!そう言うリアルな話、すんじゃねぇよ!!」
「何が辛いって!あの俺のおっぱいが!俺だけのものじゃなくなっちゃうって事だよ!!赤ちゃん嬉しいけど!!俺のおっぱいがっ!!」
「話を聞けよ!ライル!やめろっ!!」
「つか、ライルさんて何気におっぱい星人ですよね。」
「おっぱいは正義だ。」
「何なんだよ!お前ら羞恥心がないのか!?」
「ガスパーって悪ぶってる癖にこういう話に弱いよな~。」
「悪ぶってるのは、純情なのを隠すためですよ、サークさん。」
「やめろ!イヴァンっ!!そんなんじゃねぇっ!!」
「はい、俺、ジョーカー含みのキングとクイーンのツーペアね!」
「げっ!!嘘だろ!?」
「ガスパーの役は?……ジャックのワンペアか~。諦めるしかないな。」
「は~い。続けるなら掛け金出して~。」
男子部屋はまさにカオスである。
皆が皆、好き勝手にしている。
イヴァンも感覚がおかしくなってきたのか、だんだん楽しくなり馴染んでしまった。
男などしょせんそんなものだ。
「くっそっ!!」
「代われ、ガスパー。」
「おい!てめえ!写真欲しがってんじゃねぇっ!!お前、シルクにプロポーズした癖に、訳わかんねぇ事すんなっ!!」
「え……とうとうプロポーズまでいったんですか……。うわ~、聞きたくなかった……。」
「安心しろイヴァン。断ったから、あいつ。」
「え!?隊長、フラれたんですか!?」
「結婚という形にこだわらない事になっただけだ。お互いが一番いい形で一緒にいる事にしただけで、別れた訳じゃない。……いいからカード配れ。ライル。」
「おい!さらっと始めんなっ!!」
「ライルさん写真見せて下さいよ。」
「まだ届いてないよ。」
「なら届いたら見せて下さいね。」
「おい!サーク!もう面倒だから着物着てこいよ!!」
「何でてめえの命令聞かないといけないんだよ?ガスパー?後、俺のベッドに座るな。イヴァンの方にいけ!……つかさ~、俺、ウィルに着せてみたんだよね~着物~。義父さんがウィル用にってくれたのがあってさ~。」
「うっわ~サーク、絶対、エロ目的だろ……。」
「そりゃね?……可愛かった~。」
「サークさん、その写真はありますか?」
「イヴァン……てめえ……ウィルを色目で見るなら、全裸にして中庭に吊るすぞ?」
「フルハウス。」
「え!?待って!隊長っ!!」
「うわ~、隊長がサークさんの写真ゲットですか~。泥沼だな~。」
「ライルが賭けとか言い出すからだろ!」
「お前らうるせぇよ!!つか!ライルさん!こいつに写真渡さないで下さいよ!」
「勝負は勝負だろ?」
「あはは!サーク!諦めろ!」
「やめて下さいよ!何に使われるかわからん!!」
皆、やりたい放題である。
だが、この無秩序なバカらしさが無性に楽しいのだ。
ライルはガスパーにもう一勝負持ちかけられ、カードを切り始める。
イヴァンはムキになるガスパーが面白くて、からかいながらそれを見ている。
サークはまた勝手にベッドに座ってきたギルと揉め始めた。
「ギル、お前、マジでやめろ!」
「なら、他のものをよこせ。そしたら写真は諦める。」
「何だよ!?」
「そうだな……勝者にキスは定番だよな?」
「ぜってーしねぇ……っ!!」
「なら……ハグさせろ。」
「はぁ!?嫌だねっ!!」
「こんなに譲歩したのにか?」
「いいじゃん、サーク、ハグぐらい。」
「いやでも、危機しか感じません。」
「ほら、こい。」
「うわっ!!怖っ!!」
両手を広げられ、ベッドの上と言うこともあり、サークは立ち上がって逃げ出した。
そしてイヴァンの後ろに隠れる。
イヴァンがそれをにっこりと笑った。
「シルクさんは取られましたけど、サークさんは隊長より僕の方がいいそうです。」
「いや、そこまで言ってないだろ。」
「なら隊長のところに行きますか?」
「嫌だよっ!!」
ギルの方に押されそうになり、サークはイヴァンにしがみついた。
イヴァンは面白がって、そんなサークにハグをした。
イラッとしたサークは、即座に顎目掛けてアッパーを打ち込む。
寸でのところでイヴァンがそれを避けた。
拳を避けられてサークはがしがしと頭を掻いた。
「あ~もう!どいつもこいつも!!俺は論文を読みたいんだよ!邪魔すんなら出てけ!!」
「いや、ここは僕の部屋でもありますし。」
「もういい!俺、ウィルのとこ行ってくるっ!!」
「あらら、いってらっしゃい~。」
論文を片手に、サークはそう言って出ていってしまった。
男どもはポカンとそれを見送る。
イヴァンがぼそりと言った。
「……というか、あの女子部屋に躊躇なく行けるサークさんて勇者ですよね~。」
「ここにも躊躇しない人がもう一人いるけど。」
「さすがにウィリアムがいる時は躊躇ぐらいする。」
サークがいなくなってしまうと、なんとなく会話が途切れる。
居辛い訳ではないが、何か微妙な空気が流れた。
その中でギルが言った。
「……この面子が揃っているならちょうどいい……。あいつの事で少し話しておきたい。」
その言葉に、誰も目を合わさなかった。
それぞれ思うところがあったからだ。
しばらくの沈黙が続く。
「なら、俺からいいか?」
ガスパーがカードを放り投げて言った。
全員がその言葉に顔を向ける。
「警戒しておくに越した事はねぇよ。アイツみたいなのは、絶対、叩かれる。」
「同感。サークはさ、あのままでいて欲しいよね。」
「実際どうなんですか?何か動きは?」
「今のところは何も掴んでない。」
「……いや、燻ってはいる。だから一度口火を切ったら止まらねぇと思うぞ。あることないこと、な。」
その場にいた全員が顔を見合わせた。
考えていることはだいたい同じだった。
良くも悪くもターニングポイントを迎え、彼らは新しいステージに立たされていた。
王宮勤務から帰った来たイヴァンは、部屋に入るなり言った。
部屋の中の光景に唖然としてしまったらだ。
完全に顔が引きつっている。
「……だって、俺、結婚して独身寮出たから部屋ないし。」
それに対し、飄々ととライルがそう返す。
一緒にテーブルセットに座ってポーカーをしているガスパーが、冷めた表情で眼鏡を上げながら言った。
「いいだろ?減るもんじゃねぇんだし。」
「何でガスパーまでいるんだ…?」
「…………。勝ったらサークの着物の写真くれるってライルが言うから……。」
途端に顔を赤らめる幼馴染みにため息をつく。
こいつもヤバいとこまできてるな。
イヴァンは額を押さえた。
「あ~はいはい。……て言うか、僕もそれ、見たいです。」
「何?勝負する?」
「見れればいいんで。」
「お前ら、人の写真を賭けに使うな!」
もう一人の部屋の主が、苛立たしそうに声をあげた。
いや、あなたがかなりの原因なんですよ?
その上、着物を着たとか。
もう少し自覚を持ってもらいたいものだ。
「……勝てばくれるのか?ライル?」
「おっと!ダークホース登場~。」
それまで黙っていたギルが口を開いた。
ライルがゲラゲラ笑う。
ベッドに寝っころがって、ノルの論文を読み返していたサークは、勝手に自分のベッドに座り込んでいるギルを蹴飛ばした。
「てめえは欲しがんじゃねーよ!つか!勝手に人のベッドに座んな!危機を感じるわっ!!」
「……それは振りか?サーク?」
「振りじゃねぇよ!!あっちいけ!!」
「遠慮するな。お前がいいなら……。」
「ぶっ殺すぞっ!!変態っ!!」
「だから!何でここに溜まってるんですかっ!!皆でっ!!」
思わず流されそうになり、イヴァンは声を荒げて叫んだ。
イヴァンが言いたいのはそこだ。
何故、仕事終わりに寮のこの部屋に、男どもは集まっているのか!?
何故、全員、あまり気にせず好き勝手に寛いでいるのか!?
一瞬の沈黙の後、口々に言う。
「知らねぇよ。ライルさん以外は勝手に付いてきたんだし。」
「だから、寮に部屋がなくなったからさ~。」
「階段上がって直ぐだしな。」
「別にいいだろ?泊まる訳じゃねぇんだし。」
全く気にしていない。
いい大人が男子学生のようにだらだらとより集まっているこの状況を、誰一人、全く気にしていない。
「………もう、わかりました。いいです。」
イヴァンは諦めて、自分のベッドに腰かけた。
ついこの間までひとりで部屋を満喫していたが、同室になったとたん、溜まり場になってしまった。
それもこれも、同室になったサークが異様に人を惹き付け、寄せ付けてしまうせいだ。
そう言う自分も、もしかしたら惹き付けられた一人なのかもしれないが…。
イヴァンの苦悩などどこ吹く風、男どもは好き勝手にしている。
「……さりげなく足を掴むな!変態っ!!」
「蹴ってくるお前が悪い。」
「ちょっと、そこ!イチャイチャしないでくれる?俺、サムが妊娠中でお預け食らってて辛いんだから……。」
「いや!そう言うリアルな話、すんじゃねぇよ!!」
「何が辛いって!あの俺のおっぱいが!俺だけのものじゃなくなっちゃうって事だよ!!赤ちゃん嬉しいけど!!俺のおっぱいがっ!!」
「話を聞けよ!ライル!やめろっ!!」
「つか、ライルさんて何気におっぱい星人ですよね。」
「おっぱいは正義だ。」
「何なんだよ!お前ら羞恥心がないのか!?」
「ガスパーって悪ぶってる癖にこういう話に弱いよな~。」
「悪ぶってるのは、純情なのを隠すためですよ、サークさん。」
「やめろ!イヴァンっ!!そんなんじゃねぇっ!!」
「はい、俺、ジョーカー含みのキングとクイーンのツーペアね!」
「げっ!!嘘だろ!?」
「ガスパーの役は?……ジャックのワンペアか~。諦めるしかないな。」
「は~い。続けるなら掛け金出して~。」
男子部屋はまさにカオスである。
皆が皆、好き勝手にしている。
イヴァンも感覚がおかしくなってきたのか、だんだん楽しくなり馴染んでしまった。
男などしょせんそんなものだ。
「くっそっ!!」
「代われ、ガスパー。」
「おい!てめえ!写真欲しがってんじゃねぇっ!!お前、シルクにプロポーズした癖に、訳わかんねぇ事すんなっ!!」
「え……とうとうプロポーズまでいったんですか……。うわ~、聞きたくなかった……。」
「安心しろイヴァン。断ったから、あいつ。」
「え!?隊長、フラれたんですか!?」
「結婚という形にこだわらない事になっただけだ。お互いが一番いい形で一緒にいる事にしただけで、別れた訳じゃない。……いいからカード配れ。ライル。」
「おい!さらっと始めんなっ!!」
「ライルさん写真見せて下さいよ。」
「まだ届いてないよ。」
「なら届いたら見せて下さいね。」
「おい!サーク!もう面倒だから着物着てこいよ!!」
「何でてめえの命令聞かないといけないんだよ?ガスパー?後、俺のベッドに座るな。イヴァンの方にいけ!……つかさ~、俺、ウィルに着せてみたんだよね~着物~。義父さんがウィル用にってくれたのがあってさ~。」
「うっわ~サーク、絶対、エロ目的だろ……。」
「そりゃね?……可愛かった~。」
「サークさん、その写真はありますか?」
「イヴァン……てめえ……ウィルを色目で見るなら、全裸にして中庭に吊るすぞ?」
「フルハウス。」
「え!?待って!隊長っ!!」
「うわ~、隊長がサークさんの写真ゲットですか~。泥沼だな~。」
「ライルが賭けとか言い出すからだろ!」
「お前らうるせぇよ!!つか!ライルさん!こいつに写真渡さないで下さいよ!」
「勝負は勝負だろ?」
「あはは!サーク!諦めろ!」
「やめて下さいよ!何に使われるかわからん!!」
皆、やりたい放題である。
だが、この無秩序なバカらしさが無性に楽しいのだ。
ライルはガスパーにもう一勝負持ちかけられ、カードを切り始める。
イヴァンはムキになるガスパーが面白くて、からかいながらそれを見ている。
サークはまた勝手にベッドに座ってきたギルと揉め始めた。
「ギル、お前、マジでやめろ!」
「なら、他のものをよこせ。そしたら写真は諦める。」
「何だよ!?」
「そうだな……勝者にキスは定番だよな?」
「ぜってーしねぇ……っ!!」
「なら……ハグさせろ。」
「はぁ!?嫌だねっ!!」
「こんなに譲歩したのにか?」
「いいじゃん、サーク、ハグぐらい。」
「いやでも、危機しか感じません。」
「ほら、こい。」
「うわっ!!怖っ!!」
両手を広げられ、ベッドの上と言うこともあり、サークは立ち上がって逃げ出した。
そしてイヴァンの後ろに隠れる。
イヴァンがそれをにっこりと笑った。
「シルクさんは取られましたけど、サークさんは隊長より僕の方がいいそうです。」
「いや、そこまで言ってないだろ。」
「なら隊長のところに行きますか?」
「嫌だよっ!!」
ギルの方に押されそうになり、サークはイヴァンにしがみついた。
イヴァンは面白がって、そんなサークにハグをした。
イラッとしたサークは、即座に顎目掛けてアッパーを打ち込む。
寸でのところでイヴァンがそれを避けた。
拳を避けられてサークはがしがしと頭を掻いた。
「あ~もう!どいつもこいつも!!俺は論文を読みたいんだよ!邪魔すんなら出てけ!!」
「いや、ここは僕の部屋でもありますし。」
「もういい!俺、ウィルのとこ行ってくるっ!!」
「あらら、いってらっしゃい~。」
論文を片手に、サークはそう言って出ていってしまった。
男どもはポカンとそれを見送る。
イヴァンがぼそりと言った。
「……というか、あの女子部屋に躊躇なく行けるサークさんて勇者ですよね~。」
「ここにも躊躇しない人がもう一人いるけど。」
「さすがにウィリアムがいる時は躊躇ぐらいする。」
サークがいなくなってしまうと、なんとなく会話が途切れる。
居辛い訳ではないが、何か微妙な空気が流れた。
その中でギルが言った。
「……この面子が揃っているならちょうどいい……。あいつの事で少し話しておきたい。」
その言葉に、誰も目を合わさなかった。
それぞれ思うところがあったからだ。
しばらくの沈黙が続く。
「なら、俺からいいか?」
ガスパーがカードを放り投げて言った。
全員がその言葉に顔を向ける。
「警戒しておくに越した事はねぇよ。アイツみたいなのは、絶対、叩かれる。」
「同感。サークはさ、あのままでいて欲しいよね。」
「実際どうなんですか?何か動きは?」
「今のところは何も掴んでない。」
「……いや、燻ってはいる。だから一度口火を切ったら止まらねぇと思うぞ。あることないこと、な。」
その場にいた全員が顔を見合わせた。
考えていることはだいたい同じだった。
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なかなか思うように進みませんが、年始に向けて頑張って作業したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!
ありがとうございました!
【さんろくきゅー様】
ご感想ありがとうございます。放置してばかりですみません…。「欠片の軌跡」を気に入って頂けてとても嬉しいです。今月中には形を整え、新たに頑張っていこうと思います!ありがとうございました!
【さんろくきゅー様】
コメントありがとうございます。
ガスパーはシルクよりウィルより先にサークと絡んでたのに素直じゃないので……。しかもサークはシルクの好き好き攻撃でも理解できない鈍感なので、ツンデレの愛情表現なんてわかる訳ないんです。天然無自覚の狡い男ですね。
新しい章に入りましたが少しでもお楽しみ頂けますと幸いです。ありがとうございました!