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8話
徐々に人々の日常が戻りつつある王都の街では、ルナ王妃が私財を投じて建てた学校が、民衆の間で話題になっていた。
学校に通えば読み書きや算術も学べ、その上、帰りには家族分のパンまで貰える。
そしてここで学んだ者達は、今や職業選択の自由までもを勝ち取ることができているのだ。
多くの民衆は、ルナ王妃に対して感謝の念が尽きなかった。
そしてそれとは裏腹に、亡き国王の跡を継いだ現国王であるオリバーの評判は散々たるものだった。
今現在、衰退してしまったこの国を復興させるため、奔走している宰相率いる王妃派に対し、公妾の言いなりになり、己の保身だけに走る愚王と位置づけられている
そんな国王から、王命で大臣の地位を手に入れたテーラー伯爵こと大臣率いる国王派は、誰から見ても圧倒的に不利な立場にあった。
よって、大臣は焦っていた。
このままではただのお飾りの大臣でしかなくなってしまうと。
そこで大臣は良からぬ事を企んだ。
高位貴族には相手にされないので、疫病により財政難に陥っている低位貴族に金をばら撒き、数の力とばかりに味方にしていった。
そしてその金の出所は国王つまりは国民の血税だ。
国政を先王と王妃に丸投げにし、ろくに学ぼうとしてこなかったオリバー国王を御するのは、
大臣にとっては簡単なことだった。
言葉巧みにオリバー国王を操り、金と民衆の心を掴むため、国王をまるで駒のように動かそうとしていた。
そうまでして民衆を意識するのは、疫病により疲弊したこの国が以前は、議会の優勢が上院(貴族院)と国王だったのに対し、
今では下院(庶民院)は無視できない程の力を持っていたからだ。
そして大臣は民衆を取り込むため、この国に隣接する三つの国に対して掛けている関税の引き上げを考えていた。
下院は王権を抑制する機能も果たしていたので、税の同意を得るには下院を従えなければならなかった。
他国に対して関税の引き上げを行えば、その税で国が潤い、国民達は高くなった他国の物より自国の物を買い、製造業者や農民達は、自分達が作っている物が売れるようになることで喜ぶ。
そうすれば国民の支持が得られると考えたのだ。
その上、他国が高い関税を支払うくらいなら、我が国に生産拠点を移し、その結果、庶民の雇用も生まれて国民に感謝されると、信じて疑わなかった。
そして大臣は次回開催される議会で国王を使い、下院の賛成を得て、この関税引き上げの案を押し通そうと考えていた。
最悪の場合、王命を使わせる算段だった。
その後、大臣は本来なら上院は出席しない下院に、国王と共に出席して関税引き上げの話しを言葉巧みに語った。
そのため、下院の中には表面上の大臣の話を鵜呑みにしてしまい、大臣に賛同する者も出てきていた。
しかしこの時点ではまだ、大多数を慎重派が締めていたので議会は保留となった。
流石に現時点での王命の発動は
諦めたのだった。
学校に通えば読み書きや算術も学べ、その上、帰りには家族分のパンまで貰える。
そしてここで学んだ者達は、今や職業選択の自由までもを勝ち取ることができているのだ。
多くの民衆は、ルナ王妃に対して感謝の念が尽きなかった。
そしてそれとは裏腹に、亡き国王の跡を継いだ現国王であるオリバーの評判は散々たるものだった。
今現在、衰退してしまったこの国を復興させるため、奔走している宰相率いる王妃派に対し、公妾の言いなりになり、己の保身だけに走る愚王と位置づけられている
そんな国王から、王命で大臣の地位を手に入れたテーラー伯爵こと大臣率いる国王派は、誰から見ても圧倒的に不利な立場にあった。
よって、大臣は焦っていた。
このままではただのお飾りの大臣でしかなくなってしまうと。
そこで大臣は良からぬ事を企んだ。
高位貴族には相手にされないので、疫病により財政難に陥っている低位貴族に金をばら撒き、数の力とばかりに味方にしていった。
そしてその金の出所は国王つまりは国民の血税だ。
国政を先王と王妃に丸投げにし、ろくに学ぼうとしてこなかったオリバー国王を御するのは、
大臣にとっては簡単なことだった。
言葉巧みにオリバー国王を操り、金と民衆の心を掴むため、国王をまるで駒のように動かそうとしていた。
そうまでして民衆を意識するのは、疫病により疲弊したこの国が以前は、議会の優勢が上院(貴族院)と国王だったのに対し、
今では下院(庶民院)は無視できない程の力を持っていたからだ。
そして大臣は民衆を取り込むため、この国に隣接する三つの国に対して掛けている関税の引き上げを考えていた。
下院は王権を抑制する機能も果たしていたので、税の同意を得るには下院を従えなければならなかった。
他国に対して関税の引き上げを行えば、その税で国が潤い、国民達は高くなった他国の物より自国の物を買い、製造業者や農民達は、自分達が作っている物が売れるようになることで喜ぶ。
そうすれば国民の支持が得られると考えたのだ。
その上、他国が高い関税を支払うくらいなら、我が国に生産拠点を移し、その結果、庶民の雇用も生まれて国民に感謝されると、信じて疑わなかった。
そして大臣は次回開催される議会で国王を使い、下院の賛成を得て、この関税引き上げの案を押し通そうと考えていた。
最悪の場合、王命を使わせる算段だった。
その後、大臣は本来なら上院は出席しない下院に、国王と共に出席して関税引き上げの話しを言葉巧みに語った。
そのため、下院の中には表面上の大臣の話を鵜呑みにしてしまい、大臣に賛同する者も出てきていた。
しかしこの時点ではまだ、大多数を慎重派が締めていたので議会は保留となった。
流石に現時点での王命の発動は
諦めたのだった。
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