俺の知らなかった世界113話続きから

暁エネル

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正月

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年の瀬に忍から連絡が来た

正月に気になる人を連れて行くと

俺は1人そわそわしていた

「真彦 落ち着けよ・・・」

「だって忍が・・・」

龍は俺を見てあきれていた


(どんなヤツだよ・・・ 男でも女でも俺は多分気に入らないんだろうなぁ~ それにしても龍と渚は何であんなに落ち着いて居られるんだよ 弟がもしかするととんでもない人を連れて来るかもしれねぇ~のに・・・)


(しょうがねぇ~なぁ~真彦を落ち着かせるか・・・)


俺は真彦の顔を両手で押さえ俺の方へと向けた

「真彦 落ち着け・・・」

「龍がキスしてくれたら落ち着くと思う」


(そう言っても龍はしてくれねぇ~よなぁ~)


俺がそう思っていると龍の顔がだんだん近づいて来た


(マジか いいんだよなぁ~)


俺はゆっくりと真彦の顔に近づいた

真彦の両手が俺をギュっと抱きしめていた


(待って真彦俺のペースで・・・)


俺が思うが先に真彦の舌が流れ込んできた


(龍が俺の為に・・・)


俺は嬉しくなって龍の舌を絡ませた


(真彦もうやめろ・・・)


真彦は俺の舌をグイグイ絡ませていた

俺は龍を抱きしめたままゆっくりとくちびるを離した

龍は息を切らしながら俺を見ていた

「龍 スゲーカワイイ・・・」

「バカ 今それ関係ねぇ~だろう・・・」

俺は龍をギュっとまた抱きしめていた




忍が何時に来てもいい様に

俺と渚は料理の準備を終えていた


(あとは温めて運ぶだけだ・・・)


俺と龍は和服姿に着替えて忍を待っていた


(やっぱ龍は和服姿が良く似合うよなぁ~)


俺はそう思いながら龍を見ていた

渚の子供達の声で忍が来た事はすぐにわかった

「龍 忍が来たみたいだ」

「そうだなぁ~」

龍は部屋の奥へと座った

俺は龍と離れて座っていた


(どんなヤツだよ 忍の気になる人って・・・)


「兄さん 入るよ」

忍の声に俺は龍に視線を向けた

忍と一緒に部屋へと入って来たヤツは男だった


(マジか・・・ 俺と同じくらいタッパがある・・・)


「兄さん 新年あけましておめでとうございます」

忍と男は龍の前に座り丁寧に頭を下げた

「あぁ~おめでとう 隣に居るのは誰だ」


(龍怖いよその言い方 もしかして龍はわざとそんな言い方をしたのか?)


「龍 そんな言い方したら恐縮するだろう なぁ~?」

俺がそう言うと忍と男は俺の方を向いた

「真さん 新年あけましておめでとうございます」

忍と男は俺にも丁寧に頭を下げていた

「もう挨拶が終わったからいいだろう・・・」

俺はそう言って龍の隣へと座った

「兄さん真さん こちら江口拓巳君です」

「江口拓巳です」

そう言って俺と龍に頭を下げていた

「拓巳君 僕の兄さんの龍と真さん 真さんは僕が小さな頃よく遊んでくれたんだよ」

「忍は可愛かったからなぁ~」


(こんな大きな男を忍が連れて来るとは思わばかった 女を連れて来ても俺はそう思うんだろうけどなぁ~ 忍がスーツを着てる 何か新鮮だなぁ~)


忍と拓巳は俺と龍にうながされ

ハナレに居る両親に挨拶をしに行く為に部屋を出て行った




俺は龍の顔を覗き込んでいた

「龍?」

「驚いた 忍が男を連れて来るとはなぁ~」

「えっ 龍驚いてたの?」


(ぜんぜんそんな風に見えなかったけど・・・ 龍も驚いてたんだ・・・)


「真彦と同じくらいか? 大きかったなぁ~」

「そうかもね でもまだ話はしてないけどいい子そうだよ」

「そりゃ~ 忍が選んだヤツだからなぁ~」

「若いよなぁ~?」

「あぁ~多分忍よりも若いだろうなぁ~」

「やっぱそうだよなぁ~ 年下かよ忍・・・」

俺は龍の言葉に納得していた

「龍はどう思った?」

「忍の選んだヤツに文句はねぇ~ ねぇ~けどだ 忍を泣かせる様な事があったから・・・」

「あったから俺だって 黙ってねぇ~よ」

俺はつい龍よりも力が入ってしまった

「まぁ~ 様子みだなぁ~」

「龍はちょっと怖いイメージを作ったの?」

「初めが肝心だからなぁ~ 脅しの意味を込めて言ってみた・・・」

「拓巳って言ったっけ かなりビビってたんじゃねぇ~の? 和服姿で言われたら誰だってビビるだろう ましてや忍もここの家の事は話てあるんだろうし・・・」

「いいんだよ 俺はどう思われても むしろ怖いイメージの方がいいじゃねぇ~の?」

「まぁ~俺は変わらず どんな龍でも龍の味方だけどなぁ~」

「くだらねぇ~事言ってねぇ~で行くぞ」

そう言って龍は立ち上がった


(龍は照れてるのか? 顔を見たいけど本気で怒られそうだから ここはおとなしくしてるかなぁ~)


俺と龍はダイニングテーブルへと向かった





ダイニングテーブルに着くと

すでに忍と拓巳が席に座っていた


(もう挨拶はすんだのか? 何事もなかった見たいだなぁ~)


「龍 遅い少しは手伝え」

渚がキッチンで忙しそうに動いていた

「これ持って 真彦も手伝って・・・」

俺と龍は渚に言われるがまま料理を運んでいた

「みんな揃ったわね お父さんお願い・・・」

渚の指示で相沢さんが立ち上がった

「それでは僭越ながら お正月みんなが顔を合わせる事が出来て幸せに思います また拓巳君と言う青年も加わりましたそれではみんなであけましておめでとうございます 乾杯」

グラスをみんなで合わせていた

「さぁ~ お腹いっぱい食べてよ・・・」

渚の威勢のいい声でみんなが食べ始めた

俺と龍は和服姿の袖をまくりおせち料理に手を伸ばした

「龍 取ろうか? 何がいい?」

「適当に頼む・・・」

「うん わかった」

俺は手を伸ばし小皿に盛り付けた

すると渚の大きな声に驚いた

「21 忍犯罪だよそれ・・・」

そう言った渚は相沢さんに怒られていた


(21なのかぁ~ 若いよなぁ~そりゃ~)


あすかと幸はダイニングテーブルから離れテレビを見始めた

忍があすかと幸に誘われリビングへ

そのタイミングで龍と渚が拓巳の隣に座った


(こういう所は本当に兄妹なんだよなぁ~ 息ぴったり・・・)


俺はそう思いながら俺の隣から離れた龍を見ていた

忍はこの家の事は話をせず拓巳を連れて来た事

忍とのナレソメを根掘り葉掘り4人の大人に聞かれるも

拓巳は隠す事なくスラスラと答えていた


(忍が気になるのか? 視線を良く忍に向けてる 拓巳から忍に初めて声を掛けたのか まぁ~そんな感じはするよなぁ~ 男同士いろいろあるよなぁ~ 俺と龍だって・・・ 拓巳はスゲー忍の事が好きなのか? 忍と付き合ってるんだよなぁ~?)


ひと通り拓巳から話を聞き渚が立ち上がった

「そろそろ子供達が飽きてくるから・・・」

そう言って忍のいるリビングへ

どうやら子供達を連れて散歩に行くらしく

あすかと幸は忍と手をつなぎ拓巳と一緒に玄関へ

そのタイミングで世話係さんがダイニングテーブルへ

「若 ご近所の方々が挨拶にいらっしゃいました」

「わかった」

そう言って龍と相沢さんが立ち上がって行ってしまった

「これでここも片付くわね・・・」

そう言って俺と渚はダイニングテーブルを片付けた

「じゃ~俺は着替えてくる」

「あぁ~真彦」

「ううん?」

渚に呼び止められた

「拓巳をどう思う?」

「いい子なんじゃねぇ~」

「それは渚も思うけど・・・」

「忍を泣かせる様な事があったから許さねぇ~ って龍にも言った・・・」

「忍がまさか男を連れて来るとはねぇ~」

「渚が言ったんだろう 俺と龍を見て偏見はねぇ~って・・・」

「言ったんだけどさぁ~」

「渚の言葉が忍の背中を押したんじゃねぇ~の?」

「やっぱあの2人は付き合ってるんだよね?」

「そうだろう? じゃなきゃ忍が連れて来ねぇ~だろう・・・」

俺はそう言って部屋へと戻った



忍と拓巳 あすかと幸がお散歩から戻り

忍と拓巳が泊まる事になり

渚に言われ相沢さんが拓巳に洋服を

忍は龍にそれぞれ洋服を借りる事になった

俺と渚は夕飯の支度をしにキッチンへ

「拓巳は若いからたくさん食べるわよねぇ~」

「肉だなぁ~取りあえず・・・」

「サラダもたくさん用意して・・・」

広いキッチンを俺と渚の作った物で次々と埋まっていった

またみんなが徐々に集まり夕飯を食べた

夕飯を食べ終わる頃 幸に眠気が襲い

忍と拓巳はあすかと幸をお風呂へ

忍と拓巳は早々にダイニングテーブルを出て行った

龍はご近所さんがいつ挨拶に来るかわからない為和服姿のままだった


(これは今日俺が龍の和服姿を脱がせるんじゃねぇ~?)


そんな期待をしつつ俺は夕飯を食べていた

「龍 渚も今日は早く寝るからあとお願いね」

「あぁ~わかった」

「真彦はキッチンね」

「いいよ 明日の下ごしらえはしておく」

「いつも感謝してる真彦・・・」

「それじゃ~ 龍真彦君私達は先に休ませてもらうよ」

そう言って渚は相沢さんと一緒に行ってしまった


(つづく)


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