俺の知らなかった世界113話続きから

暁エネル

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時が過ぎて・・・

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渚の子供が2人に増えた

長女あすかと長男幸(こう)

そのおかげで藤堂家は賑やかになっていた

にぎやかになったのはいい事なんだが

困った事も起きていた

渚の子供達に毎朝 俺と龍は起こされていた

ドタバタと廊下を走って来る音

フスマをおもいっきり開ける音


(今日も来たのかよ・・・)


「龍と真彦起きて朝だよ」

そう言って渚の子供達は部屋へと入って来た

「龍 何とかならねぇ~のかよこれ~」

俺と龍の布団の上ではしゃぐ渚の子供達

「どうにもならねぇ~なぁ~ わかった起きるから・・・」

龍はあきれた様子でそう言った

「また裸だ・・・」

上の子あすかがそう言った

下の子幸は無口で どことなく忍に似ていた

そう言ってドタバタと廊下を駆け出し消えて行った

俺と龍はいつもこんな調子で

あの小悪魔2人にたたき起こされていた

俺と龍は起き上がり

龍は目をこすっていた

俺はそんな龍を抱き寄せていた

「龍 酷いよ・・・ 俺と龍の幸せな目覚めを あの小悪魔はいつもいつも・・・」

「怒るだけムダだぞ・・・」

「わかってる わかってけど・・・ でも昨日の夜のヨインってあるじゃん・・・」

俺は大きくため息をついた

「真彦 起きるぞ」

「龍 待った」

俺は龍が立ち上がるその手を掴み引き寄せ

龍のくちびるに触れ舌を絡ませた


(もう少し龍と・・・)


「真彦」

「せめてこれくらいはいいだろう・・・」


(本当はもう少し龍を触っていたいけど あんまり遅いとまたあの小悪魔がやって来る)




俺と龍は着替えをすませダイニングテーブルへ

相澤さんも今日は珍しく席に座っていた

「相澤さん おはようございます」

「おはよう真彦君 龍もおはよう」

「今日は遅いのか?」

「うん 今日はゆっくり・・・」

渚が朝ご飯を用意してくれた

「ねぇ~龍 もういいんじゃない?」

「何が?」

「忍をここへ呼んでも・・・」

渚は朝ご飯を置きながらそう言った

「あぁ~ 俺もそれは考えてた・・・」

「私の子供達あすかと幸にも会わせたいし・・・」

「忍って誰?」

あすかが不思議そうな顔でそう言った

「龍とママの弟 あすかと幸のおじさん」

「おじさん?」

「そうだよ とっても優しい忍だからあすかも幸も忍が来たら たくさん優しく面倒を見てくれるかなぁ~?」

相澤さんはあすかと幸の顔を見てそう言った

「あすか 忍が来たらいっぱい遊んであげる」

「ありがとうあすか 幸もいいかなぁ~?」

幸は相澤さんにうなづいていた




相澤さんが警察官という事もあり

ずいぶんと周りの人の意識が変わり

俺と龍も積極的に周りの人達に貢献した姿勢が実を結び

行政からの支援もあり老若男女が藤堂家にやって来て

話をしたりお茶を飲んだり 困ってる事を話し合ったり

大きな門は閉じる事がなく

いつでも誰でも来られる様になっていた




龍が弟忍に電話をかけた

「忍か? 会社は休みなんだろう ・・・ じゃ~明日帰って来い 何か用事があるのか? だったら帰って来い待ってるからなぁ~」

電話はすぐに切れた

「龍 もっと優しく言ってやれよ・・・」

「忍の驚く顔が見たいだろう・・・」

「龍も意地悪だなぁ~」


(そんな龍も俺は好きなんだけどなぁ~)


「それにしても忍はスゲーよなぁ~ あの大企業のアヅミナだもんなぁ~」

「忍も成長してるんだよ」

「なんか俺さみしいよ」

「何でだよ」

「だって俺は小さくてカワイイ忍のイメージがあるじゃん」

「真彦は忍を見て一番びっくりするかもなぁ~ 忍はこの家の変わり様にびっくりするんだ・・・」

龍は嬉しそうにそう言った





忍を驚かす為に若い衆を集めて並ばせた

珍しく門を閉め 忍が来るのを待っていた


(そこまでするかよ・・・ よっぽど忍に驚いてほしいんだなぁ~)


龍のする事がいちいちかわいくて

見てて飽きなかった

「それじゃ~俺は着替えて来る」

「えっ 何で・・・」

「その方がもっとおもしろいだろう・・・」

龍はいたずらっ子な顔をしていた


(龍はとことん忍に驚いてほしいんだ・・・ 俺は普通にしていよう それにしても忍はどれくらい大きくなってるのかスゲー楽しみだ・・・)





俺は久しぶりに門のチャイムを聞いた

いつも大きな門は開いていて

誰が来てもいい様になっている為

大きな門のチャイムは鳴った事がなかった

若い衆が並び忍を出迎えていた

忍の大きくなった姿に俺は感動していた


(あんなに小さかった忍がこんなに大きくなって帰って来た・・・)


「真さん」

忍の声を聞き俺は我に返った

「忍 久しぶり元気だったか? 龍が待ってる」

俺は龍の居る部屋へと忍を案内した

龍は和服姿で部屋の奥へと座っていた


(スゲーいい龍カッコイイ・・・)


俺が龍に見とれていると

ドタバタと足音が聞こえていた

あすかと幸が部屋へとやって来て

忍の両隣にちょこんと座った

忍は訳がわからず両隣に座っている

あすかと幸を交互に見ていた

そこへ渚も合流していた

龍が忍をおじいちゃんとおばあさんの所へ連れて行けと

あすかと幸に言った 忍は訳もわからず

あすかと幸に連れ出されて行った

「子供達も行ったし私は料理作ってる」

渚は振り返ってそう言った

「あぁ~渚 俺もあとで手伝うよ」

「ありがとう 真彦」

そう言って渚は行ってしまった

にぎやかだった部屋は俺と龍の2人だけになった

龍はゆっくりと立ち上がった

「真彦 忍の顔見たかスゲー驚いてたなぁ~ きっと渚の旦那が誰なのかもわかってねぇ~よなぁ~」

龍はそう言って嬉しそうに笑っていた

俺はそんな龍に近づいて行った

「龍 ずっとその和服姿で居るの?」


(あぁ~龍の和服姿が凄くいい このまま俺が脱がせたい・・・)


「まさか もう着替えるよ 動きずらいし忍の驚いた顔を見れたからいいだろう・・・」

「それじゃ~ 俺が脱がせてもいい?」

俺はそう言いながら龍のくちびるを重ねた


(真彦 何するんだ・・・)


俺はゆっくりと龍からくちびるを離した

「龍 スゲーカッコ良かったよ」

「真彦 昼間っからやめろよ」

「だって龍がスゲーエロだったから・・・」

「何言ってんだ真彦 そう思ってんのは真彦だけだぞ・・・」

俺はまた龍のくちびるを重ねた舌を絡ませた


(真彦それ以上はヤバい・・・)


俺は真彦が離れると真彦から一歩下がった

「真彦 いい加減にしろよ・・・」


(やっぱダメかぁ~)


「わかった じゃ~続きは夜に・・・」

俺はそう言って部屋を出た

真彦が部屋から出て行くと

俺は膝から崩れ落ちていた


(真彦のバカ何をしてくれてんだよ・・・ 着物でバレなくて良かった 早くおさまってくれ・・・)


真彦のキスのセイで俺の身体が反応していた


(何でいつもこうなる 真彦に触られると俺は・・・)





忍はすぐに帰るつもりで藤堂家に来たらしく

俺とあすかと幸は忍を連れて

忍のお泊りに必要な物を買いに行った

あすかと幸はすっかり忍と仲良くなり

買い物中も忍から離れる事はなかった

みんなでご飯を食べていると相澤さんが帰って来て

忍はびっくりしていた

相澤さんも風呂嫌いな幸を

忍が入れた事に驚いてた

昔の話をみんなでした

龍も渚も当時の事を忍に謝っていた

忍が藤堂家に来た事で

龍は優しい顔を見せていた




俺と龍は部屋へ

「龍」

「ううん?」

「忍に気になる人が居るって・・・」

「そりゃ~居るだろう・・・」

俺は息を切らしている龍を抱き寄せていた

「忍は優しいから 変な女に騙されそうで俺は怖いよ・・・」

「忍の問題だろう・・・」

「そうだけど・・・」

「相手は男かもしれねぇ~よ」

俺は龍の言葉にドキッとなった


(まさかなぁ~ 俺と龍がそうだからって忍が・・・ ねぇ~よなぁ~それはねぇ~よ)


俺は頭の中で否定していた

「龍は何とも思わねぇ~の?」

「真彦 めずらしいなぁ~」

「何が?」

龍は俺の方を向いた

「この状況で他の男の話をする事がだ・・・」


(確かに俺が逆の立場だったらスゲー嫌だ でも弟の話だぞ?)


俺は龍を抱きしめくるりと龍の上に乗った

「龍 それはヤキモチ?」

「違う」

龍の言葉をさえぎって龍の舌を絡ませた


次の日忍は帰って行った




年が明け

忍が気になる人を連れて来ると連絡があった


(つづく)

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