8 / 47
8話(ステーシア《美優》)の思惑
しおりを挟む
数日後、従兄のジャンという名前のお兄様が隣国の留学先より帰って来た。彼はわたくしより五歳年上の二十三歳になる。
お兄様はわたくしを見るなり話しかけた。
「久しぶりステーシア、元気にしてたかい?」
わたくしは彼をじっと見つめた。
「貴方がわたくしの従兄のジャンお兄様なのね」
何も知らないお兄様は口をポカンと開けて驚いている。
「ステーシア、どうしてしまったんだ」
すると近くにいたお兄様の母である伯母様が今までの経緯を時間をかけてアンと共に説明し始めた。
その間、わたくしは黙ってその会話を聞いていた。そしてその話の途中、わたくしが納屋に閉じ込められていた話を聞いたお兄様は激怒して、その都度、話は途切れたが、それでも話は最後まで続けられた。そして、お父様が亡くなってから、始まった虐待のせいでわたくしが、高熱を出し意識不明になった後、全ての記憶が失われてしまったことを聞いたお兄様は物凄い形相をした。
「あの継母の奴、絶対許さない、必ず仕返ししてやる!」
すると伯母様がお兄様を宥めた。
「今、お父様が色々と手を尽くされているからジャンは暫く大人しくしていてちょうだい」
その時のお兄様は怒りのあまり、握られていた拳が真っ赤になっていた。そして全ての話を聞き終えたお兄様に私はお願いをした。
「そういう訳なので、わたくしの話し方が前と大分違っていると皆さんから言われるけれど気になさらないで下さいね」
そして付け加えるように伯母様が言った。
「話し方だけではなく人格其の物も変わってしまったのでその事も頭に入れておいてね」
そして伯母様はにっこり笑った。
「でもわたくしは今のステーシアの方が好ましくてよ。前の控えめ過ぎるステーシアは心配で見ていられなかったもの」
するとお兄様は
「ステーシア、これからはここで一緒に暮らすことになるのだから一切の気を使わず好きに暮らすといい」
それを聞いたわたくしはお礼を言った。
「ありがとうございます。それでは遠慮なくお世話になります。お兄様? とお呼びしても?」
「お兄様か、まあいい。前はもっと堅苦しくジャン様だったからな」
そして早速わたくしは頼みごとをした。
「それではお兄様、一つお願いがありますの。このまま記憶が戻らないと不便ですので色々と学んでおきたいので何処かの図書館に案内して欲しいのですが」
「だったら王立図書館があるから案内するよ」
「お帰りになられたばかりでお疲れではないですか?」
「大丈夫だ、列車の中ではずっと寝ていたからな」
それを側で聞いていた伯母様は言ってくださった。
「ステーシア、そんなに学びたいのなら誰か家庭教師でもつけたらいいわ」
しかしわたくしは前の世界の知識を生かし、この侯爵邸のためになってみせますわと心の中で思っていた。ですから丁重にお断りをした。
「伯母様、お気持ちはありがたく頂きます。でも、わたくしなりに色々と学びたいので今はこのまま見守っていてください」
すると伯母様は残念そうに仰った。
「そうね、ステーシアがそうしたいのなら貴女の好きなようにするといいわ。でも必要な時はいつでも言ってちょうだいね、遠慮は禁物よ」
その言葉に心がじんわりと温かくなった。
その後、わたくし達はアンも連れて三人で馬車で図書館へと向かった。
図書館に着くとそこは、わたくしが予想していたより遥かに大きく、思っていた以上に沢山の本が所狭しと並んでいた。そしてわたくしはこの国の歴史が分かる本を手にして、その場で読書をするスペースで読み耽っていた。
するとどうやらここは千九百年頃のヨーロッパだということが分かった。この国は千九百年代を 通じて平和主義的な外交政策 をとり、国際的な紛争には直接介入しない姿勢を貫いている国だった。
そして他にも、今のこの国の現状や、貴族の常識などを調べ始めた。
すると後ろからお兄様に声を掛けられた。
「何をそんなに真剣に読んでいるんだい?」
「この国の歴史や常識について色々です」
わたくしは前にいた世界でこの時代の貴族のことはある程度学んだ時期もあり知っていることもあったので、この時代に自分の知識で役立つことはないのかと頭を巡らせていた。
そんな時ふと、この時代に手に入るもので、自分に作り出せる物はないのか? と考えた時に、浴室にシャンプーらしき物はあったのだがトリートメントの様な物がなく、髪が乾くとパサついていていたので、その時にアンに聞いたことを思い出していた。
『洗髪した後は植物油を塗って艶を出すのです』
しかし、それだけではごわつきは収まらなかった。
そうだ、だったら自分でトリートメントを作ればいいと思った。
わたくしは、前にいた世界で植物に興味を持っていた時に調べたことのある成分を思い出していた。
そしてその中から、こちらの世界でも手に入る物をアンとお兄様に尋ねると、まずはオリーブオイルとローズマリー、カモミールは間違いなく手に入るとのこと。オリーブオイルは髪の艶出し、ローズマリーは血行促進効果でフケの抑制効果がある。それからカモミールは頭皮の炎症を抑えるハーブだ。香りは甘さと爽やかさが同居する心地よい香りだ。あとはそれらを撹拌(かくはん)して使い勝手を良くするためアラビアゴム末でとろみをつければ完成出だ。アラビアゴム末は、画材店にあるとお兄様が教えてくれた。
わたくしは早速、図書館の帰り道にお兄様に頼んでそれらの買い物に付き合ってもらった。
こうして侯爵邸に着いて買い物してきた物を全て調合した。
アラビアゴム末は、マメ科のアカシア属の植物から採取されるアラビアゴムを粉末状にしたもので、医薬品や食品、工業製品などに幅広く利用される天然の水溶性高分子だ。乳化、懸濁、結合などの目的で賦形剤として調剤に用いられる。
この時代では画材として絵の具に混ぜて使われていた。そして水に溶かして天然の接着剤としても使用できるので上手くすれば付箋の糊としても利用出来るかもしれないが、それはまたあとで考えることにした。
取り敢えず、わたくしは、完成したこのトリートメントをすぐに伯母様に使ってもらった。
すると伯母様は満足そうに仰った。
「言われた通り仕上げにほんの少し時間をおいたわ。どう? 見てちょうだい、髪に栄養が行き届いたみたいでとてもしっとりとしたわ」
とても満足気に話してくれた。わたくしはこれならいけると思い、侯爵様が帰られたら是非このトリートメントを商品化できないか相談してみようと考えていた。
わたくしは前の世界で絵画に興味を持ち、その際に昔は高かった顔料について詳しく調べていた時にこのアラビアゴムの存在を知り、あまりの多様性に驚いたことを思い出していた。この偶然の幸運な発見にわたくしは興奮した。そしてその当時、調べていたことが、こんな形で役立つとは嬉しい限りだった。
お兄様はわたくしを見るなり話しかけた。
「久しぶりステーシア、元気にしてたかい?」
わたくしは彼をじっと見つめた。
「貴方がわたくしの従兄のジャンお兄様なのね」
何も知らないお兄様は口をポカンと開けて驚いている。
「ステーシア、どうしてしまったんだ」
すると近くにいたお兄様の母である伯母様が今までの経緯を時間をかけてアンと共に説明し始めた。
その間、わたくしは黙ってその会話を聞いていた。そしてその話の途中、わたくしが納屋に閉じ込められていた話を聞いたお兄様は激怒して、その都度、話は途切れたが、それでも話は最後まで続けられた。そして、お父様が亡くなってから、始まった虐待のせいでわたくしが、高熱を出し意識不明になった後、全ての記憶が失われてしまったことを聞いたお兄様は物凄い形相をした。
「あの継母の奴、絶対許さない、必ず仕返ししてやる!」
すると伯母様がお兄様を宥めた。
「今、お父様が色々と手を尽くされているからジャンは暫く大人しくしていてちょうだい」
その時のお兄様は怒りのあまり、握られていた拳が真っ赤になっていた。そして全ての話を聞き終えたお兄様に私はお願いをした。
「そういう訳なので、わたくしの話し方が前と大分違っていると皆さんから言われるけれど気になさらないで下さいね」
そして付け加えるように伯母様が言った。
「話し方だけではなく人格其の物も変わってしまったのでその事も頭に入れておいてね」
そして伯母様はにっこり笑った。
「でもわたくしは今のステーシアの方が好ましくてよ。前の控えめ過ぎるステーシアは心配で見ていられなかったもの」
するとお兄様は
「ステーシア、これからはここで一緒に暮らすことになるのだから一切の気を使わず好きに暮らすといい」
それを聞いたわたくしはお礼を言った。
「ありがとうございます。それでは遠慮なくお世話になります。お兄様? とお呼びしても?」
「お兄様か、まあいい。前はもっと堅苦しくジャン様だったからな」
そして早速わたくしは頼みごとをした。
「それではお兄様、一つお願いがありますの。このまま記憶が戻らないと不便ですので色々と学んでおきたいので何処かの図書館に案内して欲しいのですが」
「だったら王立図書館があるから案内するよ」
「お帰りになられたばかりでお疲れではないですか?」
「大丈夫だ、列車の中ではずっと寝ていたからな」
それを側で聞いていた伯母様は言ってくださった。
「ステーシア、そんなに学びたいのなら誰か家庭教師でもつけたらいいわ」
しかしわたくしは前の世界の知識を生かし、この侯爵邸のためになってみせますわと心の中で思っていた。ですから丁重にお断りをした。
「伯母様、お気持ちはありがたく頂きます。でも、わたくしなりに色々と学びたいので今はこのまま見守っていてください」
すると伯母様は残念そうに仰った。
「そうね、ステーシアがそうしたいのなら貴女の好きなようにするといいわ。でも必要な時はいつでも言ってちょうだいね、遠慮は禁物よ」
その言葉に心がじんわりと温かくなった。
その後、わたくし達はアンも連れて三人で馬車で図書館へと向かった。
図書館に着くとそこは、わたくしが予想していたより遥かに大きく、思っていた以上に沢山の本が所狭しと並んでいた。そしてわたくしはこの国の歴史が分かる本を手にして、その場で読書をするスペースで読み耽っていた。
するとどうやらここは千九百年頃のヨーロッパだということが分かった。この国は千九百年代を 通じて平和主義的な外交政策 をとり、国際的な紛争には直接介入しない姿勢を貫いている国だった。
そして他にも、今のこの国の現状や、貴族の常識などを調べ始めた。
すると後ろからお兄様に声を掛けられた。
「何をそんなに真剣に読んでいるんだい?」
「この国の歴史や常識について色々です」
わたくしは前にいた世界でこの時代の貴族のことはある程度学んだ時期もあり知っていることもあったので、この時代に自分の知識で役立つことはないのかと頭を巡らせていた。
そんな時ふと、この時代に手に入るもので、自分に作り出せる物はないのか? と考えた時に、浴室にシャンプーらしき物はあったのだがトリートメントの様な物がなく、髪が乾くとパサついていていたので、その時にアンに聞いたことを思い出していた。
『洗髪した後は植物油を塗って艶を出すのです』
しかし、それだけではごわつきは収まらなかった。
そうだ、だったら自分でトリートメントを作ればいいと思った。
わたくしは、前にいた世界で植物に興味を持っていた時に調べたことのある成分を思い出していた。
そしてその中から、こちらの世界でも手に入る物をアンとお兄様に尋ねると、まずはオリーブオイルとローズマリー、カモミールは間違いなく手に入るとのこと。オリーブオイルは髪の艶出し、ローズマリーは血行促進効果でフケの抑制効果がある。それからカモミールは頭皮の炎症を抑えるハーブだ。香りは甘さと爽やかさが同居する心地よい香りだ。あとはそれらを撹拌(かくはん)して使い勝手を良くするためアラビアゴム末でとろみをつければ完成出だ。アラビアゴム末は、画材店にあるとお兄様が教えてくれた。
わたくしは早速、図書館の帰り道にお兄様に頼んでそれらの買い物に付き合ってもらった。
こうして侯爵邸に着いて買い物してきた物を全て調合した。
アラビアゴム末は、マメ科のアカシア属の植物から採取されるアラビアゴムを粉末状にしたもので、医薬品や食品、工業製品などに幅広く利用される天然の水溶性高分子だ。乳化、懸濁、結合などの目的で賦形剤として調剤に用いられる。
この時代では画材として絵の具に混ぜて使われていた。そして水に溶かして天然の接着剤としても使用できるので上手くすれば付箋の糊としても利用出来るかもしれないが、それはまたあとで考えることにした。
取り敢えず、わたくしは、完成したこのトリートメントをすぐに伯母様に使ってもらった。
すると伯母様は満足そうに仰った。
「言われた通り仕上げにほんの少し時間をおいたわ。どう? 見てちょうだい、髪に栄養が行き届いたみたいでとてもしっとりとしたわ」
とても満足気に話してくれた。わたくしはこれならいけると思い、侯爵様が帰られたら是非このトリートメントを商品化できないか相談してみようと考えていた。
わたくしは前の世界で絵画に興味を持ち、その際に昔は高かった顔料について詳しく調べていた時にこのアラビアゴムの存在を知り、あまりの多様性に驚いたことを思い出していた。この偶然の幸運な発見にわたくしは興奮した。そしてその当時、調べていたことが、こんな形で役立つとは嬉しい限りだった。
33
あなたにおすすめの小説
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした
きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。
全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。
その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。
失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。
前世の祖母に強い憧れを持ったまま生まれ変わったら、家族と婚約者に嫌われましたが、思いがけない面々から物凄く好かれているようです
珠宮さくら
ファンタジー
前世の祖母にように花に囲まれた生活を送りたかったが、その時は母にお金にもならないことはするなと言われながら成長したことで、母の言う通りにお金になる仕事に就くために大学で勉強していたが、彼女の側には常に花があった。
老後は、祖母のように暮らせたらと思っていたが、そんな日常が一変する。別の世界に子爵家の長女フィオレンティーナ・アルタヴィッラとして生まれ変わっても、前世の祖母のようになりたいという強い憧れがあったせいか、前世のことを忘れることなく転生した。前世をよく覚えている分、新しい人生を悔いなく過ごそうとする思いが、フィオレンティーナには強かった。
そのせいで、貴族らしくないことばかりをして、家族や婚約者に物凄く嫌われてしまうが、思わぬ方面には物凄く好かれていたようだ。
巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。 〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜
トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!?
婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。
気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。
美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。
けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。
食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉!
「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」
港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。
気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。
――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談)
*AIと一緒に書いています*
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします
タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。
悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。
普段は地味子。でも本当は凄腕の聖女さん〜地味だから、という理由で聖女ギルドを追い出されてしまいました。私がいなくても大丈夫でしょうか?〜
神伊 咲児
ファンタジー
主人公、イルエマ・ジミィーナは16歳。
聖女ギルド【女神の光輝】に属している聖女だった。
イルエマは眼鏡をかけており、黒髪の冴えない見た目。
いわゆる地味子だ。
彼女の能力も地味だった。
使える魔法といえば、聖女なら誰でも使えるものばかり。回復と素材進化と解呪魔法の3つだけ。
唯一のユニークスキルは、ペンが無くても文字を書ける光魔字。
そんな能力も地味な彼女は、ギルド内では裏方作業の雑務をしていた。
ある日、ギルドマスターのキアーラより、地味だからという理由で解雇される。
しかし、彼女は目立たない実力者だった。
素材進化の魔法は独自で改良してパワーアップしており、通常の3倍の威力。
司祭でも見落とすような小さな呪いも見つけてしまう鋭い感覚。
難しい相談でも難なくこなす知識と教養。
全てにおいてハイクオリティ。最強の聖女だったのだ。
彼女は新しいギルドに参加して順風満帆。
彼女をクビにした聖女ギルドは落ちぶれていく。
地味な聖女が大活躍! 痛快ファンタジーストーリー。
全部で5万字。
カクヨムにも投稿しておりますが、アルファポリス用にタイトルも含めて改稿いたしました。
HOTランキング女性向け1位。
日間ファンタジーランキング1位。
日間完結ランキング1位。
応援してくれた、みなさんのおかげです。
ありがとうございます。とても嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる