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9話
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宰相のデイビスは大臣の悪巧みを秘密裏に入手しており、ルナ王妃と三大公爵家の当主、三人と会談を行った。
その中でも筆頭公爵家当主のブラバント公爵は、かなりの切れ者として一目置かれていた。
因みに現在の三大公爵家とは、ルナ王妃の父であるアンダーソン公爵とデイビスの父であるスペンサー公爵を含む三人のことだ。
会談の内容はまず、関税引き上げがもし王命として実施されてしまったらどうなるか、という点だった。
そして、我が国より小国とはいえ隣接する三国は、どの国も経済が安定している平和な国々だ。
軍事力こそ我が国には敵わないとはいえ、三国に同盟を結ばれでもしたら、疫病によって打撃を受けたばかりの我が国では、太刀打ちできるはずがない。
関税引き上げの時期までは、まだ把握できていない状況なので、慎重な話し合いは何度かに分けて続けられた。
そしてそんな中、宰相のデイビスを高く評価したブラバント公爵は、次女娘のエマとの縁談をデイビスの父スペンサー公爵に持ちかけた。
エマの姉であるシャーロットは、母の生まれ故郷である隣国のリンドバーグ王国の第二王子の元に嫁いでいる。
一番下の弟がブラバント公爵家の嫡男だ。
そのためエマは自由奔放に育ち、好奇心も旺盛で、母の国の気質も受け継いだせいかものの考え方も風変わりで、かなり前向きな性格だった。
故に、自国の学院には通わず、母の故郷であるリンドバーグ王国へ三年もの間、留学していて、最近帰国したばかりだった。
デイビスは、父から持ちかけられる縁談を幾度となく躱(かわ)してきたが、今度ばかりはそうもいかない相手であった。
それに宰相補佐として認めてもらう条件として、いずれは婚姻を果たすという約束をしていたのだ。
この状況では無下に断ることなど許されるはずもなく後日、顔合わせをすることになったのだった。
数日後、気乗りがしないままブラバント公爵邸を父と訪ねた。
そこには、黒髪で切れ長の目をした美しい女性が待っていた。
彼女はいきなり話しかける。
「貴方がスペンサー家ご令息のデイビス様ね、私のことはそうーねぇ、エマとでも呼んで下さる? 貴方のことはお父様から聡明な方だとお聞きしてるわ」
あっけらかんと話しかけてきた。
するとブラバント公爵が娘に言う。
「こら、エマ、初めてお会いするんだ、ご挨拶くらいきちんとしなさい」
公爵は、そう注意してから笑いながら話す。
「この通りの性格で済まないね」
ディビスは、そのやりとりが微笑ましく思えた。
「いえ、お気になさらず、返ってそのままの方が好ましいです」
彼も笑顔で返した。
その後、父達は気を利かせたつもりか、ディビスは、エマと二人きりにさせられた。
彼女は、今まで出会った令嬢達とはどこか一線を画していた。
普通の貴族令嬢というよりは、どちらかというと王族のような風格さえ感じた。
どんなことにも動じない、男勝りで前向きな、それでいて相手をよく観察しているような用心深さも感じられた。
本当に不思議なご令嬢だ。
一方、エマはというとやはりデイビスと同様好印象で、寡黙だが人の話しは真剣に聞き、的確な受け答えをしてくれる、話しをしていて飽きないそんな印象だった。
そして二人の会話は一方的にエマが話し、それをデイビスが相槌をうちながら聞いている感じだったが、エマの留学先だったリンドバーグ王国の話しには、デイビスも興味を示していた。
なんだかんだと傍(はた)から見れば仲が良さげな二人だった。
この時エマはデイビスに対し今迄、周囲にいた男性とは違うタイプだったせいもあって興味を惹かれていた。
その中でも筆頭公爵家当主のブラバント公爵は、かなりの切れ者として一目置かれていた。
因みに現在の三大公爵家とは、ルナ王妃の父であるアンダーソン公爵とデイビスの父であるスペンサー公爵を含む三人のことだ。
会談の内容はまず、関税引き上げがもし王命として実施されてしまったらどうなるか、という点だった。
そして、我が国より小国とはいえ隣接する三国は、どの国も経済が安定している平和な国々だ。
軍事力こそ我が国には敵わないとはいえ、三国に同盟を結ばれでもしたら、疫病によって打撃を受けたばかりの我が国では、太刀打ちできるはずがない。
関税引き上げの時期までは、まだ把握できていない状況なので、慎重な話し合いは何度かに分けて続けられた。
そしてそんな中、宰相のデイビスを高く評価したブラバント公爵は、次女娘のエマとの縁談をデイビスの父スペンサー公爵に持ちかけた。
エマの姉であるシャーロットは、母の生まれ故郷である隣国のリンドバーグ王国の第二王子の元に嫁いでいる。
一番下の弟がブラバント公爵家の嫡男だ。
そのためエマは自由奔放に育ち、好奇心も旺盛で、母の国の気質も受け継いだせいかものの考え方も風変わりで、かなり前向きな性格だった。
故に、自国の学院には通わず、母の故郷であるリンドバーグ王国へ三年もの間、留学していて、最近帰国したばかりだった。
デイビスは、父から持ちかけられる縁談を幾度となく躱(かわ)してきたが、今度ばかりはそうもいかない相手であった。
それに宰相補佐として認めてもらう条件として、いずれは婚姻を果たすという約束をしていたのだ。
この状況では無下に断ることなど許されるはずもなく後日、顔合わせをすることになったのだった。
数日後、気乗りがしないままブラバント公爵邸を父と訪ねた。
そこには、黒髪で切れ長の目をした美しい女性が待っていた。
彼女はいきなり話しかける。
「貴方がスペンサー家ご令息のデイビス様ね、私のことはそうーねぇ、エマとでも呼んで下さる? 貴方のことはお父様から聡明な方だとお聞きしてるわ」
あっけらかんと話しかけてきた。
するとブラバント公爵が娘に言う。
「こら、エマ、初めてお会いするんだ、ご挨拶くらいきちんとしなさい」
公爵は、そう注意してから笑いながら話す。
「この通りの性格で済まないね」
ディビスは、そのやりとりが微笑ましく思えた。
「いえ、お気になさらず、返ってそのままの方が好ましいです」
彼も笑顔で返した。
その後、父達は気を利かせたつもりか、ディビスは、エマと二人きりにさせられた。
彼女は、今まで出会った令嬢達とはどこか一線を画していた。
普通の貴族令嬢というよりは、どちらかというと王族のような風格さえ感じた。
どんなことにも動じない、男勝りで前向きな、それでいて相手をよく観察しているような用心深さも感じられた。
本当に不思議なご令嬢だ。
一方、エマはというとやはりデイビスと同様好印象で、寡黙だが人の話しは真剣に聞き、的確な受け答えをしてくれる、話しをしていて飽きないそんな印象だった。
そして二人の会話は一方的にエマが話し、それをデイビスが相槌をうちながら聞いている感じだったが、エマの留学先だったリンドバーグ王国の話しには、デイビスも興味を示していた。
なんだかんだと傍(はた)から見れば仲が良さげな二人だった。
この時エマはデイビスに対し今迄、周囲にいた男性とは違うタイプだったせいもあって興味を惹かれていた。
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