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40話(繋がった心)
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「美優、今日大学が終わったら一緒に食事に付き合ってくれないか?」
「今日は外食ということですか?」
「勿論、そのつもりで聞いているのだが」
「分かりました。では大学が終わり次第、お兄様に連絡すればよいのですね?」
「そうしてくれ」
「マーサー、そういうことだから今夜の食事の支度はしなくていい」
夕方になり、美優から大学が終わったと連絡がきて、大学の前まで迎えに行き、その後、行きつけのブティックで美優に似合いそうな服を買い、そのままその服に着替えさせて目的のレストランへと着いた。すると美優が尋ねてきた。
「お兄様、今日は何か特別な日なのですか?」
「美優、誕生日おめでとう」
私は包装された箱を手渡した。
「え、今日は私の誕生日なのですか?」
「昨年は何だか美優が私を避けていて祝ってやれなかったから、今年は二年分だ」
「ごめんなさい、そうでした。私、あの時お兄様と血の繋がりがないこと記憶になくて…あ、何でもありません」
美優は何か話そうとしたが、途中で話をやめてしまった。しかし、今日はこの穏やかな雰囲気を壊したくなくてそれ以上は追及しなかった。
「美優、箱の中開けてみて」
すると美優は嬉しそうに包装紙を開け、箱の中から私が送ったネックレスを取り出した。すると美優はそれを見て驚いている。
「わー、素敵です! お兄様、これすごく高そうですね」
「二年分だから気にしなくていいよ」
「それでもこれは豪華過ぎて私に似合うでしょうか?」
私がそれを受け取り美優の首につけてあげた。そしてスマホのカメラ機能を逆にして美優に見せた。
「わー、とても綺麗です」
そう言って喜んでくれている。そんな姿を見ているだけでも幸せを感じている自分は『かなり重症だな』と思わず苦笑してしまった。
そうして楽しい食事を終える頃、私は今日の昼間に父から連絡があったことを思い出した。
「そういえば今日の昼過ぎにお父さんから連絡があり、来月お母さんと一緒にこちらに来るそうだ」
「え、来月ですか? 何かあったのでしょうか」
「勿論、美優のことが心配で様子を見に来るんじゃないかな」
「本当にお優しいですね」
「確かにあのお二人はいつだって優しいよ。この私のことを本当の息子のように育ててくれたしな」
そして付け加えるように伝えた。
「美優がこちらに来てからも何度も美優の様子を私に聞いていたんだぞ」
それを聞いた美優は言う。
「何だか心の中が温かく感じます」
その様子は親子の情愛とは違う、不思議な違和感を感じた。やはり記憶が戻らないせいなのかもしれないと思った。
そんな風に考えていたら美優が突然、驚くことを口にした。
「実は私がお兄様と一緒に住む少し前まで、私はお兄様のこと血の繋がった本当の兄だと思っていたんです」
「本当の兄妹だと思っていたということか?」
思わず聞き返してしまった。
「はい、そう思っていたらある日大和さんが血の繋がっていない兄妹だと口にしたので、どういうことか問い詰めてしまったのです」
「記憶をなくしてからの、まだ私が忘れている話を全て大和さんから聞きました。そしてお兄様と血の繋がりがないことを知り、正直嬉しく感じました」
果たしてその言葉を素直に喜んでいいのか? それとも、もっと違う意味があるのか、頭の中で考えていると美優は顔を赤らめて言った。
「私、お兄様を兄としてではなく、好きになっても許されるのだと知りました」
それを聞き私は混乱していた。そして思わず口に出てしまった。
「これは夢ではないのだな?」
すると美優は意外そうな顔で、それでも嬉しそうに聞いてきた。
「お兄様はそんな気持ちを迷惑だとは思われないのですか?」
「そんなはずあるわけない。寧ろこんなことがあるなんて」
私は言葉が詰まってしまうほど驚いていた。そして私は覚悟を決めて話すことにした。
「私は、美優がこちらの国に来てからは一度も妹だと思ったことはなかった。いや、思えなかった」
そう言ってから続けた。
「私は女性として美優を好きになっていた」
すると美優は嬉しそうに、今までのことを素直に話してくれた。
それは、兄妹だと思っていたから許されないと思い、私を遠ざけていたことや香苗への嫉妬心など、包み隠さず全てを。
それを聞いた私は美優を抱きしめたかったが、ここは店の中だと気づき我慢した。
それから私たちは店を出て、歩きながら色々な話をした。私はそっと美優と手を繋いだ。
「ずっとこうして美優と歩きたかった」
そう言うと、今度は美優がその手を解いて私の腕に自分の腕を絡めてきた。
「私もずっとこうしてみたかった」
私はそんな中、今までこれほど満たされ、幸せを感じたことはなかったなと思っていた。
こんな幸せが自分に訪れる日が来るなんて。そんな風に考えながら歩いていると、美優にふと聞かれた。
「お父様とお母様が私たちのことを知ったらどう思われるのでしょう?」
「多分、喜んでくれるはずだよ」
「何故、そんなにはっきりと言い切れるのですか?」
美優に聞かれたので、過去に父から言われたことを話すことにした。
実は私のことを養子にしてから、父は自分の跡を私に継がせると言ってくれたが、私は美優がいるのだから美優に継がせて私が美優の補佐をすると伝えたら、お父さんは『美優と一馬が結婚してくれたら一番いいのにな』と言われたことを告げた。
そしてその時は、私と美優はとても今のような関係ではなく、それこそ本当の兄妹のようだった。それに大和の存在もあったからな、と言った。それを全て聞き終えた美優は
「だったら、来月お父様とお母様に二人のことを話しても問題ないのですね?」
「本当に後悔しないな?」
「後悔だなんて、私はお兄様のことが好きなんですから」
美優は笑顔で言ってくれた。私たちは来月二人で両親に報告することを確認し合った。そんな美優の首には、私が送ったネックレスが輝いていた。私はこの輝きが二人の未来のようで『必ず美優を幸せにする』と心に誓っていた。
「今日は外食ということですか?」
「勿論、そのつもりで聞いているのだが」
「分かりました。では大学が終わり次第、お兄様に連絡すればよいのですね?」
「そうしてくれ」
「マーサー、そういうことだから今夜の食事の支度はしなくていい」
夕方になり、美優から大学が終わったと連絡がきて、大学の前まで迎えに行き、その後、行きつけのブティックで美優に似合いそうな服を買い、そのままその服に着替えさせて目的のレストランへと着いた。すると美優が尋ねてきた。
「お兄様、今日は何か特別な日なのですか?」
「美優、誕生日おめでとう」
私は包装された箱を手渡した。
「え、今日は私の誕生日なのですか?」
「昨年は何だか美優が私を避けていて祝ってやれなかったから、今年は二年分だ」
「ごめんなさい、そうでした。私、あの時お兄様と血の繋がりがないこと記憶になくて…あ、何でもありません」
美優は何か話そうとしたが、途中で話をやめてしまった。しかし、今日はこの穏やかな雰囲気を壊したくなくてそれ以上は追及しなかった。
「美優、箱の中開けてみて」
すると美優は嬉しそうに包装紙を開け、箱の中から私が送ったネックレスを取り出した。すると美優はそれを見て驚いている。
「わー、素敵です! お兄様、これすごく高そうですね」
「二年分だから気にしなくていいよ」
「それでもこれは豪華過ぎて私に似合うでしょうか?」
私がそれを受け取り美優の首につけてあげた。そしてスマホのカメラ機能を逆にして美優に見せた。
「わー、とても綺麗です」
そう言って喜んでくれている。そんな姿を見ているだけでも幸せを感じている自分は『かなり重症だな』と思わず苦笑してしまった。
そうして楽しい食事を終える頃、私は今日の昼間に父から連絡があったことを思い出した。
「そういえば今日の昼過ぎにお父さんから連絡があり、来月お母さんと一緒にこちらに来るそうだ」
「え、来月ですか? 何かあったのでしょうか」
「勿論、美優のことが心配で様子を見に来るんじゃないかな」
「本当にお優しいですね」
「確かにあのお二人はいつだって優しいよ。この私のことを本当の息子のように育ててくれたしな」
そして付け加えるように伝えた。
「美優がこちらに来てからも何度も美優の様子を私に聞いていたんだぞ」
それを聞いた美優は言う。
「何だか心の中が温かく感じます」
その様子は親子の情愛とは違う、不思議な違和感を感じた。やはり記憶が戻らないせいなのかもしれないと思った。
そんな風に考えていたら美優が突然、驚くことを口にした。
「実は私がお兄様と一緒に住む少し前まで、私はお兄様のこと血の繋がった本当の兄だと思っていたんです」
「本当の兄妹だと思っていたということか?」
思わず聞き返してしまった。
「はい、そう思っていたらある日大和さんが血の繋がっていない兄妹だと口にしたので、どういうことか問い詰めてしまったのです」
「記憶をなくしてからの、まだ私が忘れている話を全て大和さんから聞きました。そしてお兄様と血の繋がりがないことを知り、正直嬉しく感じました」
果たしてその言葉を素直に喜んでいいのか? それとも、もっと違う意味があるのか、頭の中で考えていると美優は顔を赤らめて言った。
「私、お兄様を兄としてではなく、好きになっても許されるのだと知りました」
それを聞き私は混乱していた。そして思わず口に出てしまった。
「これは夢ではないのだな?」
すると美優は意外そうな顔で、それでも嬉しそうに聞いてきた。
「お兄様はそんな気持ちを迷惑だとは思われないのですか?」
「そんなはずあるわけない。寧ろこんなことがあるなんて」
私は言葉が詰まってしまうほど驚いていた。そして私は覚悟を決めて話すことにした。
「私は、美優がこちらの国に来てからは一度も妹だと思ったことはなかった。いや、思えなかった」
そう言ってから続けた。
「私は女性として美優を好きになっていた」
すると美優は嬉しそうに、今までのことを素直に話してくれた。
それは、兄妹だと思っていたから許されないと思い、私を遠ざけていたことや香苗への嫉妬心など、包み隠さず全てを。
それを聞いた私は美優を抱きしめたかったが、ここは店の中だと気づき我慢した。
それから私たちは店を出て、歩きながら色々な話をした。私はそっと美優と手を繋いだ。
「ずっとこうして美優と歩きたかった」
そう言うと、今度は美優がその手を解いて私の腕に自分の腕を絡めてきた。
「私もずっとこうしてみたかった」
私はそんな中、今までこれほど満たされ、幸せを感じたことはなかったなと思っていた。
こんな幸せが自分に訪れる日が来るなんて。そんな風に考えながら歩いていると、美優にふと聞かれた。
「お父様とお母様が私たちのことを知ったらどう思われるのでしょう?」
「多分、喜んでくれるはずだよ」
「何故、そんなにはっきりと言い切れるのですか?」
美優に聞かれたので、過去に父から言われたことを話すことにした。
実は私のことを養子にしてから、父は自分の跡を私に継がせると言ってくれたが、私は美優がいるのだから美優に継がせて私が美優の補佐をすると伝えたら、お父さんは『美優と一馬が結婚してくれたら一番いいのにな』と言われたことを告げた。
そしてその時は、私と美優はとても今のような関係ではなく、それこそ本当の兄妹のようだった。それに大和の存在もあったからな、と言った。それを全て聞き終えた美優は
「だったら、来月お父様とお母様に二人のことを話しても問題ないのですね?」
「本当に後悔しないな?」
「後悔だなんて、私はお兄様のことが好きなんですから」
美優は笑顔で言ってくれた。私たちは来月二人で両親に報告することを確認し合った。そんな美優の首には、私が送ったネックレスが輝いていた。私はこの輝きが二人の未来のようで『必ず美優を幸せにする』と心に誓っていた。
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